【乳幼児健診】9~10ケ月健診ってどんなことをするの?
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赤ちゃんが9~10ケ月ごろになると、できることがどんどん増えます。足腰の筋力が発達するため、はいはいからつかまり立ち、伝い歩きへと、だんだんと立ち上がる姿勢に近づいていきます。「ここの角が危ないからカバーをしなくちゃ」「コンセント触らないようにしなくちゃ」と、家の中の危険ポイントの総点検が必要になるのもこの時期ですね。9~10ケ月健診では、どんなことをチェックするのでしょうか? 赤ちゃんの成長・発達に詳しい、小児科医の本田真美先生に聞きました。
向きたいほうに向くか、行きたいほうに行くか
9~10ケ月健診では、身体測定、問診、視診、聴診、触診、口の中の観察などを行うほか、おすわり、方向転換、はいはいの様子などをチェックします。「うちの子、すぐグズっちゃうけど大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、赤ちゃんは泣くのが当たり前。医師もそういう状況には慣れています。安心して受けてください。
【おすわりのチェック】
支えがなくても一人でおすわりができるかをチェックします。6~7ケ月では一瞬でもできればOKですが、9~10ケ月健診ではふらつかずに安定すれば問題ありません。
【方向転換のチェック】
おすわりした状態で、赤ちゃんの名前を呼ぶママ・パパのほうを向くかを確認します。自分の意思で自由に方向転換できればOK。普段から名前で呼んで振り向かせる遊びをしておくと、いいかもしれませんね。
【はいはいチェック】
この時期のはいはいは、自分の行きたい方向に進んでいくかをチェック。ママ・パパがいるほうへ向かっていけばOK。ただし、はいはいをしない子、変わったはいはいをする子などもいます。
【つかまり立ちチェック】
診察台やママ・パパにつかまって、しっかりと立てるかを見ます。まだ筋力が発達していない子や、慎重な性格な子もいるので、できなくても問題ありません。
【指先の発達チェック】
6~7ケ月では5本の指を使って物をつかめるかどうか確認しますが、9~10ケ月健診ではさらにそれが進んでいるかを見ます。親指とほかの指で物をつまめるか、小さなおもちゃなどを使ってチェックします。
【反射のチェック】
体のバランスを保つように働く「立ち直り反射」は、7~12ケ月ごろに最もよくみられるといわれます。その中の一つが、体のバランスを崩したときに、頭や顔を守るために手をつこうとするパラシュート反射。この反射チェックは家では危険なので、健診で医師にチェックしてもらってください。健診ではまず、赤ちゃんの両脇をかかえて持ち上げて、診察台に向かって頭から急激に前に傾けます。このときに両手を前に出して診察台に手をつくかをチェックします。
【ママ・パパとの関係チェック】
ママ・パパへの愛着が深まり、ママやパパがいる方向にはいはいで後追いをする子も多くなります。はいはいをしない子は、ママ・パパが視界にいないと泣きだしたり、「アーアー」と声を出して注意を引こうとしたりも。ママやパパにしがみつこうとするのも、愛着が深まっているゆえ。個人差はありますが、ママ・パパへの愛着が見られるかどうかの確認もします。
9~10ケ月健診では、つかまり立ちがまだできないという赤ちゃんも多いようです。原因としては、筋力がまだ発達していない、慎重な性格ゆえにそれをまだやろうとしないといったことなどが考えられますが、1歳までは様子見で問題ありません。また、9~10ケ月ごろといえば、人見知りがピークになる時期でもあります。そのためスムーズに健診を受けるのもひと苦労ですが、上述の通り、医師は慣れているので心配はいりません。なるべくスムーズに健診を受けたい場合は、なるべく赤ちゃんの機嫌のいい時間帯に行くのがコツです。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/本田真美先生
みくりキッズくりにっく院長。小児神経専門医。東京慈恵会医科大学卒業。国立成育医療研究センター、都立東部療育センターなどを経て現職。おもちゃコーディネーターでもあります。
参考/ひよこクラブ2017年12月号「赤ちゃんの発育・発達ポイント&かかわり方新定義」より
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