【脳科学の専門医直伝】寝ぐずりをセーブ!“寝る力”を伸ばす6つの法則
olesiabilkei/gettyimages
「グズッて寝つきが悪い」「寝かしつけてもすぐ起きちゃう」 ぐっすり眠りたいママに対し、赤ちゃんはしばしば目を覚ましがち。でも、寝ぐずりは赤ちゃんの成長過程で必要なもののようです。すんなり眠る“寝る力”が育つかかわり方を、脳科学を専門とする成田奈緒子先生に伺いました。
こちらもおすすめ→眠りの専門家が提言【眠育】が不登校や発達障がいの問題解決への突破口に!?
“寝る力”を育てる6つの法則
赤ちゃんの健やかな成長と実りある将来のために、上質な睡眠を守ってあげることはとても大事! 寝ぐずりを軽減し、“寝る力”を育てるコツを紹介します。
法則1 朝日を浴びる
人間には、24時間よりも少し長い周期の体内時計が備わっています。そのズレを正すのが、目を覚まし、夜の睡眠を促す働きもある「セロトニン」というホルモン。朝日を浴びる、起床時にスキンシップをとる、体を動かすことでたくさん分泌されます。
法則2 夜は照明を暗めにする
人間の目は暗闇を認識すると、脳から「メラトニン」という眠けホルモンが分泌されます。夕方になると、赤ちゃんがグズることはありませんか? これは、太陽が沈みだすと眠たくなる感覚が一因しているという説も。就寝1時間前にはテレビを消し、部屋の照明を暗くすると「メラトニン」の分泌が促されます。
法則3 生活リズムを整える
目覚めの「セロトニン」、眠けの「メラトニン」。この2つの分泌と働きを促すために大切なのは、早起き・早寝の習慣づけと生活リズムを整えること。生後3カ月ごろからは朝7時くらいには起こし、顔をふくなどして朝の合図を。入浴は、就寝2時間前までに済ませるのがおすすめです。
法則4 「安心❤」の寝かしつけをする
赤ちゃんが安心して眠れる環境づくりも寝ぐずりをセーブするコツ。就寝前は、ママがそばにいて、体温やにおいで包み込んで! おなかの中にいたころの胎内環境に近づけ、一定のリズムでゆらゆら揺れる、声を聴かせるなども効果的。体をトントンしたり、なでるなどしてもいいでしょう。
法則5 就寝環境を整える
寝室の室温は21~23度、湿度は50~60%を目安に。日光やエアコンの風が直接当たらず、暗く静かな環境で寝かせることが重要です。吸湿性のいい素材の衣類を着せたり、寝つくまでは布団から手足を少し出すと、体温調節しやすく快眠を導くでしょう。寝ついたら、照明を真っ暗にすると睡眠の質がUP。
法則6 わが家の入眠儀式をつくる
生後3カ月ごろからは、就寝前の流れをおふろ→授乳→おむつ替えなどとルーティン化し、毎日の習慣に。タオルを握る、指をしゃぶるなど、赤ちゃんが安心する入眠スタイルがあれば続けてみて。ぬいぐるみを使い、わかりやすくねんねの時間を知らせるのもいいですね。
関連:赤ちゃんがコテンと寝る!保育士の寝かしつけワザ
「添い乳での寝かしつけは、飲んだ量が判断しにくいため、夜間に空腹で目を覚ますことも。寝る前はたっぷり満足するまで飲ませ、満腹で就寝→空腹で起床というサイクルをつくるといいかもしれませんね」と成田先生。睡眠のカタチは十人十色。赤ちゃんの月齢や個性に合った安眠を導くコツをつかみ、家族みんなで睡眠を大切にしたいですね。(取材・文/茶畑美治子・ひよこクラブ編集部)
■監修/成田奈緒子先生
「子育て科学アクシス」代表・文教大学教育学部教授・医学博士・小児科専門医。神戸大学医学部卒業後、米国セントルイス・ワシントン大学医学部留学を経て現職。専門は乳幼児の脳の発達や睡眠。一女のママ。ワークショップ「子育て科学アクシス」を主宰。
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。