歯が生えてきた!子どもの歯の磨き方の基本と気を付けたいこと
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大切なお子さんに歯が生えてきた。成長を感じる瞬間ですね。それと同時に、歯磨きはどうしたらいいんだろう?どういったものを使ったらいいんだろう?と考える方も多いと思います。今回そのような疑問にくらた歯科医院 院長 倉田友宏さんがお答えします。
監修医師情報:倉田 友宏
歯科医師。2001年徳島大学卒、卒業後2005年医療法人社団尚友会むつみデンタルクリニック院長を経て、2014年地元の長野県で父の後を継ぎ幼児期の咬合育成、むし歯予防から高齢者の入れ歯、インプラント治療まで包括的な歯科治療を行う総合歯科医院、くらた歯科医院の院長となる。
歯が生えてきたら
お子さんの歯は、多くは下の前歯から生え始めます。その後上の前歯が生えてきて、隣の歯が生えてきます。いざ歯みがきを始めようとしても、お子さんはイヤがってお口を開けてくれないものです。
まずはお母さんのひざまくらでお子さんが上を向いてお口を開ける練習からしていくといいです。今度はその状態から、清潔な手でお子さんの唇や歯茎、舌などをちょんちょんと触ったりして、お口を触られることに慣れてもらいましょう。お子さんがお口を開けてくれるようになったら、いよいよ歯磨きを行っていきます。まず歯の生えはじめのころで、歯が少ししか歯ぐきから出てきていないときなどは、歯ブラシを使うことは難しいと思います。そういった場合は、濡らしたガーゼを指に巻いて歯の汚れを拭き取ったり、綿棒を使って汚れを取り除くといいでしょう。
歯が充分な高さまで生えてきたら、今度は歯ブラシで磨いていきましょう。ゴシゴシと磨くことはせず、歯ブラシの毛先でそっと汚れを取り除くようにしましょう。1本ずつていねいに磨いていくとキレイになります。はじめのうちはお子さんはすぐに飽きてイヤになってしまうので、このころは1日1回でもお子さんのご機嫌のいいときに、まずはできるところまでで少しずつ歯ブラシで口の中を触る感覚に慣らしていくことが大切です。
奥歯が生えてきたら
1歳6ヶ月前後になると奥歯が生え始めます。奥歯は磨き残しやすく虫歯になりやすいので、軽く指で唇やほっぺたをよけてあげて、しっかりとブラシを届かせてキレイにしていきましょう。
このころになるとおっぱい・ミルクも卒業し、食べることのできる食事が多くなってきたり、ジュースなどを摂取する機会も増えてきますので、最低でも朝晩の歯磨きが望ましいです。歯ブラシはたくさんの種類があり、お店に行って迷うこともあると思います。お子さん用の歯ブラシは歯科医院や薬局、赤ちゃん用品店などに売っています。小さいのでお子さんでも持ちやすく、かわいいキャラクターの絵が描いてあるものもあります。ブラシが柔らかいゴム製の物もあったりと、いろんなものを選ぶ楽しみもありますね。歯ブラシの毛が生えている頭に相当する部分が小さいものは奥歯まで磨きやすいです。お子さんの歯もだんだん生えそろってきて歯磨きにも慣れてきたら、ワンタフトブラシという歯と歯の間や溝を磨くのに役立つ種類のブラシや、子ども用の糸ようじなどを補助的に使用したり、子供用のフッ素入りジェルなどを使用するとよりお子さんの歯をキレイに強く保つことができます。
歯ブラシで気を付けること
歯ブラシもずっと使っていったり、お子さんがかじったりしているうちにブラシの毛先が開いてきます。歯ブラシは毛先が開いてしまうと充分に汚れを取り除く効果を発揮できないので、そういった場合は換えどきとなります。お子さんがかじってしまってすぐに歯ブラシがダメになる場合は、普段お子さんが使う歯ブラシとは別に「仕上げ磨き用」の歯ブラシを用意しておくといいでしょう。
気を付けたいこととして、お子さんが歯ブラシに興味を持ってくれることは大変望ましいことですが、歯ブラシをくわえたまま歩いたり遊んだりすると、転倒したときに思わぬ事故がおこる可能性があります。歯ブラシはお子さんの手の届かない場所に保管し、歯磨きを行う際は必ずおうちの方が目を離さないようにし、お子さんが一人で歯ブラシを口に入れないように注意することが必要です。そして、お母さんが虫歯を心配するあまり無理やり歯磨きをしようとすると、お子さんはお口を開けることや口の中を触られることに抵抗感を持ってしまいます。歯磨きをさせてくれなくなるばかりでなく、必要な歯科治療も困難になることもありますので、楽しみながらお家でのコミュニケーションの1つとして行っていただければと思います。
お子さんの歯磨きは、はじめのうちはお子さんにとってもお母さんにとっても、1日のうちで決して楽しい時間ではないと思います。でもだんだん慣れていって、お子さんが自分からお口を開けてくれるようになれば嬉しいですね。親子の大切なコミュニケーションの1つになっていただけたらと思います。
署名 くらた歯科医院 院長 倉田友宏
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