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9月下旬、東京都、千葉県など7つの都県にインフルエンザ流行注意報が発令。秋冬の感染症どうなる?対策どうする?【小児科医】

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スタジオで熱を持つ小さな女の子
●写真はイメージです
Antonio_Diaz/gettyimages

2023年9月末、新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)とインフルエンザが同時流行する事態になっています。「8月の記事でも取り上げましたが、コロナもインフルエンザも流行が収まるどころかどんどん拡大しています」と小児科医の太田文夫先生は言います。
「小児科医・太田先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」連載の#37です。

コロナとインフルエンザの同時流行で学級閉鎖の嵐に

私のクリニックがある千葉市では、夏休み明けの学校は小学校も中学校も市内全域で学級閉鎖の嵐です。2023年9月25日までに、のべ90クラスが閉鎖を経験しています。この時期に複数の学級閉鎖が起こるのはまれなこと。私は今までに経験したことがありません。

学級閉鎖の理由はインフルエンザ単独、コロナ単独、中には両方が混在して欠席者多数のため、とかなり複雑です。先週末には、東京都、千葉県を含む7都県に異例のインフルエンザ流行注意報が発令されて、早期の終息は見込めない状況です。

保育園の状況や、家庭での感染状況は?

学校や幼稚園は、学級閉鎖ができますが、保育園ではそうはいかず、3~5歳の在籍児73名中の3分の2があっという間にインフルエンザにかかってしまった施設もあります。保育園のコロナ患者は、家族からの感染がメインで、集団感染は目立ちません。

兄弟姉妹の預け先施設が異なったり、学校が異なったりすると、片やコロナ、片やインフルエンザと流行する疾患が異なり、同時期に家族が別々なところで別々な疾患にかかってしまった家族も出る始末です。家族内感染予防策にも大わらわな状況になっています。

インフルエンザの流行株は?

現在流行しているインフルエンザは、「H3」と「H1pdm」の2種類が混在し始めたようです。そのために、短期間にインフルエンザに二度かかる子どもも出ています。
世界の流行事情の情報に詳しい人に聞くと、7月に東南アジアではH1pdmの流行があり、今冬には、日本でもこの型が流行るだろうと予想されたのに、冬になるどころか秋になったばかりで、もうH1pdmの流行が始まってしまったのかも。

宿泊保育や宿泊学習、文化祭や発表会などのイベントなどがきっかけになって感染が広まっていることも考えられます。これはコロナにもインフルエンザにも共通した現象です。今は10月の運動会に向けての練習も盛んな時期だけに要注意。しかも二つの疾患の同時流行なので、しっかりとした感染拡大予防対策を取ることが望まれます。人からうつされない、人にうつさないためには不織布マスクが役立ちます。着用できる状況で、着用できる年齢の子どもたちには必要な理由を説明して着用をすすめましょう。

コロナの患者数の発表が減ったのは症状が軽くなったからではない

コロナの患者数の発表回数は、5類に変更になってから週1回になっています。これは発症時の症状が軽症になったからではなく、扱いが変わっただけです。コロナの症状が軽くなったわけではないので、勘違いはしないようにしましょう。
ママ・パパが半日だけの発熱で終わっても、コロナに感染していたということもあります。
最近のコロナ患者さんは、味覚・嗅覚障害が出やすいようで、自宅での療養終了後も耳鼻科通院が欠かせない人が多いとか。
発熱したときは、ママ・パパも、コロナ罹患、インフルエンザ罹患も想定しましょう。

コロナもインフルエンザも施設内患者の情報はできるだけ具体的に公表したほうが危機意識を共有できると思います。保育施設では、保護者の了解を得て、コロナ何名、インフルエンザ何名、胃腸炎何名と毎日最新情報を出しているところも。この方法は好評だそうです。

子どものコロナの状況と、ワクチン接種どうしたらいい?

コロナの発症年齢、最近は低年齢が最多となっています。
流行当初、子どもはかかりにくい、かかっても軽症といわれていましたが、オミクロン株以降に死亡を含む重症者が増えており、主な死亡原因は急性期の脳症と心筋炎となっています。

そんな中、コロナのワクチンの接種機運が上がらず、5歳未満の接種率は5%にも満たない状態です。低接種率は世界共通のよう。
生後6カ月以上の子どもは、ワクチン接種の対象。ワクチン接種が済んでいるとかかってしまっても重症化率が下がり、後遺症発症率が下がることは成人と同様に子どもでもわかっています。

わが国の子どもたちはまだ一度もかかっていない割合が高く、このまま流行が続くと重症者が増えないか心配です。
ワクチンは、9月20日以降の接種方法変更後も対象年齢は変わらず、来春までは大人も子どもも全員無料です。
日本小児科学会では、生後6カ月~17歳のすべての子どもたちにワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を推奨しています。

インフルエンザワクチンの接種はどうしたらいい?

インフルエンザについても「この時期にかかった経験がなく、これから始まるワクチン接種をどうしたらいいか」という質問をされる機会が増えてきました。
ワクチンの中身は4種類の型に対応できる構成です。一度かかったからもうワクチン接種が不要になるわけではありません。集団生活をしている子どもたちは例年通りに接種を受けておいたほうが安心です。

コロナが5類になったことを、軽症の病気になったと誤解してはいけません。インフルエンザより合併症、後遺症が多いのに変わりはありません。インフルエンザも脳症などの合併症が怖い病気です。どちらも罹患リスク・重症度リスクを下げるためにはワクチンが役立ちます。

文・監修/太田文夫先生

構成/たまひよONLINE編集部 

体調が悪い状態が続くと、ワクチンを接種するタイミングをはかるのも大変かもしれませんが「コロナとインフルエンザの子どもの予防接種についてはかかりつけ小児科医と相談しておきましょう」と太田先生は言います。

●記事の内容は2023年9月25日の情報であり、現在と異なる場合があります。

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