SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 「育休復帰後、辞めさせたい感じが伝わってきた」「不妊治療との両立が難しい」私が妊娠・出産を機に仕事を辞めようと思った理由

「育休復帰後、辞めさせたい感じが伝わってきた」「不妊治療との両立が難しい」私が妊娠・出産を機に仕事を辞めようと思った理由

更新

maruco/gettyimages

今回のテーマは「女性のキャリア」についてです。妊娠・出産・育児を機に仕事を辞めようと思ったことがあるかどうかをアンケート調査。その結果を紹介するとともに、自分のキャリアを手放さないためにできることについて、キャリアカウンセラーの土屋美乃さんにアドバイスをいただきました。

身体の負担、精神的重圧など多くの重荷が

最初に「たまひよ」アプリユーザーの声からご紹介します。

Q:あなたはこれまでに、妊娠・出産や子育てを理由に仕事を辞めようと思ったことはありますか?

ある 46.7%
ない 48.8%
その他 4.5%

ほぼ半々の結果ですね。「仕事を辞めよう」と思った方の理由には、以下のようなものがありました。

「(職場で)有機溶剤を使っており、かつ立ち仕事なので、妊婦の身体には良くないとわかっていたこと、つわりが酷く、休みがちで申し訳なかったことなどで」(おもち)

「つわりがキツすぎて。電車通勤がなかなか辛く、このままやめてもいいかなと思いながらも、有休をやりくりして、なんとか辞めずにいる」(月華)

「妊娠してつわりがひどく、切迫流産の危険もあったために休職し、復帰後に『健康でない人は働けない』と1日に3度言われた。辞めさせたいという感じが伝わってきた」(ゆっちゃん)

「自分の体調を崩すことが多くなったり、仕事でのストレスが半端なかったりで、自分が精神的にダメになりそうになったから」(みきてぃ)

体調面の理由が多かったですね。一方、精神的に追い詰められてしまった人も。

「職場の人間関係(一部のみ)がものすごく嫌になってしまったときに。嫌味しか言われなくて…」(TOMO)

「不妊治療と職場のパワハラまがいな社員たちの中で、うつになりました。現在休職中ですが、辞める予定です」(りー)

不妊治療や仕事との両立の難しさをあげる人もいました。

「実母に病気が見つかり、近くでサポートしたいと思ったこと。また流産が2度続き、不妊治療に挑戦するために休まなければならず、仕事を辞める必要があったからです」(じゃがりこ)

「休みがとりづらく、残業も多かったため、不妊治療との両立が難しかった」(まよ)

「まだ育休中だが、2人の子どもをみながらの仕事と両立は難しいと思った」(ちゃんちゃん)

「育休から帰ってきた他の社員を見ると、いったん定時で上がって、再び夜中に仕事をしている。配慮してもらっているとは言え、そこまでしないと終わらない業務量をこなすのは正直厳しいと思うし、そんなに働ける気がしない」(たぬたぬ)

妊娠・出産・育児を経ても、進んで辞めたいという声は少ないように思います。でも、ふと「仕事を辞めたい」と思ったときに、どう今後を考えたらいいでしょうか。そして、ママたちが精神的に追い詰められないようにするためのアドバイスを、キャリアカウンセラーの土屋美乃さんに伺いました。

その時々の優先順位を考えながら、キャリアは長期的に捉えて

女性が妊娠・出産・育児をしながら、仕事を続けるためには、職場やパートナー、家族や社会からの協力が欠かせません。

令和へ時代が変化したからといって、すぐに職場の雰囲気や、パートナーの意識が変わるわけではありませんが、男性の育休取得率が前年に比べて著しく高く出たりしている現状は、少なからず女性だけにその負荷がかからないような意識が社会全体として芽生えてきている証でもあります。

結論から言えば、まず個人的にも妊娠・出産・育児は本当にかけがえのない奇跡のような出来事でもあり、また社会全体から見ても尊重すべき出来事です。

今の職場の仕事が、体調面や精神面で続けることが難しいと感じた時でも、何よりまず、ご自分を責めず、妊婦を受け入れられない職場が時代遅れなのだと思うくらいの気持ちで、ご自分を労ってくださいね。妊娠の喜びを享受することが一番大切です。

ただ、やはり通院や早退、時短勤務などにおいては、責任感の強い方ほど『申し訳ない』という気持ちも出てきてしまうものです。

出産を経ながら仕事を続けることがマイノリティであった時代においては、とにかく長時間たくさん働けることが評価につながることが多く、働く環境や時間に制限のある妊婦や母親は肩身の狭い思いをすることがたびたびありました。ですが今や100年キャリアと言われる時代、専業主婦になることのほうがレアケースといっても過言ではありません。

仕事に対する意欲さえあれば、子どもを持ちながらでもその意欲を買ってくれる企業、働く先は必ずあるはずです。

たまたま今の職場から否定的なことを言われようとも、子育て世代の女性を受け入れられないような時代遅れの会社は長期的に見て持続可能性は低いとすら言えます(物理的に女性が続けにくい業務を除いて)。

子育ても仕事も全てを完璧に、と一人で抱え込むのではなく、子育てでパートナーや身内の助けが借りにくい場合には、外部サービスである家事代行やシッターサービスなどを活用するのも一つの手です。これからは「ワンオペからマルオペ(マルチオペレーション)へ」の時代です。

また、仕事や職場も、続けることが難しいような場合には、他の職場や仕事に目を向けるきっかけとするのもありでしょう。マザーズハローワークなど「子育てしながら働く」キャリアをサポートしてくれるサービスも増えています。

「職場を変えること=すぐにキャリアを手放すこと」にはつながりません。
長期的にキャリアを考えるからこそ、何より労わり大切にすべきは、一番の資本である自分自身の身体と心です。

そこを中心に考え、人生における優先順位をもう一度自分に確認して、外部のサービスを活用することや、一時的にキャリアをスローペースにすること、多少のキャリアのブレイクを取ることも恐れないでくださいね。

長い人生の中で見れば、働き方に制約がある期間は数年のことです。優先順位を考えながら、ぜひ自分の望む働き方をしていってほしいです。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)

土屋美乃さん

PROFILE
国家資格キャリアコンサルタント。大学卒業後、株式会社リクルートエージェント(現リクルート)に入社。法人営業として主にIT業界に対する採用支援・人材紹介を、人事部では新卒採用業務全般を担当。 2009年にキャリアカウンセラーとして独立、2011年に株式会社エスキャリアを設立し、働く女性のためのキャリアカウンセリングサービス『マイ・カウンセラー』を展開。一人ひとりの自分らしいキャリアを実現することをミッションに、企業内、教育機関でのキャリア支援を行っている。

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年7月の情報であり、現在と異なる場合があります。

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。