ベビーカーでの移動でアタフタ…。赤ちゃん連れのお出かけ、こうなったら地獄…ママ・パパのリアルボイス
時代が大きく変わっている今、ママやパパの意識も変わり、育児も過渡期にあります。新しい時代の子育てを模索している親世代は育児や夫婦関係において、どんな悩みを抱えているのでしょうか。リアルな声を、たまひよが3000名以上のママパパにリアルな本音を聞きました。今回の質問は「赤ちゃんとのおでかけで“困った”と感じたことはありますか?」。
予想外のアクシデントだらけ! 赤ちゃんとのお出かけで困ったことは?
買い物や遊びに行くのに限らず、健診や予防接種など、赤ちゃんと一緒にでかけるシーンは多々ありますよね。それに赤ちゃんの月齢が低い時ほど“もしも”に備えて、荷物があれもこれも増えてしまい、準備の段階から親はアタフタ。
そこでこの質問「赤ちゃんとのおでかけで“困った”と感じたことはありますか?」※1。
約9割が「困ったことがある」と回答。
具体的に「どんな時に“困った”と感じた」のでしょうか?※1
1位 子どもがぐずったり泣いたりしたとき
2位 おむつ替えの場所がないとき
3位 授乳をする場所がないとき
4位 混雑・渋滞しているとき
という結果になりました。
※1 たまひよのアプリ「まいにちのたまひよ」の利用者計3,330名にアンケートを実施(調査期間2024年6月24日~6月30日)
子育て世代にとって、公共交通機関は地獄!?
「公共交通機関で赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまった時」(30代・女性)
「電車内で子どもがぐずったとき」(30代・女性)
「満員電車は避けるようにしているものの、混雑している時に乗らざるを得ないことがある。ベビーカーだと幅を取って申し訳ない気持ちになる」(30代・女性)
――ショッピングセンターなどの商業施設や、児童公園といった赤ちゃんが遊びに来ることを想定して作られた公共の場でぐずるのはまだいいんです、授乳室やおむつの交換台があってお世話ができるから。
問題は電車やバスといった逃げ場のない公共交通機関。周囲の視線に耐えきれず、途中下車をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
そして、公共交通機関での利用で悩ましいのが「ベビーカー」。必需品なのにあれば不便な時がある悩ましき存在です。外出時に最もかさばる育児グッズなのに、歩きたがるのに急に眠気に襲われたり、気まぐれに歩くのを嫌がったりする子どものため、使うかどうかわからないにも関わらず3才くらいになるまでは外出時に必要なアイテムです。
そこで、たまひよのインスタグラムユーザー約3,000名に「公共交通機関でのお出かけ ベビーカーは?」と聞いたところ、下記の結果になりました※2。
「ベビーカーは、必ず持っていく」「持っていくことが多い」が70%近くと、お出かけの必需品になっているようです。
では、「ベビーカーがあって困ったとき」はどんな時なのかを、たまひよのアプリユーザーに聞いたところ、相反する回答が散見しました。
※2 たまひよのインスタグラムの利用者計3,334名にアンケートを実施(調査期間2024年7月30日)
必需品だけど、幅を取ってしまう……! 「ベビーカーがあって困ったとき」
「意外とバスが困りました!ベビーカーを乗せると運転手に嫌な顔をされたことも……」(30代・女性)
「子どもを乗せたベビーカーとともに、エレベーターの順番待ちをしていた時のこと。他の人たちが先に乗ってしまって、ベビーカーでは積載量オーバーに。何本もエレベーターを見送ったことがありました」(40代・女性)
――海外でも議論になることがあり、いまだ結論が出ていない公共交通機関でのベビーカー問題。赤ちゃんがいる親にとって必需品ではあるのですが、なかなか解決が難しい課題です。
「自宅から最寄り駅まで階段が数段あり、ベビーカーを使用できない」(40代・女性)
「ベビーカーで歩道橋に登ろうとしたところ、スロープがなかった。ベビーカーを折りたたんで進もうにも、荷物もあるうえわが子は抱っこひも嫌い。結局あきらめた」(30代・女性)
――ベビーカーがなければ……!と思うのが、こんなシチュエーションの時。どちらも仕方のないこととはいえ、こういったことが積み重なっていくとお出かけが億劫になってしまう可能性も。
赤ちゃんとのお出かけをもっと自由に
ベビーカーにまつわる悩みはつきません。このアンケート結果を見て、ベビーカーにまつわる事業を手掛けている人はどう感じたのでしょうか。駅や商業施設など外出先で予約ができるベビーカーレンタルサービス「ベビカル」を運営する株式会社ジェイアール東日本企画の森 祐介さんに聞きました。
――回答の「1位 子どもがぐずったり泣いたりしたとき」「2位 おむつ替えの場所がないとき」「3位 授乳をする場所がないとき」は、赤ちゃんとお出かけの際に永遠につきまとう困りごとに思えます。
「私も思い当たることばかりです。歩き出してイヤイヤ期に入ると本当に大変ですよね。
特に長男はイヤイヤがひどく、大雨の日に駅前のロータリーでずぶ濡れになりながら道路をゴロゴロ転がって暴れたり(周囲からは哀れみを含んだ感じで同情されました)、高速道路のサービスエリアで『おもちゃを買ってくれない』と暴れて床を這いつくばって、最後にはおもらしをしたり(トイレの清掃員の方が洗濯機で衣類を洗ってくださいました)、困りました。
現在絶賛イヤイヤ期の三男も、先日、商業施設で大泣きしながら走り回って大変でした。こういう時、周囲の視線も辛いですよね」(森さん)
――森さんは現在、2歳~14歳までの3人の子どもを育てるパパです。ここ10年の公共施設での育児に関する設備の変化は感じますか?
「10年以上前は今ほど男性のお手洗いにおむつ替えの場所がなく、長男をベンチに座らせたり、時には私が抱っこしたりして妻がそのすきにおむつを替えていました。今では男性のお手洗いでもおむつ替えシートをよく目にするので、便利になったなと思います」(森さん)
――ベビーカーでのお出かけで記憶に残っていることはありますか?
「自宅から最寄り駅までが遠く、電車に乗るためにはバスや自転車で移動しなければいけません。バスはよく混雑していて、前から乗車する際に狭いからベビーカーが乗せにくいんですよね。だからベビーカーは持たずに抱っこひもでがんばっていました。でも夏の暑い日に抱っこひもに入れていたら汗疹になってしまい、しばらく皮膚科に通う羽目に……。可哀そうなことをしました。
三男は『ベビカル』を利用しているので、現在ベビーカーは所有していません」(森さん)
――ベビーカーでのおでかけが大変という声は、特にママから多く寄せられます。
「ベビーカー利用時に『エレベーターに並ぶのが大変』『スロープがあって大変』という個別回答について男女差がある困りごとだと感じました。私は男なのでちょっとした段差ならベビーカーは担いでしまいますが、女性だとそうもいかないですよね。
日本は公共施設でのエレベーターが少ないという声がありますが、イギリスに住んでいた方から『ロンドンの方が日本よりもはるかにエレベーターの設置数は少ない。でもロンドンではベビーカーを持って困っている人がいたら、みんなが助けてくれるから問題ない。日本人はシャイだからそういうことができないのかな』という話を聞いたことがあります。日本だと困っている人がいても声をかけにくい心理が働くのもわかりますが、まだ育児に対する理解が進んでいないのかな、という気もします」(森さん)
――森さんは子育て世代がもっと自由にお出かけできるようになるには、どうすればいいと思いますか?
「先日、小田急電鉄さんの『子育て応援車』に乗りました。『お子さま連れのお客さまを温かく見守っていただきますようご協力お願いいたします。』というステッカーが貼られていることで、席を譲られている子育て世帯が3組いらっしゃいました。企業や自治体がそういう機運を作っていくことが大事だと思います」(森さん)
取材・文/津島千佳、たまひよONLINE編集部
【9/26から!ぜひ投票にご参加ください】
現在たまひよでは、生み育てやすい社会の実現に向けて活動している3つの団体にフォーカスをあてた「子育てのミライ応援プロジェクト」を実施中。応援したいと思う団体を1つ選んで投票してください! 「ベビカル」もエントリーしているので、チェックしてみてください。
<プロフィール>
「株式会社ジェイアール東日本企画」jeki-X部長 森 祐介さん
2002年株式会社ジェイアール東日本企画入社。イベント・キャンペーンを担当する部署でスポーツイベントやキャラクター関連業務を担当した後に、不動産デベロッパーの担当営業として商業施設の販促に従事。現在は、新規事業開発部門で新規事業の企画推進を担当。プライベートでは、反抗期の中2とゲームにしか興味のない小4、イヤイヤ期の2歳の3人の男児を子育て中。