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妊娠6週で3つ子と判明。医師から減胎手術を提案されるも、夫婦で何度も話し合い「3人とも産んで育てよう」と決意【多胎の妊娠・出産体験談】

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佳奈さんは2022年の2月に3卵性の3つ子(長女・なぎちゃん、長男・りくくん、ニ男・あおくん)を出産。現在は子どもたちと夫と、愛犬と都内で暮らすワーキングママです。結婚後すぐから不妊治療を開始した佳奈さん。つらい治療期間を経て無事妊娠し、3つ子の可能性を指摘されたときは、まだまだ半信半疑だったそうで…。今回は3つ子の妊娠から出産に至るまでのお話をじっくり語ってもらいました。全2回のインタビューの前編です。

最初の健診では半信半疑。2回目の健診で3つ子と確定!

3つ子ちゃんが2歳になったばかりのころ。1500g前後で生まれた子どもたちがこんなに大きく!みんな大好きなママとギュッ!

――妊娠がわかったときの状況を教えてください。

佳奈さん(以下敬称略) 妊娠したのは、結婚2年目。もともと私が20代のときに多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)と診断されており、その影響で妊娠しにくい体質なんです。そのため、当時診察してもらった医師から「妊娠を希望するのであれば、すぐ病院へ」と言われていたので、結婚後すぐに不妊治療をスタートしました。

――妊娠がわかったときはどんな気持ちでしたか?

佳奈 ずっと子どもが授かれるか不安が大きかったので、妊娠できたことがとにかくうれしかったです。3つ子とわかったのは、5週目の初めての超音波検査のとき。医師から「胎嚢(たいのう)が3つ見える」と言われました。ただし「中の1つしか卵黄嚢(らんおうのう)が見えてなくて、ほか2つは空っぽかもしれないから、また次回確認をしましょう」と。

そのとき、私自身も袋が3つあることを目視で確認したのですが、実際にもらった超音波検査の写真は卵黄嚢が見える1つの胎嚢の写真のみ。なので、報告した夫も半信半疑。私自身も何が起きたか、まだよくわかっていない状態で。だけど、次の診察までに「3つ子だったらどうする?」という話は何度も夫婦間でしました。

――そのあとすぐに3つ子だと確定したのですか?

佳奈 はい。翌週の妊娠6週の超音波検査で3つの心拍を確認し、3つ子妊娠が確定となりました。そのときは「やっぱり3つ子だった!」と。不妊治療の先生はとても現実的な方で「3つ子を育てていくのは本当に大変だから、よくパパや家族と相談して考えて」と言われて。だから、喜ぶよりも考えさせられた感じでしたね。

――多胎だと減胎手術(子宮内の胎児の数を減らすこと)をすすめられることもあると聞きます。

佳奈 私も1つの選択肢として医師から提案されました。ただ、不妊治療をしていた間、本当につらかったし、せっかく3人が来てくれたのに、減らすのってどうなのかと…。そんなふうに思ったんです。もちろん、それは1つの選択肢で否定するわけではないですし、それぞれの家族の選択があると思うのですが…。
夫からも「(減らす)選択はしないでしょ、佳奈は3人産むつもりでしょう」と言われて。そうだなと。そのまま3つ子の妊娠を継続することを決めました。

初期はつわり、後期は息苦しさや肋骨の痛みに悩まされ…

「生後6カ月(修正4カ月)のハーフバースデーの写真です。ちょうどこの日、長女が寝返りを成功させました」(佳奈さん)

――健診や出産は現在も住んでいる東京で?

佳奈 はい。実家が都内から新幹線で1時間半くらいのところで、最初はそっちに戻ることも考えたのですが、仕事もありましたし、何かあったときにすぐ病院に駆けつけられるほうがいいと思い、こちらの病院で出産することに決めました。

――妊娠生活で大変だったことは? 

佳奈 初期はつわりに悩まされました。妊娠した直後から、胃腸のあたりがモヤモヤし出して、しばらくしたら何を食べても吐くようになってしまったんです。その影響で4kgほど体重も減ってしまいました。なんとか入院はせずに済みましたが、あと1kg減ったら入院だよと言われるような状態でしたね。

――吐くタイプのつわりはつわりの中でも本当に大変ですよね。

佳奈 ええ。食べたいという気持ちはあったので、何かしら口に入れるのですが、結局吐いてしまうことが多くて…。ただ、不思議なことにオレンジジュースはダメだけど、りんごジュースはいけたり、(胃に負担のかかりそうな)牛丼はなぜか食べられたり…。そういうことがありましたね。

体調がよくなってきたのは、妊娠5〜6カ月のころ。でも、戌(いぬ)の日のお参りをしたときはまだギリギリで、なんとかお参りを乗りきりました。

――後半は後半で、おなかが大きくなってくることに伴う不調があったのでは?

佳奈 はい。おなかの赤ちゃんによる圧迫で横になると息苦しさがありました。肋骨(ろっこつ)のあたりが痛む肋間(ろっかん)神経痛にもなってしまって、ずっと痛くて、寝られなくて…。出産前の管理入院中もリクライニングしてみたり、腰にクッションを入れてみたり、抱き枕を使ってみたり…。いろいろ試しました。

妊娠24週まで仕事を継続!28週から管理入院に

「出産前日の写真です。この前の日に生まれてくるわが子へ手紙を書きました。何だか込み上げてくるものがあって不思議な気持ちに」(佳奈さん)

――妊娠してから、お仕事はどうしていたんですか?

佳奈 メーカーの会社員として働いているのですが、ちょうどコロナ下でリモートが推奨されている時期だったので、主に在宅で仕事をしていました。

――リモートとはいえ、3つ子妊娠でいろいろ症状もあるのにとても大変だったのではありませんか?

佳奈 大変でしたね。ただ、本当に体調が悪いときは仕事を休んでいましたし、ほかにも午前中だけ仕事をして午後は休んだり、出社のときはタクシーを使って行ったり。なんとかこなしていました。産休に入ったのは妊娠24週からです。当時、すでに腹囲は100cm前後で、はたから見れば臨月の妊婦さんに見えたと思います。

思い返すと、いろいろ症状はありつつも妊娠経過自体はよいほうだったのかな。入院前は切迫早産(せっぱくそうざん)や自宅安静を言い渡されたりもせず、気晴らしに近所を歩くなどもしていました。最後のほうはすぐに疲れるので、少し歩いては休む、まるでおばあちゃんのような動きでしたけど(笑)。

――管理入院はいつからしましたか?

佳奈 管理入院は妊娠28週からです。直前に夫の誕生日があったのでどうしてもこの日は家にいたいと先生に伝えていたら、かなえてくださり「パパのお誕生日会も終わったことだし、入院しますかね」と。先生、夫の誕生日のことをカルテに書いていたようです(笑)。

当時、子宮口はかろうじて閉じていたらしく、先生からは「まぁ、よくもっているほうだよ」と言われました。ただ、いちばん下にいた二男が骨盤に頭を突っ込んで下がってきていて、子宮頸管(しきゅうけいかん)も短めになっているとのことで、入院になったんです。

――管理入院中のことを教えてください。

佳奈 最初は大部屋に入院し、いずれMFICU(母体胎児集中治療室)に移ることが決まっていたのですが、医師の「もう少しこまかく診ていこう」との判断で入院4日目にはMFICUに移動することとなりました。MFICUは分娩室、診察室、ナースステーションも目の前で万が一のことがあったときにとても安心できる環境でしたが、基本部屋から出てはいけないのとシャワーもNG。身体は拭くのみでした。

最初の大部屋で入院仲間に恵まれましたし、移動すると生活が制限されるため、自分的にはもうMFICUに行くのか…早いな…と正直、思いましたが、子どもたちの命がいちばんですし、自分の一存で決められるものでもないので、ただただ指示に従うのみでした。

手術室で、夫に手を握られながら、迎えた帝王切開

長女のなぎが1572g、長男のりくが1480g、ニ男のあおが1363gで生まれてきました。およそ2カ月、病院でお世話になりました。

――出産はいつでしたか?

佳奈 妊娠32週です。最初は34週までもたせたいという気持ちが先生にあったようなのですが、万が一のことが起きて緊急帝王切開になるよりも、さまざまなスタッフがそろう万全の体制で予定帝王切開を行ったほうがいいと、手術のスケジュールを早めることになりました。

私、もともと手術とか血とかがとてつもなく苦手なタイプなんです。だから帝王切開前はとにかく怖くて、不安でした。輸血が必要になるかも…的な書類にサインをお願いされるのですが、それすらも脅しのように思えてしまって…。ビクビクしていましたね。

――実際の帝王切開はいかがでしたか?パパは立ち合うことができましたか?

佳奈 当日は夫が立ち合いました。出産したのは2022年の2月ですが、当時はまだコロナ下で、入院中は面会がいっさいダメだったので、その日は1カ月ぶりに夫に会えたんです。しかも通常、帝王切開だと手術室には入れないと思いますが、私が出産した病院は手術室の中まで立ち合いが許可されていました。

――それはよかったですね!

佳奈 はい。初めての出産で、帝王切開で、不安しかなかったのですが、夫が立ち合ってくれたことが本当にうれしくて、心強かったです。枕もとで「ママの手を握ってください」なんて看護師さんに夫が言われて、お互い小っ恥ずかしい思いをしましたけど(笑)。

――スタッフはたくさんいましたか?

佳奈 産科の先生3名、新生児科の先生3名、麻酔科の先生、助産師さんなど…。パーティションがあるので、向こう側にいる人たちは見えなかったのですが、夫いわく「20人くらいいた」らしいです。

――多いですね!赤ちゃんが生まれたときの気持ちを教えてください。

佳奈 1人目の長女が生まれて声を上げた瞬間に感動して、涙があふれました。それから、2人目の長男、3人目の二男が生まれて…。2人目、3人目と立て続けに生まれてきたので、そこからは感動が追いつかない感じでした(笑)。だけど「本当に私、3人も産んじゃったんだ…!」、そんなふうに感じたことはよく覚えています。

お話・写真提供/佳奈さん 取材・文/江原めぐみ、たまひよONLINE編集部

▼続きを読む<関連記事>後編

仕事をしつつ、3つ子の妊娠生活を送っていたことを、なんてこともないように語る佳奈さん。そのパワフルさに驚きのインタビューでした。
後編の記事では、3つ子ちゃんの新生児期、退院後の様子や大変な3つ子の保活について聞きました。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

佳奈さん(かな)

2022年2月生まれの3つ子ちゃん(長女、長男、ニ男)のママ。都内在住。2024年4月、子どもたちが2歳のときに仕事に復帰。3つ子ちゃんは現在、3人同じ保育園に通園している。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2024年9月現在のものです。

佳奈さんのInstagram

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