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自分は読書が苦手。でも子どもには本好きに育ってほしい。どうしたらいい?【吉田明世×加藤貴子】

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俳優・加藤貴子さんが育児にかかわる悩みや気になることについて専門家に聞く連載第21回。今回は、「たまひよONLINE」で育児エッセイを連載中のフリーアナウンサー吉田明世さんとの対談です。9歳と6歳の2人の男の子を育てる加藤さんは、子どもたちに「読書好きになってほしい」思いがあるのだとか。保育士や絵本専門士の資格を持ち5歳の女の子と3歳の男の子のママでもある吉田さんに、本を身近に感じるためのかかわりについて聞きました。

アニメやゲームにハマり、読み聞かせの時間が少なくなった

加藤さん(以下敬称略) 今、上の子は9歳、下の子は6歳で、上の子が小学校に上がるころまではよく読み聞かせをしていました。『子どもが眠るまえに読んであげたい 365のみじかいお話』(永岡書店)や『エルマーのぼうけん』(福音館書店)とか・・・。でも今はほとんどしていないんです。

というのも、新型コロナウイルスが拡大し始めた2020年のころ、当時子どもたちは5歳と2歳だったんですが、家にいる時間が長くなってアニメを見始めたら、すっかりアニメにはまってしまって。さらに上の子が小学校に上がるとゲームやYouTubeにもはまったんです。学校から帰ってきて、宿題をして、ゲームをして、習い事やスポーツをして、YouTubeを見て、アニメを見て、とやっていると、ベッドに入る時間も遅くなってしまって。早く寝かせなきゃ、という思いからだんだん寝る前の読み聞かせの時間が取れなくなってしまいました。

でも考えてみれば、私自身も昔から本を読むのが苦手だったんですよね。

吉田さん(以下敬称略) それは、お仕事で台本を読むことが多いからですか?

加藤 うーん、そういうわけでもなく・・・学生のころから、本は読書感想文のために頑張って読む、という感じでした。漫画を読むのは大好きなんですけど。

私自身、本を読むことは「習慣」とまではいかなくて、読み始めたら夢中になったり、読書って面白いって思えるのに、なぜか本を手に取るまでに、腰が重くて時間がかかるんです。
なので、これを機会に私も子どもと一緒に読書量を増やせたらなぁ、なんて・・・(笑)

本を読む習慣って、実は私の俳優の仕事にも深く影響するんです。お芝居のセリフは、もちろんただすらすら読めればいいわけじゃなくて、内容を理解した上でどの言葉を強調して伝えるかがとても大切です。セリフの中でどの言葉を強調するかによって、お客さんがそのセリフを理解して深く共感することができるからです。だけど、私は読書量がたりないから、演じる以前に何を伝えるべきか、そこでつまずいちゃうんです。役者としての勉強のためにも、日常生活で子どもやまわりに思いや考え、状況を伝わりやすくするためにも読書は大切だな、と先日数年ぶりの舞台に出演して改めて感じました。

どうして読書量がたりないのか考えると、本の楽しみ方を知らないんじゃないか、と。だから子どもたちには、本を読む楽しさを知ってほしいと思うんですけど、どうスタートさせたらいいのか、吉田さんに教えてほしいです。

きょうだいに読み聞かせしてもらうと、読解力アップにも

吉田さんが出版した早口言葉の絵本『はやくちよこれいと』(吉田明世・カタスケ 作、今津良樹 絵/インプレス)。声に出して読むととっても楽しい!

吉田 長男くんはきっと自分のために本を読むとなるとアニメやゲームのほうが楽しいと思うので、だれかに読んであげるといいと思います。3歳下の弟くんに、長男くんが好きな本を読んであげるのはどうでしょうか。3歳下の弟くんにどうやったら理解してもらえるかを考えながら読むと、長男くん自身もその絵本の内容を、より一層理解できると思います。

絵本はイラストからのメッセージが大きいので、年齢の壁を越えやすいものです。学童期対象の絵本だとしても、3歳〜6歳くらいの小さい子に読んであげるときに「この絵はこんなことをしているね」「次のページではこんなふうになったね」と絵を説明してあげると、その世界を楽しめると思います。

加藤 親が読むんじゃなくて、きょうだいに読んでもらうのはいいですね! 弟もお兄ちゃんが大好きだから、一生懸命聞きそうな気がします。

吉田 自分より年下の子に教えてあげる責任感をくすぐるような「弟のためにこの話を教えてあげてほしいな」とお願いしてみると自信につながるかもしれませんね。長男くんの読解力や想像力も同時に上がると思います。

わが家も、上の女の子が5歳で、下の弟が3歳になったばっかりなんですけど、ときどきお姉ちゃんに「弟にこの絵本を読んであげて」と簡単な絵本を渡すと、喜んで読んでくれます。お姉ちゃんも文字をどんどん読めるようになるし、本を読む行為を続けられるし、それによって本が好きになっているとも感じます。家族を巻き込みながら、お母さんが動かなくても読めるような環境を作るのもいいのかな、と。

加藤 長男はけっこうマニアックな内容の図鑑が好きなんです。「絶滅危惧種」というような内容の・・・。そういう本でもいいんですか?

吉田 はい。まずは本に触れ続ける経験が大事だと思います。今はiPadやスマホアプリやYouTubeといったいろんなコンテンツがあって、子どもが飽きないものはたくさんあります。でもそんな中で、本の紙を触る、ページをめくって絵本を読む、といった体験が、のちに小説やエッセイを楽しめることにつながると思います。

アナウンサー×保育士の自分にできることを考え、絵本専門士に

加藤 今回の対談にあたって「絵本専門士」という資格があることを初めて知りました。吉田さんは、保育士や絵本専門士の資格を取ったそうですね。取ろうと思ったのはなぜですか?

吉田 私の祖母が実家の横で保育園を運営していて、学生時代にお手伝いしたこともあり、いつか私も保育士の資格を取りたいと思っていたんです。でもTBSアナウンサーになったあとは忙しくなかなか挑戦できずにいました。しかし、結婚・妊娠をして体調を崩してしまったこともあり、通常の産休より3カ月早くお休みをもらって、生放送の担当をすべて降りることに。

そこで、保育士の資格を取るなら今だ、と思ったんです。3カ月間独学で猛勉強して2018年4月に筆記試験を受け、5月に娘を出産したあとに実技試験を経て合格しました。

加藤 保育士試験を受けるには数年かかる人もいると聞きますが、その吉田さんのパワーがすごい!その後に絵本専門士の資格も取ったんですか?

吉田 娘を出産したあとにTBSを退職し、フリーアナウンサーとして仕事していく中で、保育現場での経験を重ねられずに保育士の資格をいかせない毎日が続いていました。アナウンサーであり保育士の資格を持っている自分にできることがないかなと考えたときに、「絵本の読み聞かせだ」と思いついたんです。

それで、読み聞かせのことを調べていたら「絵本専門士」という資格があると知りました。私自身も絵本が好きで絵本そのものについても学びたかったし、子どもにもたくさん読んであげたいという思いがあったので、絵本専門士に挑戦することにしました。娘を出産して1年後に資格取得をめざして勉強を始め、娘が2歳になったころに無事合格しました。

加藤 絵本専門士はどんな活動をするんですか?

吉田 絵本専門士は、絵本の魅力や楽しさをより多くの人に知ってもらうことを目的にさまざまな活動をします。いわば、絵本の魅力を伝えるプロフェッショナル。絵本の読み聞かせに特化する人もいれば、私のようにメディアでの発信を通じて絵本にまつわる仕事をする人もいます。

加藤 吉田さん自身は、もともと本を読むことが好きだったんですか?

吉田 はい。小説を読んで物語の世界に入り込める没入感が大好きなんです。絵本はイラストと言葉で物語の世界に入り込めるのが最大の魅力だと思っています。絵本はいずれ小説のような物語を楽しむ最初の入り口になると思います。

私自身は3人きょうだいの末っ子だったので、母親にそんなにたくさん読み聞かせしてもらった記憶はないんです。母は姉兄のことでとても忙しそうで、私はどちらかというと放置されていたような(笑)。逆に、母親に絵本を読んでもらう時間だけが唯一母をひとり占めできる時間だったから、絵本に対して特別な思いがあるのかもしれません。

お話/加藤貴子さん、吉田明世さん 撮影/アベユキヘ 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

「読み聞かせ」は絵を説明してあげてもいい、きょうだいに読んでもらうのもいい、など、親子での絵本の楽しみ方の新たな発見がありました。いろいろと工夫をして、絵本に触れる機会を増やすことが、のちに読書や物語の世界を楽しむことにつながるのだそうです。

加藤貴子さん(かとうたかこ)

PROFILE
1970年生まれ。1990年に芸能界デビューして以降、数々の作品に出演。代表作として『温泉へ行こう』シリーズ(TBS系)、『新・科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)、『花より男子』(TBS系)などがある。

吉田明世さん(よしだあきよ)

PROFILE
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、コラム連載など幅広く活躍中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。2022年、初の絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版。

●記事の内容は2024年1月現在の情報で、現在と異なる場合があります。

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