【乳幼児健診】1ケ月健診ってどんなことをするの?準備はいるの?
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1歳までは数ケ月おきに赤ちゃんの発育や発達、飲む量や食べる量、病気の有無を確認するために行われる乳児健診。1ケ月健診は、出産後にあっという間にやってきます。初めての乳児健診は何かと不安が多いもの。何をチェックするの? 何を持っていけばいい? 準備しておくことは? 何も知らないまま行くのは不安もありますよね。事前に知っておきたい、1ケ月健診の気になることを、赤ちゃんの成長・発達に詳しい、小児科医の本田真美先生に聞きました。
原始反射を重点的にチェックする1ケ月健診
1ケ月健診でママ・パパが気になることをまとめました。初めてのことなので不安になることも多々あると思いますが、予習しておくと慌てることなく受けられますよ。
Q1 健診では何を診るの?
1ケ月健診で診るのは大きく3つ。体重がきちんと増えているか、原始反射があるか、そして先天性の病気がないか、です。大まかな流れとしては、まず問診、その後に身体測定、医師による診察が行われ、最後に保健師や栄養士から授乳などの保健指導が行われます。診察では、視診や聴診、触診のほか、音への反応を見たり、舌や喉に異常がないか口の中を細かく見たりします。細かい内容は自治体によって異なることもあります。
Q2 原始反射のチェックは何をするの?
原始反射とは、新生児反射とも呼ばれ、新生児にしか見られない、無意識の反応のことをいいます。その多くは生命の維持に欠かせないもので、正常であればしばらくして消失します。1ケ月健診では、以下のような原始反射をチェックします。
【把握(はあく)反射】
赤ちゃんの手のひらを指でつつくと、ギュッと握る反応をします。赤ちゃんに手を握られると、思わずうれしくなりますが、実は赤ちゃんにとっては無意識の把握反射なのです。把握反射は足にもあり、足の裏を指で軽く押すと、足の指を折り曲げて同じような反応をします。
【モロー反射】
大きな音にびっくりしたときに、空をつかむような格好で両手を広げる動作をするのがモロー反射です。健診では、赤ちゃんの頭を15センチほど持ち上げてから急に下げて、両手を広げる反応を確認します。その後、広げた腕を自然に閉じます。
【吸啜(きゅうてつ)反射】
おっぱいを吸うための原始反射です。指を口に持っていき、吸う力があるかどうかを確認します。
【非対称性緊張性頸反射(ひたいしょうせいきんちょうせいけいはんしゃ)】
あお向けに寝かせた状態で赤ちゃんの顔を右側に向けます。すると、右側の手足は伸び、左側の手足は曲がります。左側に向けると、左側の手足が伸び、右側の手足が曲がります。
Q3 ほかにはどんなことをチェックするの?
筋肉の緊張の様子を確かめるために、赤ちゃんの顔を下に向かせて体を持ち上げたときに、体がまっすぐではなく、頭を少し持ち上げて体と足を丸めてカーブを描いているかチェックします。また両手を持って引き起こし、筋肉にこわばりがないかを確かめます。
このほかに、瞳孔や目の色に異常がないかのチェック、おへそが清潔に保たれているか、出血がないかのチェック、股関節を広げるなどして脱臼していないかなどのチェック、首にしこりがないかなどのチェック、うんちの色の確認などを行います。
Q4 持ち物は何を持って行けばいい?
母子健康手帳、健診のお知らせ(問診票)、健康保険証、診察券、メモ帳、ペン、おむつ替えセット、着替え1組、ミルクを飲ませている場合は哺乳びん&粉ミルク、ミニタオル、ポリ袋、おもちゃ、バスタオル(おくるみや敷物代わりに)。これだけ準備しておけば大丈夫でしょう。裸になる場面が多いので、赤ちゃんは着脱しやすい服装で。ママも動きやすい服装がいいでしょう。
初めての健診は、「どんなことをするんだろう?」と少し不安になるかもしれませんが、同じ月齢の赤ちゃんを見たり、ママ友ができたりする機会でもあります。退院後、久しぶりに外に出るというママには開放感もあるでしょう。ちょっとした疑問などを医師に聞くこともできるので、気になることは普段からメモをしておくようにしましょう。1ケ月健診で医師からOKが出たら、大人と一緒におふろ(浴槽)に入る、外気浴をするのも大丈夫になります。赤ちゃんと一緒にできることが広がりますね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/本田真美先生
みくりキッズくりにっく院長。小児神経専門医。東京慈恵会医科大学卒業。国立成育医療研究センター、都立東部療育センターなどを経て現職。おもちゃコーディネーターでもあります。
参考/ひよこクラブ2017年12月号「赤ちゃんの発育・発達ポイント&かかわり方新定義」、ブリタニカ国際大百科辞典(原始反射の項目)より
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