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入院も!冬だけじゃない、赤ちゃんの「RSウイルス感染症」ママ小児科医が警告!

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屋外の赤ちゃん
bee32/gettyimages

今回のテーマは、「RSウイルス感染症」について。2才と4才のお子さんを子育て中の小児科医・泰道麗菜先生が、日々の診療の中で、ママ・パパたちに伝えたいさまざまな情報を発信します。
RSウイルス感染症は、ほとんどの子どもが2才になるまでに一度は感染すると言われています。さらに、秋から冬にかけて流行すると言われていたのが、2016年シーズン以降流行時季が早まっています。もし赤ちゃんがRSウイルス感染症に感染してしまったら? どうしたら重症化を避けられるの?
[ママ小児科医の”コレが気になる”]#7

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わが家の息子2人も「RSウイルス感染症」に!

今回はRSウイルス感染症についてのお話です。以前は秋から冬にかけて流行すると言われていましたが、近年は夏ごろから流行が見られる傾向にあります。今年もクリニックでは7月中旬からRSウイルス感染症の患者さんがちらほらみられるようになり、8月上旬には、わが家の息子2人もかかりました。

6カ月以下の赤ちゃんは気管支炎や肺炎のリスクも

RSウイルス感染症はRSウイルスによる呼吸器感染症で、主な症状は発熱、せき、鼻水などです。発熱はみられないこともあります。ほとんどの子どもが2才までに一度はRSウイルス感染症を経験すると言われており、その後も年齢を問わず生涯にわたって感染を繰り返す感染症として知られています。感染を繰り返すうちに症状は軽くなる傾向にあるため、年長児や大人がかかった場合には、いわゆる軽い風邪のような症状で終わることが多く、感染に気がつかないことも多いです。
一方で、月齢の低い赤ちゃん(とくに生後6カ月以下の赤ちゃん)が初めてこの病気にかかると、気管支の奥まで炎症が広がることが多く、気管支炎や細気管支炎、肺炎となって症状が重くなりやすいのが特徴です。気管支は肺につながる空気の通り道(管)で、細気管支は気管支から何度も枝分かれして、肺胞に届く手前の細い気管支。そこに炎症が起こると、管がさらに狭くなり、むせるようなせきが続いたり、ゼイゼイしたり、呼吸困難の症状が出ます。呼吸困難は呼吸が苦しい状態で、 多呼吸(呼吸が速くなる)や陥没呼吸(肋骨(ろっこつ)と肋骨(ろっこつ)の間がペコペコへこむ)、鼻翼呼吸(息を吸うと小鼻がピクピク動く)といった症状が出ます。
また生後1カ月未満の赤ちゃんは上記のような典型的な症状が出ずに、 無呼吸(突然息が止まって、顔色が悪くなったり、唇や指先が紫色になったりする)が起きて、突然死を招く危険があるので注意が必要です。

重症化する前に病院を受診しよう

RSウイルスには特効薬がなく、基本的には自分の免疫力で治ります。ホームケアでは、からだを安静にして、部屋の加湿をし、鼻水を除去してあげることが大事です。熱はたいてい数日で下がりますが、その後もせきや鼻水は1−2週間続くことが多いです。
発熱が長引くときには、二次性の細菌感染を合併していることがあり、その場合には抗菌薬による治療が必要です。2才未満の赤ちゃんでは中耳炎の合併が多いので、受診した際には鼓膜(こまく)の様子もチェックしてもらいましょう。また、赤ちゃんに以下の様子が見られるときには、早めに病院を受診してください。

1.呼吸が苦しそうなとき
2.せき込みがひどく何度も嘔吐(おうと)するとき
3.夜も眠れないとき
4.おっぱいやミルクの飲みが悪い時
とき

呼吸困難がひどいときには入院して、酸素投与や点滴、時には人工呼吸が必要になることもあります。

RSウイルスは家族間や集団保育で流行しやすい

RSウイルス感染症の潜伏期間は4〜6日で、感染経路は主に飛沫(ひまつ)感染(せきやくしゃみなどを介して感染する)や接触感染(感染者の鼻水や痰(たん)に直接、あるいは間接的に触って感染する)です。
RSウイルス感染症は、早産児、生まれつき心臓や肺に病気を持っている赤ちゃん、免疫不全やダウン症の赤ちゃんでは症状が重くなりやすいことがわかっています。このような赤ちゃんはRSウイルス感染症による重症化を予防するために「シナジス」という注射薬があり、RSウイルスの流行時期(通常9月〜3月)に月1回筋肉注射を行います。対象の赤ちゃんは時期を逃さずに接種を受ける必要がありますが、たいへん高価な薬のため、決められた対象の赤ちゃん以外は、保険で接種を受けることはできません。
一般的な予防策はマスク着用や手洗い、手指のアルコール消毒、赤ちゃんが触れるものはこまめにアルコールや塩素系消毒剤などで消毒をすることなどです。しかし感染力が強く、また症状が軽いケースではRSウイルス感染症と気づかれず過ごす人も多くいるため、感染を完全に防ぐことは難しく、とくに家族間や集団保育では流行しやすいのが現状です。
わが家の息子たちのRSウイルス感染はやはり保育園が発端で、二男のクラスでまさに流行真っただ中でした。今回2度目の感染だった二男は、軽い微熱とせきが数日続いて治りましたが、毎日二男に抱きついて濃厚接触をした長男も、やはり数日後にはそれらしい症状が出始めました…。

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年齢の低いきょうだい間の感染はもちろん、集団保育に通う子ども同士の感染はどんなに避けたいと思っても、生活を別にしない限り難しいです。ですから、事前に感染症についての知識を持っておくこと、かかってしまった時の対処法や受診の目安を知っておくことは大事です。
とくに月齢の低い赤ちゃん、生まれつき病気にかかると重症になりやすいお子さん、免疫力の低下したお年寄りの方がいらっしゃる家庭では、より危機感を持って対応できるといいですね。
(構成/ひよこクラブ編集部)

■監修・文/泰道麗菜先生
神奈川県小田原市にある横田小児科医院の小児科医。アレルギー疾患を専門に、大学病院の小児科などを経て2018年より現職。2人のお子さんのママという目線からも、地域のママ・パパに寄り添った診療をしています。

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