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赤ちゃんが嫌いな「●味」どう慣れさせる?離乳食から味覚教育が必要な理由

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PicturePartners/gettyimages

生活習慣病(高血圧疾患、糖尿病、脂質異常症など)の患者数が年々増加しているのは、周知の事実。これは、糖分過多、高塩分、高脂肪、高カロリーの食事などを好み、偏った食生活を積み重ねた結果。
こういった食べ物の嗜好(しこう)の偏りは、乳幼児からの食体験の積み重ねで形成されます。そのため、赤ちゃんを将来、生活習慣病にさせたくないなら、乳幼児期からの「味覚教育」が大事。「味覚教育」とは、いろいろな食材を食べさせ、「おいしい」と感じる経験を重ねることです。
料理研究家・栄養士の若宮寿子先生に、乳幼児期からできる味覚教育について聞きました。

関連:赤ちゃんの味覚はいつから?子どもが食事をよく食べるようになる裏ワザとは!?

赤ちゃんは生まれながらに好きな味と嫌いな味がある

物を食べたときに舌で感じる味(味覚)は、甘味、塩味、うま味、苦味、酸味の五味に分類されます。

「五味の中で甘味と塩味とうま味は、生理的に体が欲する味なので、赤ちゃんは無条件に『おいしい』と感じます。でも、酸味は腐敗のシグナル、苦味は毒のシグナルなので、赤ちゃんに与えようとすると『まずい』と感じるため拒絶します。実は、動物もこれと同じ反応を示すんですよ。生きていくための本能なんですね」(若宮先生)

味覚教育1:薄味ベースで、味覚の幅を広げていこう

「離乳期は、さまざまな味を覚えるのに大切な時期です。だから、離乳食は赤ちゃんが食べやすいように食材をいろいろな形状・固さにして、食材そのものの味が楽しめるようにしていきましょう。
味覚の幅を広げるには、以下のステップを踏むことが大切です。

1.最初は味つけはせずに食材そのままの味を体験させる
2.食べることに慣れてきたら、塩やしょうゆといったシンプルな調味料で薄く味をつける

このステップを踏むことで、甘味、塩味、うま味といったわかりやすい味だけでなく、酸味や苦味なども徐々に受け入れるようになっていきます。

このステップでは、毎日の食事のときに大人が意識的にいろいろな食材の味を赤ちゃんに経験させる必要があります。
赤ちゃんが食べたがるものだけを与えていたら、好きなものしか食べない子どもになりかねません。そうなると、わかりやすい味つけのファストフード、ジャンクフード、インスタント食品などを好むようになって食の嗜好が偏り、そのまま大人になってしまうと、生活習慣病を招くような味覚が身についてしまう心配があるのです」

味覚教育2:酸味と苦味のある食材も少量ずつ慣れさせて

赤ちゃんは酸味と苦味を本能的に拒否するのですが、離乳食を進めていく中で、酸味や苦味がある野菜や果物も少しずつ食べさせて慣れさせていくことが大事だそう。

「しっかり加熱してあげると、酸味や苦味が気にならずに食べやすくなります。ほかの食材と混ぜてあげるのもいいでしょう。たとえば、ピーマンは加熱すると甘くなる玉ねぎやにんじんと一緒に炒めてあげると、苦味が気にならなくなります。
グレープフルーツやキウイなどの果物は、乳製品とあえると食べやすくなりますよ」

★【月齢別】離乳食で食べさせたい、酸味と苦味のある食べ物

【5,6ヶ月】
・酸味:プチトマト、みかん、オレンジ、プレーンヨーグルト
・苦味:レタス、春菊

【7,8ヶ月】
・酸味:キウイ
・苦味:ピーマン、モロヘイヤ

【9〜11ヶ月】
・酸味:グレープフルーツ、ラズベリー
・苦味:ゴーヤ、セロリ、パセリ、しそ、バジル、ミント、パクチー

【1歳〜1歳6ヶ月】
・酸味:ライ麦パン、梅干し
・苦味:貝割れ大根

味覚教育3:毎日のメニューに”かんで食べる”ものを1品加える

「1歳を過ぎたら、食事の中の1品を”よくかんで食べる”メニューにしましょう。スティック状に切ってゆでた根菜や繊維質の多い葉野菜は、かむことを促します。
”よくかんで食べる”ということも、実は赤ちゃんのころから習慣にしないと、早食い、丸飲みといった悪いくせがついてしまいます。一度ついたくせを直すのは、年を重ねるごとに難しくなるので、離乳食のころから『カミカミしようね』と声をかけながら、かむことを促しましょう」

味覚教育4:香料、着色料、人工甘味料には要注意!

食品添加物とは、「形を整えて加工しやすくする」「うま味、甘味、酸味などの味をつける」「香りをつける」「保存性を高める」といった目的で、食品の製造・加工過程で使われるものです。

「味覚にダイレクトに影響する食品添加物は、香料と着色料。香料はその強い香りで食材そのものの味をわからなくし、着色料も人工的な色そのものに目を奪われ、味がわからなくなることがあります。
また、砂糖の代わりに使われる合成甘味料も要注意です。甘さが砂糖に比べるとすっきりしているので、無意識に糖分を多くとってしまい、甘味に対して鈍感になってしまう恐れがあります。赤ちゃんの口に入れるものは、大人が食品表示をきちんと確かめて、味覚の発達を邪魔する添加物は避けるようにしましょう」

関連:お留守番の新しい形、エプロン先生と食育を学べる「かぞくごはん」

味覚の発達には、離乳期の経験が大きく影響するようですね。赤ちゃんの味覚を育てるためには、大人も赤ちゃんと一緒に味わって、一緒に食事を楽しむことが大事。この機会に大人自身の食生活も改めたいですね。(取材・文/白鳥紀久子、ひよこクラブ編集部)

■監修:若宮寿子先生
栄養士・料理研究家・HACCPコーディネーター。企業やレストランのフードコンサルタント、メニュー提案、衛生指導を行いながら、農水省食育レシピ監修、テレビや「たまごクラブ」「ひよこクラブ」などでもレシピを紹介されています。生活習慣病、食育分野の講師としても活動中。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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