6カ月未満の赤ちゃんでもインフルエンザに感染する!?
インフルエンザは例年1~2月に流行のピークを迎えますが、今年は比較的早いペースで感染者が増えてきているようです。
ママからの免疫があるといわれる6カ月未満の赤ちゃんでも発病することがあり、重症化すると命の危険もあるインフルエンザ。赤ちゃんを感染させないための予防方法と、万が一かかってしまったときのお世話のポイントを押さえておきましょう。
高熱やせきが出て機嫌が悪くなり、重症化すると命の危険も!
インフルエンザウイルスに感染すると、1~4日の潜伏期間を経て急に38~40度の高熱が出て、せきやのどの痛み、嘔吐や下痢、倦怠感などの症状が現れます。赤ちゃんの場合は、高熱やせきが出て機嫌が悪くなったり、ぐずったりします。多くの場合、感染者のくしゃみやせきによってインフルエンザウイルスが空気中に飛び散り、それが鼻やのどから体内に入って感染します(飛沫感染)。
インフルエンザは2才未満でかかると重症化しやすく、気管支炎や肺炎、中耳炎、インフルエンザ脳症などの合併症を引き起こすこともある怖い病気です。とくにインフルエンザ脳症は脳の炎症によるダメージが大きく、後遺症が出たり、命にかかわる危険もあります。
もし赤ちゃんがかかってしまったら、平熱に戻るまでは、症状の悪化やけいれんの発生にいち早く気づけるように赤ちゃんから目を離さないようにします。授乳や離乳食などのお世話はいつも通りで大丈夫ですが、赤ちゃんが寝苦しそうだったら鼻水を吸引したり、汗をかいたらこまめな着替えや換気をして、体が楽になるようにケアしてあげましょう。
お世話をするママが感染してしまわないように、ママは手洗いやうがいを徹底し、マスクを着用します。赤ちゃんと一緒に寝ている場合はマスクをつけて過ごしましょう。感染者の鼻水の中にはウイルスが多数含まれているので、お世話のあとは必ず手洗いを。もし、上の子がいる場合は、治るまで上の子を実家に預けるなどして感染を予防するのがおすすめです。難しければ、赤ちゃんと一緒の部屋で過ごさせるときはなるべく離れて過ごさせましょう。
第一の予防は、家族がかからないこと! 手洗い、うがいの徹底を
赤ちゃんがインフルエンザにかかる場合の多くが、同居する家族からの感染です。6カ月未満でも「ママからもらった免疫があるから大丈夫」と油断せず、しっかり予防しましょう。とくに6カ月未満の赤ちゃんはインフルエンザの予防接種を受けられず、2才までは予防接種を受けてもワクチンの効果を得にくいため、家族がインフルエンザにかからないようにすることが何より大切です。インフルエンザが流行する前の11月ごろまでに家族が予防接種を受けておくと安心ですが、次に挙げる予防テクを徹底して、赤ちゃんを感染から守りましょう。
①家族は外から帰ったら、手洗い、うがい、手指のアルコール消毒をする
②家族は外出時に使い捨てのマスクをつけ、なるべく鼻の部分にすき間ができないようにして鼻と口を覆う
③規則正しい生活、栄養バランスのいい食事で体調を整える
④室温は20~23度を目安に。加湿器を使用するなどして湿度は50~60%に保ち、ウイルスが活発になる空気の乾燥を防ぐ
⑤混雑した場所や時間帯のお出かけを避ける
⑥腰がすわる7カ月ごろからは、赤ちゃんも帰宅後に手洗いをする
⑦もし家族がかかってしまったら、なるべく早く受診し、赤ちゃんとの接触を避ける。赤ちゃんのお世話があるママは、できるだけ赤ちゃんと接する機会を減らしながら、必ずマスクをつけてお世話を。母乳からは感染しないので、ママがつらくなければ授乳はOK。ただし、授乳中かどうかで処方薬が異なるので、受診時に医師に必ず相談を。
命の危険もあるインフルエンザに赤ちゃんが感染しないようにするには、家族がかからないことが第一です。混雑した場所への外出は避け、帰宅後は手洗い、うがいを徹底し、赤ちゃんをインフルエンザから守りましょう。(文/ひよこクラブ編集部)
参考/ひよこクラブ2016年11月号「赤ちゃんを怖いインフルエンザから守るためにしたいこと6」・ひよこクラブ2017年1月号「インフルエンザにかかったら、どうなる?どうする?」
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※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。