【体験談】キャッシュレス時代の今、家に置いてる現金はいくら?専門家が妥当な金額とその理由をアドバイス
コロナ禍で急速に進んだ感のあるキャッシュレス生活。とても便利な時代になりましたが、いざというときに現金が手元になくドキッとした経験もあるのではないでしょうか。では、実際、家にどのくらいの現金を置いているのでしょう?口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声を紹介するとともに、ファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんにアドバイスいただきました。
数千円から300万円まで現金事情は様々
まずは、ママたちの声を紹介します。
■ ちょこちょこ下ろすのが面倒なので、30万円ほど
「我が家は、ピン札(綺麗なお札)で、いつでも対応できるように15万円程度置いています。
保育園で現金が必要になることがあるので、足らなくならないように小銭や1000円札、5000円札なども多めに用意しています。生活費で細々と下ろすのが面倒なので、1万札も20枚くらいあって、その他、防災バッグに小銭から万札まで。トータルすると、70万円は超えてるんですよね…。持ちすぎかなーと思いつつ、他の家庭の現金事情も気になります」
■ 家族各自のお財布の中身を入れても十数万円程度かな
「我が家は全然置いてません。ピン札で5万円、小銭各種で3万円くらい。
各自の財布に入っているお金と合わせても、家庭内にある現金は十数万円程度ですね。それで困ったことはありません」
■ 家族それぞれの財布に少しの現金が入っているだけで、家には全然!
「家族それぞれの財布に少しの現金が入っているだけで、家には全然置いていません。
何十万円も家に置いてあったら、私は心配で外出できません。家に現金を置いている人って多いのでしょうか。ちょっと気になります」
■ 財布の中の1万円がなくなったら、またおろすくらい
「カードやスマホ決済をすることが多いので、現金を使うことがあまりなく、現金はお財布に入っているだけです。持っていても5万円くらいまでで、1万円札が1枚になったら、数万円をATMでおろすような感じです。現金は盗られたら終わりなので、あまり家には置いておかないです」
■ 金庫と防災バッグにまとまった現金を入れています
「私の実家が飛行機で行き来する距離なので、何かあって『至急実家に行かねば!』という時の交通費のために100万円は常に金庫に入れています。その他に、防災リュックに小銭、お札で10万くらい。
自宅に金庫があるかないかでも金額は違ってきそうですね。我が家は、私と夫、それぞれ金庫を持っているので、夫の金庫のほうは、開け方も知らないし、いかほど入っているかも知りません(笑)」
■ 箪笥貯金が300万円ほどあります
「300万円くらい置いてあります。
完全に箪笥貯金になっているので、もったいないんですが、ないと不安な性分で…」
■ 小銭と数千円しかありません…
「基本的に小銭しか家に置いていません。小学校の集金で小銭が必要な時があるので。あとは財布に3000円くらいが基本で、多い時は1万円入ってます。
ピン札はお祝いの時にしか使わないから、事前に準備しておく必要もないので置いていません。10万円も家にあったら、それこそ盗難が心配だから、すぐに銀行に預けています。普段からカード支払いがほとんどなので、現金がなくても問題ないです」
キーワードは「急な現金支出への備え」
現金をどのくらい置いておくといいのか、基本の考え方はあるのでしょうか。お金の専門家であるファイナンシャルプランナーの菅原直子さんに聞きました。
「自宅に置いておく現金の額は悩ましいですね。妥当な金額や紙幣と硬貨の割合、保管方法について、ファイナンシャルプランナーもテキストで学ぶことはありません。
ママの声も様々ですね。キャッシュレス決済が増えているので現金を使わない人もいれば、現金を使う場面があるから用意しておくという人もいます。実家への緊急帰省の交通費用に、かなりの金額を手元に置いている人もいます。
一方、盗難や金庫の話もあり、それらのバランスと個々の事情で金額は変わるのでしょう。
キーワードは『急な現金支出への備え』ではないでしょうか。
私には大規模停電により、店頭でクレジットカードを読み込む機械が使えなくなって、現金での支払いしかできなかった経験があります。現金を持っていたので買い物は無事にできましたが、その後、手元の現金が心もとなくなって不安になりました。停電でATMから引き出すことができなかったからです。
大規模停電なんてめったにありませんが、キャッシュレス決済ができない場合に備えて、一定程度の食費や日用品を買うための現金は用意しておくといいのではないかと考えています。
保管は、盗難への備えも大切にしつつ、家族の誰もが現金の保管場所にアクセスできるようにすることも必要です。厳重にしまい込んで取り出し方がわからなくなったり、手が届かなかったりすれば、用意していた意味がありません。
反対に、用意している理由をしっかり理解しないままにアクセスしやすくするのも考えもの。小遣いが足りなくなったから、ちょっと拝借ということのないようにもしたいものです」(お話/菅原直子さん)
現金をいくら置いておくと安心かは、家庭の事情やそれぞれの考え方によるようですね。金額の基準よりも、保管法の周知や確認の大切さがよくわかりました。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は2022年6月の情報で、現在と異なる場合があります。
菅原直子さん
PROFILE
ファイナンシャル・プランナー。外資系生命保険会社の勤務・代理店を経て1997年FP資格取得・独立。わが子の成長にあわせて教育資金関連に注力し、各地の高校で保護者・生徒向けの進学費用に関する講演多数。現在は子育て世帯からの教育費を中心とした家計相談に加え、高齢者や独立しない子どものいる家族のライフプラン相談も。「働けない子どものお金を考える会」「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。