産後のセックス再開は?「夫婦のコミュニケーションとして必要」「そんな気になれない…」などなど。誰にも言えないママの本音が爆発
「たまひよ」アプリユーザーで、出産したママに「産後のセックスは再開しましたか?」と、質問。「再開していない」と「再開した」で、ほぼ半々となりました。「再開した」では「夫婦のコミュニケーションとして必要」という声もあれば「2人目の妊活」というドライな声も。ベテラン助産師の濵脇文子先生に聞きました。
Q.【出産後の方に伺います】 産後のセックスは再開しましたか?
再開した 45.9%
再開していない 47.8%
その他 6.3%
「Q. 産後のセックスが再開したきっかけ、再開していない理由、産後のセックスに対するあなたの気持ちを教えてください」と、質問すると、ママたちの本音が聞こえてきました。
再開した理由は「夫婦のコミュニケーションとして必要」
「産後3ヶ月のときに、こちらからOKを出しました。夫婦のコミュニケーションのひとつとして大事と思ったので」(あーちゃん)
「妊娠中は全くしなかったので、夫が限界を超えそうだったので再開。ただし私が心身ともに万全を期した産後3ヶ月の頃でした」(姫ママ)
「産後半年ぐらいのとき、思い切ってそろそろ再開したいことを伝えました」(mari)
「再開するまで約1年、2人とも様子を伺っていました」(NN)
「家族旅行で夫婦でお酒を飲み、その勢いで仲良ししました。産後すぐは余裕がなかったけれど、次第に女として見てもらえてないのでは?と不安になり、夫もいつ誘えばいいのか分からないと、お互い探りあっていた状態でした。何かしらきっかけを作る(旅行、食事など)と誘いやすいのかなと思います」(ちっちゃな怪獣)
再開した理由では、
「お互いの気持ちが離れないために」(あおあお)
「夫のことが好きだから」(つきせらママ)
という声がある一方で、
「2人目が欲しくなったので産後2年くらいで再開」(モコにゃん)
「2人目を考えたタイミング」(かんでっぷ)
というドライな声もありました。
「その時間があるのなら1分でも寝ていたい」ので、再開していない
「正直、睡眠時間を確保するのに必死だからその気になれない。その時間があったら寝たい!」(みさみさ)
「子どもがまとまって寝てくれないし、添い寝しないと泣くので、2人とも子どもから離れることが難しい。子育てに体力・気力・時間の全てを持っていかれて、セックスどころじゃない」(あやか)
「育児疲れで、そういう気分になれない。そろそろ再開したい気持ちもあるけれど、再開するタイミングを見失っていてどうしていいか分からない。体形が産前に戻っていないので自信がないし、夫の気持ちを聞くのがこわい」(さくら)
「出産後は子どもファーストで、セックスをしたいと思えなくなりました。性的なことを求める夫が気持ち悪いと思ってしまう」(うーさ)
「その気になれない」以外では、産後の創(そう)を理由にする声もありました。
「夫は力仕事、私は産後すぐからワンオペで育児をしているので今はお互い疲れている。あと、出産の時にお股が広範囲に渡って裂けたので、再開するのはもう少し後がいい」(みーちゃん、)
「帝王切開だったの怖くて再開できずにいたら、夫が海外赴任に。たまに一時帰国しますが子育てが忙し過ぎてその余裕はない」(ぽう)
産後のセックスの再開時期は、1ヶ月健診で傷の治り具合を見てから、と言われています。しかし即再開という夫婦は少数派。産後数ヶ月が一般的で、なかにはそのままレスに…というのがパターンのよう。
「産後のセックス問題は今も昔もあるあるです」という、これまでに数千人の母子のケアに携わられた助産師の濵脇文子先生に伺いました。
「身近な人であればあるほど、コミュニケーションを大事にして努力すべき」と、濵脇先生
産後、女性は子育てに専念するため心身ともに変化が起こります。性欲が落ちる、浸潤しにくくなる(=性交痛がある)などの変化は、産後のホルモンの影響と言われています。
また性交痛は、浸潤不足に加えて出産に伴う創(そう)の可能性もあります。
会陰切開や帝王切開など「傷がある」という心理的な不安や恐怖、育児疲れや寝不足など身体的な要素もあいまって、ますます「したくない」と、思ってしまうようです。
「再開するまで約1年、2人とも様子を伺っていました」(NN)
実は昔から産後のママの『再開のタイミングがわからない』というお悩みはあるあるです。
聞けば妊娠中もせず、産後もその気になれず、夫も何も言わず、めんどくさくて先延ばしていたらタイミングがわからなくなった……という状態なのだそう。
「家族旅行で、夫婦でお酒を飲み、その勢いで仲良ししました。(中略)何かしらきっかけを作る(旅行、食事など)と誘いやすいのかなと思います」(ちっちゃな怪獣)
すばらしいアイデアだと思います。
「そこまでお膳立てする必要あるの?」と思う方もいるかもしれませんが、私は必要だと思います。
実は産後のセックス問題=夫への不満&コミュニケーション不足という構図がたびたび見られます。
ギクシャクしている夫婦のお話を聞くと、コミュニケーションをケチってるなぁと感じることがあります。「身近にいるんだから言わなくても察して欲しい、動いてほしい」と言うのです。ケチるというか、甘えているとも感じます。
でも私は“身近にいる人”ほど、コミュニケーションを努力すべきだと思うのです。
実は最近、ある夫婦から興味深い話を聞きました。
その夫婦は結婚後、お互いの生活リズムを優先して就寝&起床時間はバラバラだったそうです。生活はすれ違い、夫婦の会話はほとんどありません。そこで夫が就寝&起床時間を夫婦同じにすることを妻に提案。
同じタイミングで就寝&起床することで夫婦の会話が増え、自然とコミュニケーションが深まり、セックスレスの解消にもなったそうです。
共働きが増え、最近のママたちは相当にお疲れなことはわかります。
父親の育児参加は増えましたがまだまだ母親の負荷が多く「家事育児を満足にやらないのにそっちは誘ってくるの⁉」と、モヤることがあるのもわかります。
ただ「家事育児をやらないならセックスもやらない!」という呪いあいからは、何も生まれません。
「寝不足だから無理!」と、自分の一方的な気持ちを押し付けるのではなく、「休日に昼寝の時間が欲しい」など、建設的な話し合いを心がけましょう。
親しき中にも礼儀あり、と言いますが、大事なパートナーだからこそ手抜きしないで、しっかりとコミュニケーションをとって欲しいと思います。
濵脇文子(はまわき ふみこ)
PROFILE)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
(取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部)
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年10月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数159人)
※記事の内容は2024年12月の情報で、現在と異なる場合があります。