芸人・野球選手・パパの三刀流、ティモンディ高岸。すべてが「やればできる!」“応援”につながる。 妻と子に100%のパワーをささげたい
「やればできる」でおなじみの、ティモンディ高岸宏行さん。2022年に、俳優の沢井美優さんと結婚し、2024年末には第1子が誕生。自身のYouTubeチャンネルでは、赤ちゃんの誕生を報告し、「家族を鼓舞していきます!」と力強く宣言しています。今回は、自身の人生のテーマである「応援する」ということや、「やればできる」という言葉に込めた思い、芸人・野球選手・パパの三刀流の日々について聞きました。
全2回インタビューの後編です。
これからは、家族に対しても100%全力でサポートしていくと宣言!
――出産発表のYouTubeのコメントでは、「家族を鼓舞します!」など、高岸さんらしい言葉のチョイスが印象的でした。そこには、どんな思いがあるのでしょうか。
高岸さん(以下敬称略) 僕は、地球上のすべての人に対して応援したい、元気を与えたい、鼓舞したいと考えているんです。そして、「応援人」として仕事をしていると自分では自負しているので、育児においてもどういうことが応援になるのかなと考えたんです。それで、一緒にいることはもちろん、家族を100%全力でサポートすることが、自分らしい“応援”になるのかなと。子どもに対しては、“応援”という愛情を注いでいきたいなと思っているんです。
また、自分が父になったことで伝えられるメッセージもあると思うんです。妊活や妊娠、出産におけるさまざまなことを経験したり見守ったりしたことで、お父さん側のことはもちろん、お母さん側の大変さも少しは理解できたかなと思うので、妊娠中や妊活中、育児中の人に対してもメッセージを伝えられるようになれたらいいなと。
――父親になって、何か変わったなと思うところはありますか?
高岸 これまでは自分の中の100%を、みんなに向かって応援することにフォーカスしてきたのですが、家族をサポートすることは、“パパ”という立場の自分にしかできないですよね。仕事に行く前や、仕事から帰ってきてからは、100%のパワーを子どもと妻のためにささげようと思っています。僕としては、どっちに向けても100%のパワーで応援したい気持ちなんです。
ただ、僕はどうしても、何に対しても頑張りすぎちゃうところがあるようなんですよね。それで妻は、仕事に送り出してくれるときにはいつも、「体には気をつけて、無理しすぎないでね」と言ってくれます。
仕事の面でも、考え方に変化がありました。たとえばバンジージャンプをするにしても、これまでは、そのときそのときでベストをつくしてやりきればいいという考えだったんです。でも父親になってからは、自分に何かあったら家族が大変な状況になる、ということが頭をよぎるように。これまでは全力でやりきることだけに集中してきたのが、「家では家族が待っているんだから、そこで終わりじゃないな」という考えに変わったように思います。
「やればできる」の言葉には「やってみれば成長できるよ」の思いを込めて発信
――「やればできる」という言葉でみんなを応援してくれている高岸さんですが、育児では「育児を頑張りすぎない」ということも言われていますよね。「やればできる」の精神は育児でも通用すると思いますか?
高岸 僕自身の「やればできる」の解釈としては、「やれば、成長できるんだよ」ということをメッセージに込めているんです。前向きにチャレンジすることの大切さや、失敗することもあるけれど、「経験ができて、それによって成長もできる」という思いでいつも伝えています。
たとえば、僕の日課である、子どもとの手足のトレーニングも、この子にとって本当に将来プラスになるかはまだわかりません。でも、運動を日課にすることで、より健やかに育ってくれるんじゃないかなと思って続けているんですね。そういったことでも、自分自身の理念は通っているのかなと。
「やればできる」という言葉は、実は僕の母校の校訓だったんです。僕自身、学生野球を経験して、これまでたくさんの人に応援してもらってきた人生だったんですが、これからは応援する側にまわりたいなと思ったんです。そのときに、どんな言葉をかけたら元気を与えられるだろうかと思ったときに、「やればできる」という言葉がしっくりきたんです。
――身につけるウエアはすべてオレンジ色だとか・・・。その色を選んだのは、何か理由があるのでしょうか?
高岸 見る人が元気になる色を調べていて、そのひとつがオレンジ色だと知ったんです。舞台衣装をどうしようか迷っていて、「応援がしたい」というのがテーマだったので、それでオレンジ色を選びました。舞台衣装として着出したのですが、どうせオレンジ色を着るなら、プライベートから着ちゃおうということに。それで、すべての服をオレンジ色にしたんです。
2018年ぐらいから、家でも常にオレンジですね(笑)。当時おつき合いしていた妻は、「自分が応援しているからオレンジ色を着ているんだよね。それだったら、オレンジのままでいてください」と言ってくれました。でも、妻や子どもが、オレンジ色を着ることはとくにないです。
たまに、スタッフの方からも、「ユニフォームとか、オレンジ色にできなくてすみません」と言われるんですけど、別に、オレンジしか着れないわけではないです(笑)
眠る前には、「今日もありがとう」と「こちらこそありがとう」を
――赤ちゃんに、スポーツをやらせたい気持ちはありますか?
高岸 それは、本人が何をしたいか、何が好きなのか、何に心が動くのかが優先ですね。でも、子どもが健やかに育つために、何かスポーツをさせてみたいなというのは考えています。走る、投げる、ジャンプするなどのいろいろな動きをやらせてみたり、いろいろなスポーツを見せたりして、本人が「これをやりたい」というのを待つという感じだと思います。
せっかくこの世に生まれてきてくれたので、何よりも前向きに楽しく生きてほしいなと思います。生まれてこないと経験できないことってたくさんあると思うので、好きなことをどんどん見つけてほしいですね。妻のほうは、礼儀などのしつけもしっかりしたいと考えているかもしれないですね。
たぶん僕、子どもに対して怒れないと思うんです。もうとにかく、「かわいい、かわいい」で(笑)。激甘やかしで子育てしちゃうと思うんですよね。
ただ、妻に任せきりにはしないで、子育てについては2人で話し合いながら、親として子どもにしてあげられることを見つけていきたいなと思っています。
――美優さんは、高岸さんのあいさつが好きだったと言っていましたね。やっぱり、夫婦の中でも「あいさつ」は大事にしていますか?
高岸 あいさつは、人と人の間で、いちばん最初の大切なコミュニケーションだと思っています。あいさつをすることで、おたがいに元気をもらえますよね。あとは、いろいろなことを楽しむための気持ちを作るコツなのかなとも思っています。
子どもにも、今はまだわからないかもしれないけれど、「おはよう」とか「おやすみなさい」という言葉を夫婦でかけていますね。妻はあいさつだけではなくて、「おむつを替えて、きれいにするね」などの声がけも大切にしています。
あとは、眠る前には必ず妻に、「今日もありがとう」と伝えるようにしています。そうすると妻も、「こちらこそ、ありがとう」と返してくれるんです。日課にしようとは思っていないんですが、僕の投げかけに対して返してくれることは、本当にありがたいことですよね。
いろんなコミュニティを持つことが、日々の息抜きやリラックスになっている
――芸人さんのほかに、野球選手としても活躍していますよね。そこに子育ても加わって、大変ではないですか?
高岸 芸人のほかに、野球選手として活動して“二刀流”なんて言ってもらったり、お芝居の仕事もさせてもらって、“三刀流”などと言ってもらったりするんですけど。自分としては、このすべてが応援に通ずるので、“応援の一刀流”としか思っていないんです。
仕事と野球、子育てと、時間はフルフルに使っているので、大変と言えば大変ですけど、そこも理解してくれている妻や、事務所の皆さんにも感謝ですね。
応援って、声をかける応援もあるし、見守る応援もある、自分自身がチャレンジすることで与えられる応援もある。いろいろな応援のしかたがあると思うんですよね。僕の人生のテーマは、とにかくだれかを応援することなので、それをいろいろな形でやっていきたいと思っています。
――いつも全力なイメージですが、リラックスできる時間もあるのですか?
高岸 野球の練習をしていることが、リラックスになっているかなと思いますね。それこそ、野球は小さいころからやっているので、心地いい状態になっているのかも。あとは、妻と一緒にいることもリラックスできる時間かもしれないです。
野球の息抜きは子どもとのスキンシップの時間かもしれないし、育児の息抜きが妻と話すことかもしれません。さらに、仕事にとっての息抜きが野球かもしれないし、野球にとっても息抜きが仕事かもしれない。
いろいろなコミュニティを持っていることは、自分の脳内を切り替えられる場所をいくつも持っていることになるので、それが大事なんじゃないかなと思いますね。
お話・写真提供/高岸宏行さん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
芸人や野球選手としての活躍に加えて、パパとしての役割も加わった高岸さん。はたから見ると大変そうに思えますが、いろいろなコミュニティを持つことが、気持ちや脳内の切り替えや、リラックスする時間を持つことにもつながっていると言います。パパになった高岸さんの、より一層パワーアップした応援は今後も楽しみです。
高岸宏行さん(たかぎしひろゆき)
PROFILE
1992年、愛媛県生まれ。2008年、野球の名門校・愛媛県の済美高校に入学し、投手として活躍。卒業後は東洋大学に進学し、硬式野球部に所属。2015年に高校の同級生である前田裕太さんとお笑いコンビ「ティモンディ」を結成。2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では仁田忠常役を演じるなど、俳優としても活躍。同年、プロ野球独立リーグ『栃木ゴールデンブレーブス』に入団し、芸人と野球選手の二刀流としても話題に。プライベートでは、2022年に俳優の沢井美優さんと結婚し、2024年に第1子が誕生。
●記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。