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もし子どもと一緒に被災したら...? 地震発生から72時間を想像してみよう

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地震の多い日本では、いつ大きな地震に遭遇するか分かりません。赤ちゃんを抱えて被災してしまったら、どうすればいいのでしょう?
東京・中野区の子育てサークル「HurAPPY(フラッピー)」が、「乳幼児と地震に遭ったなら」というワークショップを開催し、20人ほどの親子が参加しました。
講師の安田真由子さんは、「地震で被害に遭ったママたちが大変な思いをした話を聞いて、多くの方に地震の対策について知ってほしかった」と話します。
皆さんのお宅の地震対策は万全ですか? ぜひ見直してみてください。

被災から72時間をシミュレーションしてみる

ワークショップでは、いくつかのグループに分かれ、「地震から72時間」をみんなでシミュレーションしました。72時間とは、被災して救助が来るまでの時間、また、がれきの下などに閉じ込められた場合の、命のリミットの時間ともいわれています。実際に想像してみると、72時間は意外と長いもの。この時間を乗り越えるために、何をどれくらい備えておけばよいのかを考えます。

想定は冬の夕方6時に起こった首都直下型地震。
窓のガラスが割れます。冷たい風が吹き込んできて寒いです。赤ちゃんをくるむ毛布はあるでしょうか?
おむつはどのくらい予備がありますか? ガスも電気も使えません。離乳食はどうしましょうか?
翌日、子どもはこの状況に飽きて遊びたいと騒ぎます。どうやって気を紛らわせればよいでしょう? あ、子どもが動き回っている間に出血しました。絆創膏や消毒薬はありますか?

時間の経過とともに、必要なものは変わっていきます。「お水が足りないかも」「おむつがもうない……」「ライトを準備してなかった」と、想定していたものから足りなかったものが、各グループからたくさん挙がりました。

備えについては、被災直後の「命を守る」ものと、そこから生き延びるための「命をつなぐ」ものとを分けて考えるとよいでしょう。

☆命を守るものの例
・ホイッスル(携帯のストラップにするとよい)
・スリッパ
・LEDライトなど

☆命をつなぐものの例
・水、食料
・トイレ用品
・防寒グッズ

「子どもがいると毎日がバタバタで、備えようと言われても、なかなか難しい。だからこそ、必要なものを見極めて、毎年一個、もしくは月に一個でも備えられたらよいのではないかと思います」と安田さん。
また、子どもは日々成長します。備蓄しているオムツや服のサイズが変わるため、定期的に更新ことも必要ですね。

赤ちゃんを守る抱っこ「ファイヤーマンホールディング」


緊急時にはおんぶひもや抱っこひもを使っている余裕はありません。とっさに赤ちゃんを抱えて逃げる際、最適な抱き方を教えてもらいました。
それは「ファイヤーマンホールディング」。その名の通り、消防士が子どもを救出する際に使う抱き方だそうです。
膝を立てて赤ちゃんを上に載せ、膝と同じ側の腕を赤ちゃんの脇の下から入れて、反対側の脇に回します。そのまま立ち上がり、ママの脇でしっかりガードします。
こうして抱くと、しっかり子どもを抑えられて、子どもが多少暴れても抱き続けることができます。頭に毛布やタオルなどを被せれば、落下物から守ることもできます。
首が座った頃からこの抱き方はできますが、急だと嫌がる子もいるので、いざという時に抱けるよう、日ごろから遊びの中で取り入れつつ、慣らしておくといいと思います。

子どもの心のケアを考えよう

地震の後は、子どもの心のケアも大切です。
2004年の新潟中越地震に遭ったママたちの体験談を紹介します。
「地震が来た直後から、子どもが言葉も発せずがちがちに硬直してしまった」
「5歳の娘が地震の後、毎晩夜泣きが収まらなかった」
子どもたちの不安や恐怖が伝わってきます。
これに対して、ママたちも一生懸命ケアしています。
「地震後は部屋に1人でいさせないようにした」
「地震で揺れるとトランポリンみたいだねー!とわざと跳ねてごまかした」

大事なのは、怖かったこと、悲しかったことをゆっくり聞いてあげること。そして「もう大丈夫」と伝えて安心させてあげましょう。少なくとも2、3カ月~半年くらいは、子どもを1人きりにしないように心掛けてください。
また、子どもが「地震ごっこ」をして遊ぶことがありますが、それは大切な恐怖体験を乗り越える過程のひとつ。「不謹慎だからやめなさい!」などと叱らずに、見守ってあげてください。(文・尾越まり恵)

☆プロフィール☆
HurAPPY(フラッピー)
主に中野区で活動中の子育て団体。気軽にふらっと立ち寄って、ハッピーになれる場所作りを目指しています。
http://ameblo.jp/hurappy/

参考)『あんしんの種』(特定非営利活動法人 多世代交流館 になニーナ)

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

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