赤ちゃんの発達がちょっと心配なときのかかわり方【0~6ケ月】
生まれたばかりの赤ちゃんは、日ごとに大きく成長しています。笑ったり、声を出したり、寝返りを打ったりと、わが子の成長を見ることは楽しみも多い一方で、その成長が遅れていないかと心配になることもあります。成長のスピードは人それぞれ違うとわかっていながらも、気になるときはどんなことをチェックすればいいのでしょうか。0~6ケ月の赤ちゃんの発達が心配なときにどうすればいいのか、小児科医で赤ちゃんの発達に詳しい、本田真美先生に聞きました。
「ちゃんと見えてる?」「聞こえてる?」が心配!
0~6ケ月の赤ちゃんの発達で、ママ・パパがよく心配になる“あるあるお悩み”について、本田先生が答えてくれました。
Q1 赤ちゃんのことを見つめても、こちらに焦点が合っていないようです。ちゃんと見えているのでしょうか? (0~1ケ月)
A 新生児の視界はまだぼんやり。目が合わなくても心配しなくて大丈夫です。
新生児のうちは、まだ視覚が発達していません。視力にして0.02程度で、30㎝先がやっと見える程度です。顔を近づけてもぼんやりとしか見えていないので、焦点が合っていなくても心配する必要はありません。一方で聴覚はすでに発達しているので、ママの声で安心することもあります。抱っこしてやさしく声をかけてあげましょう。
Q2 ガラガラなどの音の出るおもちゃを使ってもこちらを見てくれません。聞こえているのでしょうか? (1~2ケ月)
A 1~2ケ月ならおもちゃを見ていなくても大丈夫。音はいい刺激になっています。
前述の通り、赤ちゃんは聴覚が先に完成して視覚は後から発達するので、音は聞こえていてもおもちゃがはっきりと見えていないのでしょう。赤や黒など認識しやすい色のおもちゃを使えば、それを目で追うようになるかもしれません。まだ目で追えなくても、音は赤ちゃんにとっていい刺激になっているので、赤ちゃんが疲れない程度に一緒に楽しんであげるといいでしょう。
Q3 手をぺろぺろとなめていて、やめさせようとしてもやめてくれません。どうすればいいですか? (2~3ケ月)
A 無理にやめさせなくて大丈夫。衛生面が気になる場合は拭いてあげて。
手や指をしゃぶるのは、自分の手を認識して確かめようとしているためです。これは発達の過程で見られることなので、無理にやめさせる必要はありません。衛生面で心配なようであれば、たまに口のまわりや手をふいてあげてください。よだれによるかぶれ防止にもなります。
Q4 赤ちゃんがなかなか寝返りを打ってくれません。 (4~5ケ月)
A 4~5ケ月ならまだ大丈夫。背中を押して手伝ってみて。
4~5ケ月の月齢では、首がしっかりしてきて、うつぶせになったり寝返りを打ったりするような子もいます。この月齢で寝返りを打てなくても問題はありません。心配なら、遊びの中で腰をひねる動作をしたときに、背中を押して寝返りを手伝ってみましょう。コツをつかめば自分で寝返りを打てるようになります。
Q5 目が合っているのに笑ってくれません。 (5~6ケ月)
A 話しかけるなどして赤ちゃんとコミュニケーションを取りましょう。
この月齢では、赤ちゃんがママのことを特別な存在として認識するようになります。赤ちゃんと目を合わせるだけでなく、笑顔で話しかけてコミュニケーションをとってみてください。赤ちゃんはママが笑っているのを見て、自分もまねしようとするでしょう。
発達が遅れているかどうかの確認は、乳幼児健診でも行われます。気になることがあれば、問診の際に医師に聞いておきましょう。赤ちゃんは生まれてから数ケ月の間に、自分やまわりの人のことを、徐々に認識していきます。昨日より今日、今日より明日と一つずつできることも増えていきます。授乳やおむつ替えなど大変なことも多い時期ですが、発見を楽しみながら成長を見守りましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/本田真美先生
みくりキッズくりにっく院長。小児神経専門医。東京慈恵会医科大学卒業。国立成育医療研究センター、都立東部療育センターなどを経て現職。おもちゃコーディネーターでもあります。
参考/ひよこクラブ2017年12月号「赤ちゃんの発育・発達ポイント&かかわり方新定義」より