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発達障がいの子を持つママが語る 「わが子の発達の凹凸を受け入れるまで」

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Nastco/gettyimages

発達障がい(※1)とは生まれつき、脳の働きに偏りがあって発達に凸凹が生じること。治ることはありませんが、特性に合わせたかかわり方をすることで、症状を目立たなくしていくことはできます。お子さんが発達障がいと診断され、発達障がいと向き合うことになったママに話を聞きました。

※1 本特集内にて診断名表記以外では「障がい」を使用しています

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“子育ての理想”を捨てたら、子どもと自分に優しくなれました

息子さんが自閉症と診断されたことをきっかけに、発達障害児支援センターの指導員に。現在は「おうち療育アドバイザー」として、同じように悩む親子へのカウンセリングなどを行う浜田悦子さんに、長男・リュウ君の話を聞きました。

3才児健診で再検査に。今まで感じていた“育てにくさ”の原因を知る

「発達障がいの検査を受けてみては、と言われたのは3才児健診のとき。まず感じたのは“怒り”でした。『息子のことをよく知らないくせに…』と思ってしまって。ただ一方で、それまでの子育ての中で、いくつか思い当たることがあったのも事実でした。

息子のリュウは、すごく話すのが得意なタイプ。ただ、コミュニケーション力がたりないんです。3才児健診のときに、『今日はだれと来たの?』と聞かれて、『黄色』と答えるような。公園遊びをしてもお友だちに興味を持たず、おもちゃなどのやりとりもうまくできないことが気になっていました。

また、思い返せば0才のときから“育てにくい”子どもでした。哺乳びんやミルクは拒否で、母乳しか飲まない。抱っこでようやく寝かしつけても、布団に下ろしたらすぐ起きる、癒やし系の音楽をかけると逆に泣き出してしまうなど…。とくに離乳食は、初めはまったく受けつけず、1才ごろになっても手づかみが嫌で自分で食べなくて。手が汚れるのを極端に嫌がり、口をお皿のほうに持っていき直接食べるときも。食べてくれるものも、淡泊な味のごはんやうどんばかり。ただ、育児中にはよくあるといわれていることも多く、『みなさんこんなもの』と思っていました」

息子の笑顔が極端に減り、自分の過ちに気づきました

「結局、健診のあとに臨床心理士さんによる簡単な発達検査を受けました。臨床心理士さんには、『医師に見せたら診断がつくと思う』と言われて。その後どうするかは、家族に一任されました。ただ、『リュウくんの成長の手だてとなるような支援を知りたいのであれば、医療、病院とつながったほうがいいと思う』とも。息子の将来を思っての言葉に背中を押され、受診することにしました。

診断名は『自閉症スペクトラム』。言葉が話せるタイプの自閉症のようです。

白黒つけたいという気持ちもありましたが、やはり聞いたときのショックは大きくて。それからしばらくは、私にも息子にもつらい時期でした。当時はアドバイスしてくれる人もまわりにおらず、インターネット上の情報しかないような状態。診断が出たことであせりが生まれ、リュウへの言い方がきつくなったり、怒る回数も増えました。そのころは、厳しくしつければ治ると思っていたんです。また、息子の状態を『人に知られたくない』と思って、公園にも行けなくなってしまい、さらに気持ちが落ち込みました。

『これは間違っている』と感じたのは、息子の笑顔が極端に減っていることに気がついたとき。こだわりが強く、同じDVDを繰り返し見たがる息子に違うものを見せようとしたり、興味を持たないおもちゃで無理に遊ばせようとしたり…。今思えば、私の子育ての理想を、一方的に押しつけていたんです」

発達障がいを受け入れがたかったパパも、徐々に変わっていった  

「おうち療育アドバイザー」として、自分と同じように悩んでいる人たちのために、働き始めた浜田さん。だんだんと現実を受け入れ、お子さんとの向き合い方を見つけていったそうです。

この子はこの子、そう思えたときから気持ちがラクに

「そんな中、療育施設の指導員の募集を見つけました。働きながら学べば、子どもへの対処法を知ることができるかもしれない、そう感じて就職。最初は、仕事で接する子どもたちと違い、自分の子には冷静に対応できませんでした。『どうしてできないの?』と感情のほうが先に立ってしまって。怒ってしまう自分にも自己嫌悪。でもあるとき、『これって、わが子への期待なんだな』と気づき、すごくふに落ちました。その後、子どものこころのコーチングなども学び、『おうち療育アドバイザー』として活動を開始。自分の“理想”のために子どもから好きなものを取り上げることはない、むしろそれを伸ばしていこうと、気持ちを切り替えていきました。

以前は本当に怒ってばかりでしたが、5才ごろからようやく、『この子はこの子』と思えるようになりました。それからは、現実を受け入れてお互いの妥協点を見いだすように。感覚が過敏で、食べ物が手について嫌がるときは、『汚れても、おしぼりでふけばきれいになるよ』と見通しを伝えて食べてもらう。洋服もタグを取り、ボタンや縫い目のない、着心地のいいものを用意して外出時は着てもらう。その代わり、家の中では、パンツ一丁でいても許しています(笑)。

最初は診断結果を受け入れがたかったパパも、徐々に変わって今はよき理解者です。リュウは基本的に外出が苦手なので、最近は2人で大好きなゲームをして楽しそう。それが父と息子なりのコミュニケーションのようです。

ほかの何か・だれかと比べると選択肢がなくなって苦しい。だから、わが子だけに目を向ける。そうすることで解決策が浮かんでくる気がします。でも、子どもが小さなときは重圧も大きくて孤立しがち。行き詰まったときは、一時保育などを活用して、少しの間子どもと離れることがあってもいい。冷静になり、自分の苦しさの原因が何かを知ることで、少しずつ前向きになれるのかなと感じています」

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発達障がいの診断のポイントは、社会に適応できるかどうか。赤ちゃん時代は社会性が育っていないこと、発達の個人差が大きいことから、専門医でも見極めることは困難なことがあります。2才までは様子を見ることがほとんどですが、心配な行動が長期間続くようであれば、相談窓口へ問い合わせてみても。「発達障害情報・支援センター」から地域の相談窓口が探せます。(取材・文/松田明子、ひよこクラブ編集部)

■浜田悦子さんブログ
発達障害のこどもがのびる おうち療育

■編集協力/本多真美先生(みくりキッズクリニック院長)

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