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1児の母、モデル・鈴木えみ。『性教育なんてまだ早い』『教えると性体験が早まる』は間違い。なんでも話し合える関係を大切に

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モデル・クリエーターとして活躍し、11歳の女の子のママでもある鈴木えみさん。2024年11月下旬に東京都内で開催された、10代向け性教育メディア「セイシル」のトークイベントでは、性教育への考えや親子関係の作り方などについて語りました。その内容をリポートします。

親世代も子どもにどう教えたらいいかわからずに困っている

えみさんがSNSに投稿した性教育絵本の写真。

2024年1月に“Family Heart Talks”という性教育のプロジェクトを発足させ、講演会などの活動を行っている鈴木えみ(以下、えみ)さん。その活動のきっかけは、小さいころの自身の体験にあったと言います。

「自分が小さいころに嫌な思いをしたことが何度かあって、そのときはよくわからなかったけれど、大人になってから意味を理解して、悔しい思いをしたことがありました。性に関するきちんとした知識があれば、心のモヤモヤを持ち続けなくてよかったんじゃないか、と。そんな思いもあり、娘を産んで育てるなかで、小さいときから自然と性についての話を大切にしてきました」(えみさん)

娘の小学校でも性教育について勉強できるだろうと思っていたら、現在の小学校では性についての学習がたりないと感じることが多く、えみさんは家庭での性教育の必要性を感じていたそうです。あるとき自身のSNSで性教育の絵本の画像を投稿したら、多くの人から大きな反響がありました。

「うちではこの絵本を使っています、と発信したときに、フォロワーのみなさんからすごく反響がありました。私も含めた親世代もきちんと性教育を受けていないので、性教育の大切さをわかってはいても、実際どんなふうに取り組んだらいいのか、どんなふうに話したらいいのかがわからずに困っている人が多いんだなと感じたんです。そこで、私にできることはないか考え、親子向けに性教育の講演の活動を始めました」(えみさん)

幼児期から日常生活でできる性教育とは?

えみさんは、子育て中のほかの保護者と話をすると、「性教育を誤解している人が多い」とも感じるのだとか。

「『うちの子に性教育なんてまだ早い』と言う人や、『知ってしまうと性体験が早まってしまうのではないか』と考える人が多い印象があります。だけど実は、早くからきちんと性教育を学んだ人のほうが初交年齢が遅いというデータも出ています。正しい知識があるほど慎重になるし、自分が納得するまで『ノー』が言えるようになるんです。まずは親世代のそういった大きな誤解を解く必要があると感じます」(えみさん)

えみさんは、ユネスコが提唱する「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」についても紹介。このガイダンスは、性的健康やジェンダー平等について正しい知識やスキルを身につけることをめざすもので、5歳からの性についての学習目標があります。

「性教育は早ければ早いほどいいと思っています。知識を素直に受け取ってくれるうちに始めるのがベスト。たとえば、服を着替えさせるときに無言で脱がすのではなく、ひと言声をかけてから脱がすなど、子どもが言葉をしゃべり始める前からできることもたくさんあります。
とはいえ、中学生だから遅いというわけではなく、年齢に合った内容を繰り返し学習することがとても大事だと思います」(えみさん)

なんでも話し合える親子関係が大事

えみさんは、子どもが性についての悩みを持ったときに相談しやすいように「子どもがなんでも話をしてくれる環境が大事」だと話します。

「性に関することを質問されたときに、親がびっくりして否定的な態度を取ったり、はぐらかしたりすることは避けなければと思っています。また、まだ知らなくていいという態度を取ると、子どもは『これは聞いちゃいけないことなんだ』と思ってしまって、話してくれなくなりそうな気もします。

だから、普段からなるべくフラットに性のことに関しても話せる環境を大事にしています。悩みがあったり、困ったことがあったりしたときに相談しやすい親子関係でいられるように、娘との会話の時間を大事にしています」(えみさん)

そしてえみさんは毎日の習慣として、ドライヤーをかけながら娘とおしゃべりする時間を設けているのだそうです。

「娘は髪が長く、ドライヤーで乾かすのにけっこう時間がかかるので、髪を乾かしながら、その日にあった嫌だったこと、うれしかったことを発表し合っています。私も『今日、道でつまずいてすごい恥ずかしかったよ〜』なんて小さい失敗を発表すると、『大人でも失敗をして嫌な思いをすることがあるんだ』と伝わって、子ども自身の小さな失敗や嫌だったことも話してくれるようになります。そういう会話の中で、娘の様子を把握しています」(えみさん)

えみさんは「今後も性教育の普及のために活動を続けたい」と話します。

「性教育には、体と心の健康を守る大切な知識が含まれています。年齢を問わず、日々の中で必要な知識です。子どもたちにも、私たち大人にとっても大切な正しい知識が広がっていくように、まずは大人たちの意識をアップデートしていけたらなと思っています」(えみさん)

この日のイベントを開催したTENGAが展開する10代向け性教育メディア「セイシル」では、中高生から届く性の疑問や悩みにさまざまな専門家が回答しています。また、性に関する正確で信頼できる情報を発信する「おとなセイシル」もオープン。大人が意外と知らなかった性のことについて学ぶことができます。

お話/鈴木えみさん 写真提供・取材協力/株式会社TENGA 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

「早いうちから子どもが自分の体を大切にすることを教えるのも性教育」と話すえみさん。まずは親自身の常識が正しいかどうかを見直して、アップデートすることが必要です。

セイシルのHP

おとなセイシルのHP

Family Heart TalksのInstagram

鈴木えみさん(すずきえみ)

PROFILE
1999年に雑誌「SEVENTEEN」の専属モデルとしてデビュー。数多くのメディアで活躍するほか、デザインプロジェクト「Lautashi Design」のディレクターをはじめ、クリエイターとしての活動も多岐に渡る。
プライベートでは一児の母。2024年に性教育の普及をめざしたサポート団体「Family Heart Talks」を発足。子どもたちにとってのよりよい未来をめざして、講演イベントなどを精力的に行っている。

●記事の内容は2024年12月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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