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赤ちゃんのUVケアのしすぎでビタミンD欠乏性くる病になる!?

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AlekZotoff/gettyimages

母子健康手帳から「日光浴」という言葉がなくなり、「外気浴」をすすめるようになって約20年。その理由は、オゾンホールの破壊による紫外線の影響でした。ところが、赤ちゃんが紫外線を浴びることをママが心配し過ぎることで、逆に悪影響が出てしまっているという説もあるのです!その真相は? 紫外線が赤ちゃんに与える影響や、お出かけの時の注意点などについて、小児科医の三井俊賢先生にお聞きました。

紫外線を避けすぎることが、ビタミンD欠乏症の原因に

「紫外線には、浴びすぎると日焼けをおこし免疫力を低下させる心配がありますが、反面、”ビタミンDの欠乏を防ぐ”という、人間の体に有効な役割もあります。ビタミンDには、赤ちゃんの丈夫な骨や歯をつくったり、免疫力を高める働きがあります」(三井先生・以下同)

赤ちゃんのビタミンD欠乏性くる病が起きることも

「ビタミンDがたりなくなると、ビタミンD欠乏性くる病という病気を起こす心配がでてきます。くる病は、日本では、栄養不足しやすい時代に流行した昔の病気と言われていました。しかし、近年、乳幼児でも見られるようになり、珍しい病気ではなくなってきています。
くる病になると、骨がうまく形成されず、身長の伸びが悪くなったり、下肢の骨が曲がってO脚になるなどの症状が現れます」

紫外線が体内でビタミンDをつくる

「ビタミンDは、脂溶性ビタミンの1つで、魚介や卵、きのこ類に多く含まれる栄養素です。食べ物からとれるほか、紫外線を浴びることで、体内でつくることもできます」
赤ちゃんは、胎児期にママからビタミンDを受け取って体に蓄え、母乳やミルクに含まれるビタミンDを日々補給しています。しかし、ママが食事からとるビタミンDの量が少なかったり、日に当たる機会が少ないと、母乳中のビタミンD量も少なくなる心配があります。さらに赤ちゃんが日に当たる機会が少なかったり、UVケアを徹底しすぎると、くる病を発症する心配がでてきます。

ビタミンDを生成するには1日5〜15分、冬は1時間の日光浴を

「ビタミンDは、片手のひらだけなど、皮膚の一部分だけ日にあたるだけでも、体内で生成できます。また紫外線は窓際の日当たりのいい場所にも降り注いでいるので、屋内の日光浴でも大丈夫です(ただし紫外線カットガラスを使用している場合は効果が低下)。夏場なら、大人も赤ちゃんも、1日5~15分ほど浴びれば、ビタミンDを十分つくることができるでしょう。

問題なのは、紫外線量が少なくなる冬場です。とくに紫外線量の少ない地域は、意識して日にあたらないと、ビタミンDを生成できません。紫外線量の少ない地域では、1時間強、そのほかの地域でも1時間程度は日光にあたってほしいですね」

1日1回は外気浴(日光浴)かお散歩を

「先にも触れたように、ビタミンDを生成するためには、全身に紫外線を浴びる必要はありません。

・首がすわる前の赤ちゃんなら、1日1回、窓を開けて外気浴をするときに、手や足だけ日に当ててみてください。

・首がすわって外出がしやすくなってきたら、抱っこやベビーカーなどでお散歩に出たときに、少しだけ日にあててあげるといいでしょう。

とくに紫外線の少ない地域では、冬場は、多少積極的に紫外線を浴びる時間もつくってほしいです。
また、離乳食が始まったら、ビタミンDを多く含む魚介や卵、きのこ類を月齢に応じて積極的にとりましょう。ママもビタミンD不足にならないよう、バランスのいい食生活と適度な日光浴を心がけてくださいね」

紫外線は怖いというイメージから、UVケアを徹底しすぎる傾向は確かにみられます。でもそれが別の影響を及ぼしていたというのは、驚きですね。何ごとも適度に行うのがいいのかもしれませんね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■監修/三井俊賢先生
小児科専門医。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。小児科・皮膚科・専門外来の神奈川県・ミューザ川崎こどもクリニックの小児科顧問として専門外来の診療を行う。3児の父。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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