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低出生体重児、早産児の2才ごろまでの成長・発達

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Chris Ryan/gettyimages

低出生体重児や早産児は、自分なりのペースで、ゆっくりと、でも確実に成長・発達していきます。退院後からの自宅でのお世話の基本と、2才ごろまでの成長や発達の様子について知っておきましょう。早産児や低出生体重児がNICUを退院するあたり(予定日前後)の体重や身長が正期産新生児の10パーセンタイルを下回っている状態を子宮外発育不全といいます。子宮外発育不全があるとNICU退院後の成長や発達がゆっくりになることがあります。その場合でも着実に成長・発達しているのであれば経過をみていきます。

低出生体重児、早産児の退院後のお世話で気をつけること

poligonchik/gettyimages

おうちでの生活が赤ちゃんにとって快適なものになるように、お世話する上で気をつけたいことを知っておきましょう。と言ってもあまり神経質にならなくて大丈夫。赤ちゃんのお世話を楽しんでください。

「赤ちゃんが気持ちよくすごせること」をいちばんに考えます

<室内環境>
部屋の温度は20~22度を目安に。冬・夏ともにエアコンなどの風が直接赤ちゃんに当たらないように気をつけて。

冬:風邪をひかせないようにと暖かくしすぎる傾向にあるため、暖房のし過ぎに注意しましょう。乾燥予防ために加湿器を使ったり、ぬれタオルを部屋に干すなどして湿度を保ちます。
夏:外気温と室内の温度差を5度以内にします。

<着せ方>
最近は、低出生体重児や早産児で生まれた赤ちゃん用の小さい紙おむつや肌着も市販されています。赤ちゃん用掛ふとんは大きいかもしれないので、バスタイルやひざ掛けなどを活用しましょう。
衣類は肌着1~2枚にベビー服が基本ですが、赤ちゃんが汗ばんでいるときは1枚脱がせます。素材は汗を吸収しやすい木綿で、やわらかい織り方のものを選びます。新しい衣服はのりをとるために、一度洗ってから着せてください。

<お出かけ>
外出は赤ちゃんにとって、かなり疲れること。退院して1カ月くらいは、病院の健診以外はおうちで静かに過ごしましょう。また、外気浴は窓際のベランダや近くの公園など、日常のお出かけで十分。里帰りも1~2カ月たってからがベストです。里帰りを予定しているときは、NICU退院後のフォローアップ外来の予定との調整が必要になることもありますので、主治医と相談しましょう。

<おふろ>
1カ月くらいはベビーバスで入浴します。湯温は、夏は38度、冬は40度が目安で、入浴時間は5~10分くらいがベスト。入浴中、赤ちゃんの体にガーゼをかけたり、手にガーゼを握らせたりすると安心します。

●準備するもの
ベビーバス(たらいやプラスチックの衣装ケースでもOK)、洗面器、石けん(無香料のもの)、バスタオル、ガーゼ、湯温計、おへその手入れセット、綿棒、着替え、ヘアブラシなど

<おっぱい>
赤ちゃんが欲しがるたびに飲ませましょう。これを続けるうちにおっぱいの出がよくなり、おっぱいだけで育てられるようになります。入院中に哺乳びんを使っていると、おっぱいを吸ってくれないことがありますが、根気よく吸いつかせてください。
入院中はミルクをたしていて、退院後は母乳だけに戻したい場合は、母乳外来に相談してみましょう。

<ミルク>
体重2500gの赤ちゃんが1日に飲む量の目安は500㎖程度。飲み方にむらがあっても、1日の総量で見てこの程度飲んでいたら大丈夫です。
母乳にミルクをたすときは下記が目安となりますが、まず病院に相談しましょう。
①おっぱいに30分以上吸いついて離れない。
②いつも機嫌が悪く、眠りが浅いように感じる。
③うんち、おしっこがいつもより少なくなる。
④健診で体重の増えが悪いと言われた。

●ミルクをたす方法
①おっぱいを飲ませてから少なめにミルクを飲ませる、②夕方、おっぱいの出が少なくなるときにたす、などの方法があります。おっぱいを続けるためには、ママのおっぱいを1回でも多く飲んでもらうことが大切です。

<離乳食>
離乳食を始める目安は、生まれたときの条件やそのあとの発達で異なりますが、主に修正月齢を目安にします。予定日から5~6カ月を経過した時点で首がすわっているようなら離乳食を開始します。その後の離乳食の進め方も原則、修正月齢をもとにします。離乳食の開始やその後の進め方については、かかりつけの小児科医と相談しながらのほうが安心できるでしょう。食べる量が少なくても心配しないで。赤ちゃんは自分に必要な量しか食べません。無理に食べさせようとすると、赤ちゃんはますます食べなくなってしまいます。おおらかな気持ちでとり組みましょう。

<あやし方>
小さく生まれたことで特別に配慮することはありません。抱っこは赤ちゃんの発達を促すので、ママもパパも赤ちゃんをたくさん抱っこして、たくさん話しかけてください。少し大きくなって活発に動くようになったら、パパは積極的に遊び相手になりましょう。

低出生体重児、早産児の発達の目安は、修正月齢で考えます

母子健康手帳には、発達の目安をすべて正期産で生まれた場合の月齢で表記しています。早産児の場合は、修正月齢に換算して、発達の目安を参考にしてください。たとえば、首すわりの目安は生後3~4カ月ですが、32週で生まれた赤ちゃんであれば、首すわりは生後5カ月~6カ月が目安となります。正期産で生まれた低出生体重児では原則として発達の評価は実際の月齢とします。

また、赤ちゃんの成長や発達はとても個人差が大きいもの。周囲の赤ちゃんと比べて不安になることもあるかもしれませんが、長い目で見守ることが大切です。

修正12カ月までの成長・発達

赤ちゃんは首すわり→寝返り→はいはい、つかまり立ち、伝い歩き→一人で立つというふうに、頭から足へと発達していきます。小さく生まれた赤ちゃんほどゆっくりと成長していくことが多いのですが、着実に発達しているのであればそのまま経過をみていてかまいません。

●体重や身長の増加
成長曲線の枠に入っていなくても、安定して成長曲線に沿って増えていればそのまま経過をみます。

●歯の生える時期
乳歯の表面を覆うエナメル質は、妊娠後期にカルシウムとリンから形成されるため、小さく生まれた赤ちゃんはカルシウムとリンが不足し、歯の生え始めが遅くなる傾向に。正期産の赤ちゃんより2~3カ月遅くなる子もいますが、必ず生えてくるので心配しないで。

●言葉の発達
言葉の発達は、正期産の赤ちゃんであっても個人差がとても大きいもの。修正18カ月(1才6カ月)ごろまでに意味のある言葉が一語でも出ていればOK。一般的には、より在胎週数が短く生まれた赤ちゃんでは、運動発達より言葉や社会性の発達が遅いこともしばしばあります。心配なときは、かかりつけの小児科医やフォローアップ担当医に相談してください。

Q 何かあると、小さく生まれたからと不安になります。

A 低出生体重児や早産児の場合は、何かあるとママの頭の中に「小さく生まれた」という事実が浮かんできて、不安になりますね。でも、多くのママが訴える不安は、正期産で生まれた赤ちゃんのママの不安と同じです。「小さく生まれたから?」と頭に浮かんできてしまうのはしかたがないことです。どうしても不安でしたら、診察の機会にかかりつけ医に相談してみましょう。

Q 体が小さいから手足が冷たいのですか?

A 手足が冷たいのは、体が小さいからでは?と心配するママがいますが、露出している赤ちゃんの手足はもともと冷たくなりがちです。胴体を触って冷たくなければ心配はいりません。
ときどき、足が冷たいのが理由で赤ちゃんが不機嫌なことがあります。「なんだか不機嫌で眠らない」というときには、足を触ってみましょう。ママの手で赤ちゃんの足を包むと、ママの体温で赤ちゃんの体が温まり、機嫌がよくなってくることもあります。

修正24カ月(2才)までの赤ちゃんの成長・発達

1才代では身長は約10㎝伸び、体重は1.5~2㎏増え、身長・体重の増えは一段落します。中には、正期産の赤ちゃんに体重と身長が追いつく子も。でも、成長にはその子なりのペースがあるので、発育曲線に沿う形で大きくなっていれば、多少標準値を下回っていても心配いりません。

●あんよができるように
個人差がありますが、修正月齢1才6カ月ごろには歩けるようになり、行動範囲が広がります。


●手先が器用に
親指と人さし指を使って小さなものをつまむ、クレヨンでなぐり描きをする、簡単な容器の開け閉めをする、絵本のページをめくるなど、こまかい作業ができるようになります。

●視力、聴力が発達
1才代は視力が0.2~0.25程度になり、周囲1~2mくらいのものははっきり認識できるように。聴力は大人並みに発達します。

Q 1才3カ月ですが、まだつかまり立ちしかしません。

A 在胎週数25週あるいはそれ以下で生まれた早産児の赤ちゃんは、しばしば予定日の体重が正期産新生児の体重の10パーセンタイルを下回っていることがあります。この場合、修正月齢でみても成長・発達がゆっくりになる傾向があります。発達が多少遅くてもこれまでに着実に進歩しているなら、そのまま様子をみていてかまいません。ただし、単に発達がゆっくりなだけで、知的にも問題のないスロースターターなのか、発達するスピードがどんどん遅くなり、神経などに問題があるケースなのかは、実際診てみないとわかりません。ママが気になるなら、一度主治医に相談しましょう。

Q 歩き始めて1カ月くらいたちますが、つま先立ちで歩くことが多いです。

A 歩きはじめのころは歩くことに慣れていないため、緊張して足に力が入りやすく、つま先立ちで歩くことがあります。立っているときに、かかとが下にしっかりついているようであれば、やがて普通に歩けるようになります。立っているときでもかかとをつけない場合は、一度小児科を受診してみましょう。

小さく生まれた赤ちゃんに対応した「母子手帳アプリ」も!

修正月齢をもとに赤ちゃんの身長体重を記録するのに、アプリを使用する方法もあります。特定非営利活動法人ひまわりの会と、株式会社NTTドコモ提供の「母子健康手帳アプリ」には、「修正月齢に対応できる身長・体重のグラフ」と「低出生体重児向け子育てQ&A」が掲載されています。
「修正月齢のグラフ」は、出産予定日より早く産まれた赤ちゃんが実際に生まれた日ではなく、出産 予定日を基準に発育・発達状況の目安を確認することができるグラフです。また、「低出生体重児向け子育てQ&A」は、小さく生まれた赤ちゃんのママやパパによくある子育ての不安や悩みに対して、専門家が回答しています。
紙の母子手帳にはないアプリならではの便利さがあります。上手に活用して不安な日々の支えにしてみるのもよいでしょう。
 https://www.boshi-techo.com/service/

「赤ちゃんの肌着・ウエアの購入について」体験談

早産児や低出生体重児で生まれた子は小さいので、入院中や退院後に着せる肌着・ウエアおむつなどを手に入れるのが難しかったという声をよく聞きます。そこで、実際に赤ちゃんがNICUの入院を経験したママたちに、どのように手に入れたのか、コメントをいただきました。

●ZARAやH&Mのオンラインストアを利用
小さい服を探すのに苦労をしましたが、ZARAやH&Mは小さなサイズからそろっていて、オンラインで購入できたので、重宝しました。(1才9カ月女の子、出生体重:1587g 在胎週数:35週)

●小さいサイズのウエアは高価で困りました
とにかく小さいサイズがなく、あってもものすごく高価なので困りました。結局、ネット通販で小さめのサイズを購入。それでも退院後の体格では、サイズが大きかったです。(1才11カ月男の子、出生体重:1226g 在胎週数:30週1日)

●入院中は病院負担なので困らずに済みました
入院中は病院で肌着もおむつも負担してくれていたので、たまに小さいおむつを購入するくらいで、退院するまでは困りませんでした。退院後のウエアは、通販で買いました。(2才4カ月男の子、出生体重:1310g 在胎週数:33週0日)

●50cmサイズのウエアを通販で購入
洋服の60cmサイズは大きすぎたので、ネット通販で50cmサイズを買いました。紙おむつは、ムーニーの小さいサイズなら、薬局で売っていることが多く助かりました。(1才11カ月男の子、出生体重:1226g 在胎週数:30週1日)

●ウエアは袖を折り、おむつはおなかまわりを折って
退院後、生まれる前に赤ちゃん本舗や西松屋で買ったものを、そのまま着せましたが、全部ブカブカだったので、袖を折って着せていました。NICUでは、紙おむつのおなかまわりを折って履かせていたので、それをまねして折って履かせていました。(1才5カ月女の子、出生体重:1744g 在胎週数:34週1日)

退院後のお世話のしかたと2才ごろまでの発育発達の様子がわかると、少し余裕をもって育児をできるようになると思います。常に赤ちゃんに寄り添い、赤ちゃんの大きくなろうとする力を応援してあげてくださいね。(取材・文/東 裕美、ひよこクラブ編集部)

監修/板橋家頭夫先生
昭和大学病院病院長。専門は、小児科学、新生児学。極低出生体重児の成長・栄養管理に詳しく、低出生体重児・早産児の生活習慣病リスクを研究。赤ちゃんや家族の幸せをモットーに診療をされています。

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