【専門家監修】〈食塩中毒〉赤ちゃんの食塩のとりすぎは中毒に!どのくらい与えたら危険?
![【専門家監修】超基本!7,8ケ月ごろの離乳食[中期]進め方・1食の量・食材のかたさ大きさは?](https://img.benesse-cms.jp/tamahiyo/item/image/normal/resized/resized_2a4f0e87-3041-417d-a126-b1cea90ce2d9.jpg?w=100&h=60&resize_type=cover&resize_mode=force)

赤ちゃんに食塩を大量に与えてしまうと、命にかかわることがあります。どんな症状を引き起こすのか、どのくらい食塩を与えたら危険なのか、北九州市立八幡病院救命救急センター・小児救急センター院長・市川光太郎先生、日本小児保健協会栄養委員会委員・太田百合子先生に聞きました。
赤ちゃんが摂取すると危険な食塩の量は約10g/回
脱水(だっすい)症状や熱中症(ねっちゅしょう)を防ぐために、水分だけでなく塩分もとったほうがいいという話は、聞いたことがあるでしょう。けれど、赤ちゃんに塩分を与えすぎると、健康を害することがあります。
2015年8月、1才の子が食塩中毒で死亡する事故が起き、報道されました。赤ちゃんの食塩中毒について、小児科専門医の市川光太郎先生に聞きました。
「食塩を大量に摂取すると、体内の水分がたくさん使われ、細胞が脱水状態になります。とくに脳の細胞は弱いので、食塩中毒になるとぐったりする、けいれんを起こすなどの症状が起こります」(市川先生)
赤ちゃんが約10gの食塩を一度に摂取すると、命にかかわる危険な状態になるそうです。
「普通の生活で赤ちゃんが食塩を10g摂取することは、まず考えられません。大人でも1回の食事で摂取するのは難しい量です」(市川先生)
では、赤ちゃんに与える適切な食塩の量とは、いったいどのくらいなのでしょうか?管理栄養士の太田百合子先生にお話を聞きました。
「厚生労働省が策定した日本人の食事摂取基準では、0〜5カ月で1日0.3g、6〜11カ月で1.5g、1〜2才で3.0〜3.5g未満とされています。離乳食が始まるまでは、あえて食塩を与える必要はありません。なぜなら、おっぱい・ミルクに適量のナトリウムが含まれているからです」(太田先生)
離乳食が始まってすぐは、食材に自然と含まれているナトリウムで十分とのこと。食塩を離乳食の味つけに使うのは、9〜11カ月ごろから。
「赤ちゃんは内臓機能が未発達なので、食塩の量が多いと体に負担がかかります。また、しょっぱい味に慣れると味覚が鈍感になり、濃い味を好むように。将来の健康のことも考え、大人用より薄味を心がけるといいですね」(太田先生)
食塩に限らず、よかれと思って赤ちゃんに過剰に与えてしまうもの、ありませんか? 赤ちゃんの体は未発達。特定のものの与えすぎに注意し、栄養素はバランスよく与えることを意識したいものです。
赤ちゃんに与えても大丈夫な食塩の目安量
食塩から得られるナトリウムは、体の水分量を調節してくれたり、血液の循環の量をコントロールしてくれたりする大切な栄養素。けれど、とりすぎはNG。以下を参考に、赤ちゃんに与える食塩の量を調節しましょう。おっぱい・ミルクが飲めないほど食欲がない場合は、医師の指導のもと、食塩ではなく経口補水液を飲ませましょう。
「1日にとりたいナトリウム量(食塩相当量)」は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を参考にしました。
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監修/市川光太郎先生
初回公開日 2018/03/12
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