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きゃりーぱみゅぱみゅ、妊娠中は切迫流産と切迫早産に見舞われ…「危険と隣り合わせの毎日になぜ自分ばかりと思ったことも」【たまひよ独占インタビュー・妊娠編】

更新

昨年10月に第1子の出産を発表したアーティストのきゃりーぱみゅぱみゅさん。たまごクラブは、産前産後の2回にわたるタイミングで独占インタビューを決行!今回は臨月間際に行われた前編のインタビューを公開します。
妊娠してすぐに切迫流産(せっぱくりゅうざん)となり、妊娠後期で切迫早産(せっぱくそうざん)も経験したきゃりーさん。いわく「常にヒヤヒヤと隣り合わせで、キラキラしたマタニティライフとはまったく違った」そうで…。トラブルはいつどんなふうに起きたのか?そのときに何を感じたのか?詳しくお話ししてもらいました。

産前の妊娠9カ月に1回目のインタビュー。波乱続きの妊娠生活で…

今、34週。妊娠9カ月です。もう少しで臨月を迎えます。実は私、全然知らなかったんですけど、正期産(せいきさん・妊娠37週以降〜41週未満)に入ると、めっちゃ運動をすすめられるらしいですね。今、頑張って自宅で安静にしているのに突然そんな真逆の世界になるの!?とびっくりしています。  

今、自宅でおとなしくしている理由は、28週のときに起きてはいけないレベルのおなかの張りが起きてしまったから。すぐ緊急入院となりましたが、子宮頸管(しきゅうけいかん)の長さもしっかりあったので、1週間ほどで退院はできました。しかし、退院後の今も張り止めの薬を1日4回服薬していて、仕事はリモートでこなしながら、無理しない範囲で毎日を送っています。

普段通りの生活をしていた妊娠初期。よく歩いた日、出血していることに気づき…

もともと今回の妊娠に気づいたのは、予定していた生理が遅れたのがきっかけでした。病院を検索し、翌日に受診すると「おめでとうございます」と言われて、やはりそうなんだと。とてもうれしかったけど、“きゃりーぱみゅぱみゅ”としての年間スケジュールがびっしり詰まっていて、どうしようと戸惑ったのも事実で…。心は最初、その2つの気持ちの間で揺れましたが、体はつわりを始め、目立った症状がなく、普段と同じ生活を送り、ライブも通常通りこなしていました。しかし、すぐにトラブルが訪れることになったんです。

ある日、お出かけしてたくさん歩いた日がありました。そのあと、トイレで茶褐色のおりものが出たことに気づいたのです。心配で受診してエコー検査を受けたら、先生が言いづらそうに、先日までくっきり見えていたおマメちゃん(胎児ネーム)が「うまく見えないね」と。真っ暗な画面を一緒に見ながら「いなくなっていますか?」と聞いたら「初期の流産の可能性があるね」と言われてしまいました。「ライブをしたから…たくさん歩き回っちゃったから…」。思わず後悔の言葉がこぼれました。それを聞いた先生は強めに「関係ないよ。この時期の流産はほとんど赤ちゃん側の原因。お母さん、自分を責めないでね」と励ましてくれました。

実はその日の夜もライブが予定されていて。妊娠がわかってからというもの、少しゆったりめの衣装にしたり、厚底の靴を避けたりしていましたが、今ここからの人生は再びライブに没頭したいと思い、いつものようにピタッとした服を着て、厚底の靴を履いて。控えていたジャンプも思いっきりしました。

一度諦めた赤ちゃんが奇跡のカムバック!

ライブ後に帰宅すると、生理2日目くらいの大量出血が。これが流産か…と冷静に受け止める私がいました。もちろん、すごくショックだったけど、まわりにも流産経験のある人がいて、そう低くはない確率で流産が起きることを知っていたからです。早く手術に行こうと思い、夜、夫の奨之さんに伝えたら「大丈夫だよ。俺は生きている気がするんだよね」と言ってくれました。優しい奨之さん。励ましてくれているんだなあと感じ、「うんうん、そうだといいね」と返しましたが、本心ではほぼ完全にあきらめていました。

翌日、早速、産婦人科へ。これまでに行っていた病院では手術ができないので、違うところです。即日の手術はできないとその場で知って残念でしたが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクに似た先生が出てきて「一度確認してみよう」と言われ、エコー検査をすることになりました。すると…!なんと昨日は見えなかったお豆ちゃんが少し大きくなって戻って来てくれていたのです。心拍も確認でき、「生きてる!生きてる!」と大声で言うドク。私はというと「えぇっ!」とすごく驚いて、大号泣。途端に、前日ライブしたことへの申し訳なさがあふれ、「しがみついてくれていたんだね…、ごめんね…」と心の中でお豆ちゃんに謝りました。

切迫流産でしばらく仕事をお休みすることに…

「切迫流産の危機を乗り越え、行われたライブは舞台に大きな椅子を用意し、“不思議の国のアリス”のようなコンセプトで行われました」(きゃりーぱみゅぱみゅさん)

こうして危機はいったん回避できましたが、まだ喜べる状況ではありません。ドクからは「病名は切迫流産。休むのが大事だから今日からしばらく休養してください」と言われました。すかさず私が「収録もイベントもあるし、難しいです!」と返すと、ドクは「医者の発行する診断書は最強カードだから。これさえあれば絶対に安静できる!」と宣言。マネージャーさんも一度診察に同席してもらい、みんなで話し合うことに。対外的には“体調不良”と発表し、お休みをいただくことになったのです。正直、自分の中では葛藤がありつつも、いっさい外出せずしっかり引きこもったおかげで切迫流産の危機を乗り越えることができました。

今度は妊娠28週で切迫早産を診断されました

こうして切迫流産のトラブルを回避できた私ですが、冒頭でお話したように、今度は切迫早産と診断されてしまいます。当時は28週。妊娠後期に入ったばかりの時期でした。初期は安静に過ごすことが多かった私ですが、自分的に体力が衰えることが怖かったり、中期以降は運動して出産に備えた方がいいといった情報を見たりで…。妊娠前ならタクシーに乗っていたところを一駅分歩こうみたいに、わりと積極的に歩いたり、動いたりしていたんです。
でも、私、安静と運動のバランスをとるのがすっごい下手くそで…。常に自分は大丈夫と思っていましたが、実際は無理しちゃっていたのかも。振り返ると私はあまり動いてはいけない体質の妊婦だったようです。

翌日から箱根に行こうと思っていたのに、緊急入院に!

「入院中は1日中張り止めの点滴生活。もともと血管が見えにくい体質で、何度も針を刺し直したり、液漏れしたり…。キツかった〜!」(きゃりーぱみゅぱみゅさん)

入院することになったのは、ちょうど奨之さんと箱根へ温泉に行く予定をしていた前日でした。前日の夜あたりから、おなかの張る感じがあったんです。実際に触るとカチカチでした。でも私、この時点では張りのことをまったく気にかけていなかったんです。だけど夜、彼と外食に行こうと思って準備していたときに、結構な腹痛が急激に襲いかかって来ました。最初は「イテテ」という感じだったのが、しだいにうずくまって、冷や汗をかくレベルに。「あれ? 待って。もしかしてこれは陣痛?」と…。

しばらく様子を見たんですけど、3回ほど波が来たので、これはただ事じゃないと判断し、産院に連絡して向かうことに。着くと、おなかにパッドを当てて初めてNST(ノンストレステスト)を受けることになり、30分ほどかけて赤ちゃんの心拍や張りの様子を確認しました。

ただ、まだまだこのときもNSTが終わったらすぐに帰宅するつもりでいたんです。だって検査中に夫とLINEで「どこにラーメンを食べに行くか?」なんて話をしていたんですよ。「ここのラーメン屋が産院からいちばん近くておいしそうだね」なんて言っていた矢先です。その日の担当だった先生と助産師さんが真剣な顔でやって来て「あのね、これ28週にしてはおなかがかなり張っちゃっています。単刀直入に言うと、今日から入院です!」と言い渡され、切迫早産で入院が決まってしまいました。

真っ先に考えたのは翌日からの旅行ですが、もちろんダメ!「家が近所なので、荷物を一瞬取りに帰っていいですか?」と聞いても、絶対ダメ!すぐに張り止めの点滴を打たれて、あっというまに入院室のベッドの上で過ごすことに…。

先生に「今、おなかの張りが陣痛につながって赤ちゃんが生まれてきた場合、どんな最悪のケースが考えられますか?」と聞くと「28週だと赤ちゃんのいろいろな機能が未熟です。NICU(新生児集中治療室)行きは決定ですね」と回答されて。もう本当にお豆ちゃんに申し訳ない気持ちがいっぱいになり、こんなことになっちゃってごめんなさいと心の中で謝りました。お豆ちゃんに謝ったのは切迫流産のときの一件以来、2回目です。

切迫流産のときもお世話になったドクターの優しい言葉に大号泣!

その夜はあまりにもショックでシクシク泣き、翌朝も朝ごはんに出たシャケを食べながらまためそめそ泣き…。張り止めの点滴の副作用もすごくて、手が震えたり、動悸(どうき)がしたり。急に訪れた自由のない生活と24時間続く点滴、また逆に子宮頸管の長さはしっかりあったこともあり、時間がたつにつれ退院したい気持ちが募ってきました。入院直後はお豆ちゃんにあんなに謝ったのに、早く帰りたくてしかたなくなったんです。

その日はちょうど私とお豆ちゃんを切迫流産の危機から救ってくれたドクが診察に来てくれました。「これって順調だといつごろの退院になりますか?」と質問したんです。すると「早く帰りたいよね」と共感を示してくれつつ…。「でもさ、赤ちゃんが生まれちゃうと、本当に自分の時間はなくなっちゃうから、今はここで自分の趣味を楽しんだりしたらどうだろう?きっとあなたの人生、これまでずっと忙しかったんじゃない?こんな休みはなかったと思うから、今は最後のぜいたくだと思ってゆっくりしてほしい」。そんなふうに言ってくれたんです。

私はドクのその優しい言葉を聞いて感動し、大泣きしちゃって。看護師さんに「その涙はどういう涙ですか?つらいですか?」と言われちゃったんですけど(笑)。とにかく先生の言葉を聞いてからは「早く帰りたいと自分のことを願うのではなくて、1日でも長く赤ちゃんがおなかの中にいてくれるために頑張る!」とモチベーションが切り替わりました。

「なぜこんなにヒヤヒヤしないといけないんだろう」とは思うけれど…

「このインタビューのあと、臨月に入ってからの1枚。よく散歩をしていました」(きゃりーぱみゅぱみゅさん)

結局1週間くらいで退院しましたが、今もゆっくり過ごしています。こうした生活の中でたまにSNSを見ると落ち込んじゃうこともあるんです。同じ妊婦でもマタニティライフをすごく満喫している人がいるじゃないですか。そんな投稿を見ると、うわ!すごい満喫しているな!うらやましいな!と正直思うし、それに比べて自分はどうしてここまで危険と隣り合わせなんだろう、なんで私だけいつもヒヤヒヤしているんだろうって…。

でも、私もこうして自分の体験を赤裸々に話す機会がなかったら「きゃりーちゃんも赤ちゃんを授かって、マタニティライフも順調ね」なんて皆さんに思われるんだろうなって。そう思うと、私がSNSで見かけたキラキラした妊婦さんもその裏には何かがあるのかもしれないし、だれもがこの「ちゃんと生まれてくるのかな」という不安感を抱えているのかもしれないなと思うんです。

これまで友だちに妊娠の報告を受けたら、次に会うときには大概生まれていて、ちゃんと生まれてくるのが当たり前だと思っていた部分があったけど、全然違いますね。赤ちゃんが子宮に着床し、成長し、無事に生まれるのって本当に奇跡。そう感じた今回の妊娠生活でした。

お話/きゃりーぱみゅぱみゅさん アートディレクター/千原徹也(れもんらいふ) 撮影/磯部昭子 スタイリング/飯嶋久美子(POTESALA) ヘア&メイク/髙 千沙都 取材・文/江原めぐみ、たまごクラブ編集部

昨年4月に妊娠発表をしたきゃりーぱみゅぱみゅさん。注目される芸能人であるがゆえに「発表後に何かあったときにそのことを世間に公表するストレス」を想像し、気が気でなかったそう。切迫流産、切迫早産と幾度のトラブルに見舞われながらも、最終的に無事に出産を迎えられて、本当に良かったです。

後編の記事(1月末公開予定)では、きゃりーぱみゅぱみゅさんの出産体験や産後のダメージのこと、育児に関するエピソードを掲載します。

インタビューへの感想やあなたの妊娠・出産エピソードを、きゃりーさんに伝えよう!

1月15日(水)発売の『中期のたまごクラブ2025年冬号』は、きゃりーぱみゅぱみゅさんが表紙・独占インタビューで登場。また特別企画として、インタビューを読んだ感想やご自身の妊娠中の思い、妊娠中に経験した嬉しいこと、つらいこと、大変だったことなどのエピソードを募集します。
お送りいただいた内容はすべて、きゃりーぱみゅぱみゅさんが読んでくれます。
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きゃりーぱみゅぱみゅ

PROFILE
アーティスト。東京都出身。1993年1月29日生まれ。2011年に、中田ヤスタカプロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビュー。今年でデビュー14年。2023年3月に俳優の葉山奨之さんと結婚。2024年秋に一児を出産。

●記事の内容は記事執筆当時(2024年11月)の情報であり、現在と異なる場合があります。

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