【1~2歳】しかり方につまずいたら読む! 子どものしかり方相談室
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子どもをどのようにしかるかは、意外と難しいもの。しかってもニコニコ笑っていたり、逆にかんしゃくを起こされたりして、どう対応していいのか悩んでいるママやパパもいるのではないでしょうか。
子どもの発達心理に詳しい井戸ゆかり先生に、1~2歳ごろによくある、ママ・パパのしかり方の悩みに答えていただきました。
井戸先生が解決!伝わるしかり方、教えます
どうしたら子どもに伝わるのか? 子どもの心に届くのか? 1~2歳ごろのしかり方について、ママ・パパの悩みは尽きません…。ママ・パパから寄せられた、しかり方についてのよくある悩みを、井戸先生に聞いてみました。Q&A形式で紹介します。
Q しかっても笑っているだけで、伝わりません
A 子どもと向き合いながら、真剣な表情と口調で!
ママやパパの真剣さが伝わっていないのかも知れませんし、ごまかそうとして笑っているのかも知れませんね。いずれにしてもママやパパが、真剣な表情と口調で伝えることが肝心。抱っこしながら目を見て、真剣に伝えるようにしましょう。
Q しかると、手に負えないほどかんしゃくを起こします
A 気持ちを落ち着かせることを第一に
かんしゃくを起こしているときに「ダメでしょ! ○○くんが悪いんでしょ!」などとたたみかけるようにしかると、子どもは混乱して、かえって逆効果です。まずは抱っこして、子どもの気持ちを落ち着かせましょう。かんしゃくがおさまってきたら、優しく言い聞かせください。
Q 子どもをしかるとき、たたくのはダメ?
A たたくのではなく、言葉やジェスチャーで伝えましょう
たたくことを繰り返すと、子どもは怒られるのが怖くて、何事にも消極的になってしまいます。またママやパパのまねをして、ほかの子をたたくようになる子も。痛みで教えるのではなく、言葉でなぜいけないのかを伝えてください。言葉で伝わりにくいときは、いけないときは手を「×」。いいときは手で「○」をつくり、ジェスチャーで教えても。
Q しかるポイントが、ママとパパで違ってもいい?
A ある程度はしかたないですが、子育ての方針は共有して
しかるポイントをすべて一致させるのは難しいと思いますが、子育ての方針は夫婦で共有するのが理想です。していいこと・ダメなことが夫婦で大きく異なると、子どもは混乱します。どの程度までなら許すか、時間があるときに夫婦でよく話し合っておきましょう。
Q 外では人の目が気になって、いつものようにしかれません
A しっかりしかる機会があれば、気にしないで大丈夫!
外だと人の目が気になるのはしかたないこと。いろんなケースがあって、子どもは育っていくので気にしないで大丈夫! 家の中などしかれるときに、しっかり言い聞かせていれば問題ありません。
しかり方に悩むママ・パパは多いと思いますが、しかるときの基本は①真剣に伝える、②泣いたり、かんしゃくを起こしたりしているときは気持ちを落ち着かせてから伝える、③子どもの気持ちに寄り添った言葉かけを忘れないこと――この3つを心がけると、比較的、スムーズに聞き入れてくれるようですね。たたいたり、たたみかけるようにしかったりするのは逆効果! 夫婦で“どの程度までなら許すか”子育ての方針を話し合っておくことも忘れずに。(取材・文/麻生珠恵・ひよこクラブ編集部)
監修/井戸ゆかり先生(東京都市大学 人間科学部 教授)
発達臨床心理学、保育学が専門。乳幼児期からの子どもの心身の発達や、親子関係などを研究し、講演会などを行う。2人のお子さんのママでもあります。
参考/1才2才のひよこクラブ2017年夏秋号「1才代 2才代年齢別 子どもにマイナスになるほめ方・プラスになるしかり方」より
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