子育てに大切な「あいうえお」「かきくけこ」5つの指標とは?
避難訓練の指標「おかしも(おさない、かけない、しゃべらない、もどらない)」、食生活で取り入れたい食材の指標「まごは(わ)やさしい(豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも)」など、一度は聞いたことがあるフレーズでは。
子育てにも、指標となる「標語」があるのを知っていますか? 1万5000人もの子どもを見てきて、20年にわたり子どもの心理、教育、育成について研究され、キッズコーチングを考案して実践されている竹内エリカ先生に聞きました。
健やかに成長しているかは「あいうえお」をチェック!
あ(遊べる)
い(一生懸命)
う(運動)
え(笑顔)
お(おしゃべり)
これは0~6歳ごろまでの、心が健全に育っているかの判断の指標。あいうえお で示される5つのことが総合的にバランスよくできているかどうかが、子どもが健やかに成長をしているかどうかの指標になります。
一生懸命遊んで、適度に運動をして、笑顔が増えていること、そして話すことと人の話を聞くことのバランスがいいことが大切です。なにか「たりないかも」と思ったら、子育ての環境などをいったん振り返り、見直したほうがいいそう。ちなみに6歳以降はどれかが突出してくるので、それを伸ばす方向にはたらきかけるのがおすすめだそうです。
脳を育てる言葉がけ「かきくけこ」
か(考える)
き(企画する)
く(工夫する)
け(計画する)
こ(行動する)
こちらは子どもの脳を刺激する、「言葉のかけ方」の指標です。主に2歳ごろからの目安ですが、0歳代からできることもあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
考えさせる「か」
「か(考える)」は、子どもに考えさせるための投げかけをするのがカギ。たとえばたくさん食事をしてほしいとき、「スプーンを使えばたくさんすくって食べられるよ」と教えがちなところ、「たくさん食べたいね、どうすればいいかな?」と疑問形にすることで、どうすればいいか、子ども自身が考える機会を作ります。
企画する力を育てる「き」
「き(企画する)」というのは、先を見通してどうすればいいか予測すること。親がすべてダンドリするのではなく、「いつ〇〇する?」と投げかけることで、先を予測する力を育てます。
工夫をうながす「く」
「く(工夫する)」をうながすキーワードは「もっと」。「もっと早くするにはどうすればいい?」「もっと食べるにはどうする?」など、今している行動を深めるような会話で、工夫する力を引き出してみましょう。
計画させる「け」
「け(計画する)」は、決まったダンドリについて、「次は何をする?」と1つずつたずねることが大事。「おふろの次は?」「ごはんの次は?」など「次にすること」を確認することで、とくに生活習慣が身につき、しつけもラクに。いずれ子ども自身が「次は〇〇するんでしょ」と言うのも期待できます。
ちなみに、「か」と「き」「け」は0歳代からスタートしてOK。わからないだろうと思っていても、繰り返し伝えることで、記憶にとどまっていきます。
行動を共有する「こ」
「こ(行動する)」は、「一緒に」がキーワード。親が一緒に楽しむ姿を見せることで、子ども自身もまねをして積極的に動くようなります。「手を洗う」など生活習慣に関することも何でも一緒にやって、お手本になるといいですね。運動発達が伸びる1歳代から進めることがポイントです。
子育てには正解がないから、「うちの子はちゃんと育っているの?」「このかかわり方であっているの?」など、親の迷いも多いものです。でも、迷ったときが立ち止まるチャンス。これらの指標を思い出し、実践しながら、わが子にぴったりのかかわり方を探してみては?(取材・文/ひよこクラブ編集部)