長期休み明けにも多い “登園しぶり”。ママ・パパも泣きそう…子どもが園に行きたがらないときはどうすればいい?【専門家】
この前まで楽しく通っていたはずなのに、急に保育園や幼稚園に行きたがらなくなることも。“登園しぶり”の困った!について「たまひよ」アプリユーザーに聞くとともに、乳幼児期の親子関係を研究している青山学院大学教授の菅野幸恵さんに子どもの発達や、親のかかわり方について教えてもらいました。
わが家の“登園しぶり”あるある
まずアンケート結果と、登園しぶり体験談をご紹介します。
Q:お子さんが保育園・幼稚園、学校に行きたがらない“登園しぶり” “登校しぶり”をしたことはありますか?
ある 42.5%
ない 45.0%
その他 12.5%
◾️楽しかったことを毎日お話
「とにかく笑顔で送り出す!『帰ってきたら、今日楽しかったことのお話を聞くの楽しみに待っているね!』と毎日言い続けたら、1週間くらいでニコニコ登園するようになりました」(ほりん)
◾️リフレッシュ時間を長めにつくる
「クラスに着いたらとりあえずハグ!バイバイするときもハグ!登園しぶりは本人が疲れているときが多いので、リフレッシュ時間を長めにつくる!」(くっきー)
◾️子どもと一緒の時間を大切に
「保育園の最終学年になった6月ごろ、急に軽い登園しぶりが始まりました。もともとは保育園で遊ぶのが大好きなので、登園しぶりをする大きな理由はなさそうだったのですが、恐らく上の学年のお兄ちゃんお姉ちゃんたちがいなくなったという環境の変化がきっかけだったのかと…。
その時期は、家にいるときはいつも以上に抱きしめたり、甘えられたりできるように意識して、一緒に過ごす時間を大切にしました。
また、子どもにやりたいことを聞き、『おうまさんに乗りたい!』と言えば、家族で牧場に遊びに行ったりしました。すると安心してきたのか、登園しぶりはなくなりました」(まる)
◾️登園準備のお手伝いから
「車から降りるときに、ぐずるようになりました。親が教室に荷物をセットするのですが、子どもにお手伝いをさせて気を紛らわせました。それが楽しくなっていったようで、だんだんぐずらなくなり、お手伝いも進んでやるようになりました」(なごまんじゅう)
◾️最後は無理やり
「好きなおもちゃを持って行ったり、好きな先生のことを話したりすることも。最後は無理矢理です…」(白雪はちみつ)
◾️まずは楽しく家から出る!お楽しみ作戦
「『行く途中で何か楽しいことがあるかも⁉』とか『外に出たら、何かいいことがある!』的なことを言って、気持ちを盛り上げています(笑)。保育園のことには触れず、その道中のことを話して、まず家からいい気分で出ていくようにしています」(どらねこ)
◾️毎日担いで登園
「ほぼ毎日“登園しぶり”です。担いで行くしかないです。ひどいときは、暴れて私の下着をちぎられました。どうしても無理な日は週1、2回休ませることも…」(せせらぎ)
◾️おうちにいても楽しくない理由を説明
「家にいても一緒に遊べないことや、お掃除ロボットが来るからおもちゃを出せないこと、買い物に出かけないといけないことなどを説明しています」(かちく)
◾️ごめんね〜と思いながらダッシュ
「保育園に入るまではいいですが、抱っこからおろすとギャン泣きされます。『かわいいけど、ごめんね~』と思いながらダッシュで仕事に向かいます…」(はるママ)
◾️本気でなさそうなときは、長めのハグ
「朝起きて開口一番、『今日は保育園行かない』と言い出したことがありました。しぶっているようには見えませんでしたが、一度長めにぎゅっと抱きしめて話をすると、そのあと“登園しぶり”することはなかったです」(nica)
子どもはお休み前の過ごし方を忘れることも。登園のルーティンを思い出すためのかかわりが大事
長期休みや新年度スター時などの“登園しぶり”には、どういった原因があるのでしょう。親はどう向き合えばいいのか、乳幼児期の親子関係を研究している菅野幸恵さんにアドバイスしてもらいました。
「ただでさえ時間がない朝に、『行きたくない』と言われてしまうと、本当に途方に暮れてしまいますよね。“登園しぶり”は入学や進級など新たな環境に入っただけでなく、夏休みなど長期間のお休みのあとにも起こりやすいです。
理由のひとつは、幼稚園や保育所に行っていたときのルーティンを忘れてしまっているということにあります。幼稚園や保育所のことを忘れてしまったのではなく、お休みの前にはどんなふうに過ごしていたのかをうまく思い出せないのです。
大人でも長期休暇のあとは身体がお休みモードになってしまって、仕事モードに切り替えられないということありますよね。大人の場合はルーティンを忘れているわけではありませんが、身体がついていかないという点では大人と似ています。
多くの子どもにとって長期のお休みで家族と過ごす時間はリラックスできるものです。一方で、幼稚園や保育所といった集団生活は、ある種、緊張感があり、頑張っているところです。子どもにとって、その感覚を取り戻したり、気持ちや身体を切り替えたりするのはそう簡単なことではありません。
行きたがらない場合、幼稚園や保育所の楽しそうだった思い出などを語ってみるのもひとつです。写真や映像などを見せるのも効果的かもしれません。体験談にあるように登園の準備を一緒にするというのは、ルーティンを思い出すためにとても効果的だと思います」(菅野幸恵さん)
幼児期の子どもはその瞬間を生きているので、おうちで楽しい時間を続けたくなることも
「もうひとつは、子どもは時間感覚が大人とは異なっているので、1年という長いスパンでとらえることが難しいということがあります。1学期のあと夏休みがあって、次に2学期で…という1年のサイクルを理解できるようになるのは、小学校にあがってからです。
幼児期の子どもは、今、その瞬間を生きているので、おうちの人といる今の楽しい時間を続けたくなってしまいます。ただ別れることへの抵抗は、その場かぎりのものです。行ったら楽しめるので、おうちの人は後ろ髪を引かれるかもしれないけれど、ぐっとこらえて、もたもたせずさっと園の先生に子どもを預けてしまうのがよいと思います。
抵抗が激しくどうしようもない場合は、無理させなくてもよいです。とはいえ、おうちの人の都合で行ってもらわないと困る場合もあると思います。その場合は、行きたくない子どもの気持ちは否定しないでください。『行きたくない、おうちにいたいのはわかるけど、お仕事に行かないといけないから』と(子どもは納得しないかもしれませんが)伝えてみてはいかがでしょう。
ただ、みなさんの体験談にあった、年長の場合は、別の理由があるかもしれません。年長になるといろいろなことができるようになっているのですが、急におうちの人や大人に甘えてくることがあります。ひざに乗ってくるなどスキンシップを求めてくることもあります。小学校という未知の世界が見えてきたゆえの、緊張から来る甘えなのではないかと思います。これも一時だけなので、『もう大きいのに』と言わずに、甘えさせてあげてください」(菅野幸恵さん)
忙しい朝の“登園しぶり”は、大人にとっては頭が痛いものです。登園すると楽しいことがあると想像できるような、かかわりは大切ですね。
(取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部)
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2026年5月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数40人)
※記事の内容は2026年8月の情報で、現在と異なる場合があります。
菅野幸恵さん
PROFILE)
青山学院大学コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間学科教授。専門は、発達心理学で研究テーマは、乳幼児期の親子関係、地域コミュニティでの子育てについて。著書に、『つながりの子育て―子どもをまんなかにしたコミュニティづくりを、問いなおそう』(理工図書)『あたりまえの親子関係に気づくエピソード65』(新曜社)などがある。


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