RSウイルスは夏にも流行?! 赤ちゃんがかかりやすい4大感染症を医師が解説
予防接種では防げない、赤ちゃんがかかりやすい代表的な感染症といえば、
・風邪症候群(かぜしょうこうぐん)
・RSウイルス感染症(あーるえすういるすかんせんしょう)
・溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)
・突発性発疹(とっぱつせいほっしん)
この4つが挙げられます。ウイルスや細菌が赤ちゃんの体の中に入ることで発熱、せき、鼻水などを発症します。感染してしまったときの症状、対処法などを小児科医の山中龍宏先生に解説していただきます。
風邪症候群(かぜしょうこうぐん)とは?
鼻や口に入ったウイルスが原因で、炎症が起きます。
どんな症状?
鼻やのどの粘膜からウイルスが入り、ウイルスのついた部位によって、鼻水やせきなどの症状が出ます。発熱、下痢、発疹などの症状が出ることもあります。急性気管支炎(きゅうせいきかんしえん)、クループ症候群、中耳炎など、ほかの病気を併発することもあります。
かかってしまったら?
症状が軽く、機嫌がよければ1~2日おうちで様子を見ても大丈夫です。
・機嫌が悪い、
・水分がとれない、
・ぐったりしている
などのときは、受診しましょう。解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)、去痰薬(きょたんやく)など症状を抑える薬や、ほかの病気を併発しないように、抗菌薬が処方されることもあります。
RSウイルス感染症(あーるえすういるすかんせんしょう)とは?
冬に流行する風邪症候群(かぜしょうこうぐん)の代表的なウイルスで、とくに呼吸器に感染するのが特徴です。近年は冬から流行が早まった例も報告され、夏にも予防が必要といわれています。
どんな症状?
冬に流行する風邪症候群(かぜしょうこうぐん)の代表的なウイルスで、とくに呼吸器に感染するのが特徴です。風邪症候群と同様の症状は1~2週間ほどでよくなりますが、2歳以下の赤ちゃんは、細気管支炎(さいききかんしえん)や肺炎を併発することもあるので注意が必要です。
かかってしまったら?
おうちでは水分補給、鼻水をこまめに吸い取るなど、症状を楽にするケアをします。
・せきがひどい、
・ゼーゼーと呼吸が苦しそう、
・呼吸が速い
などのときは、風邪症候群と診断されたあとも、再度受診しましょう。
溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)とは?
溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん/略して溶連菌)によって起こる病気で、のどが腫(は)れて舌に赤いブツブツが出るのが特徴です。
どんな症状?
39度前後の高熱が出て、のどが真っ赤に腫れて激しく痛みます。ものを飲み込むのがつらくなるため、食欲がなくなり、嘔吐や頭痛が見られることもあります。
また、かゆみのある赤くてこまかい発疹が出て、やがて全身に広がり、そのあと舌にも赤いブツブツができて、いちごのように真っ赤になります。回復期に指などの皮がむけることもあります。
かかってしまったら?
治療には、ペニシリンなどの抗菌薬を使います。薬を使えば、1~2日で熱が下がり始め、のどの痛みや発疹も消えていきます。腎炎(じんえん)などの合併症を防ぐため、抗菌薬の服用は10日間くらい続ける必要があります。
突発性発疹(とっぱつせいほっしん)とは?
突然、高熱が続き、熱が下がったあとに赤い発疹(ほっしん)が出ます。
どんな症状?
突然38度以上の高熱が出て、3~4日ほど続きます。高熱のわりに機嫌がよく、食欲もあります。
熱が下がって24時間以内に、赤い小さな発疹が全身に広がりますが、2~3日で消えます。原因となるウイルスが2種類あるため、2回かかる赤ちゃんもいます。熱の出始めに熱性けいれんを起こすこともあります。
かかったらどうする?
発疹が出るまでは診断できないので、それまでは風邪症候群と同じように対症療法を行います。おうちで安静にして、十分に水分をとりましょう。全身に発疹が出てからも熱が下がらないときは、再び受診します。
赤ちゃんが回復するためには、鼻水をとってあげたり、こまめに水分補給をさせるなどのおうちケアも大事です。赤ちゃんの様子を注意深く観察し、気になる症状があったら、早めの受診を心がけましょう。(文・ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2018/07/06
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