便利でお得なクレジットカード…使いすぎずに家計費管理するには?
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訪日外国人旅行者の増加や2020年の東京オリンピックに向けて、クレジットカードや電子マネーで支払いができるキャッシュレス化の動きが高まっています。日々の生活費を現金管理でなく、クレジットカードで管理をする家庭も多くあるようです。
でも、手元に見える現金があるわけではないから、つい使いすぎてしまうという人も。
カードで家計費を管理している『ウィメンズパーク』のママの体験談をもとに、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんに「カードでの家計やりくり術」を聞いてみました。
カード払いしたら、使った金額をすぐ「見える化」
クレジットカードで支払いをすると、つい使いすぎてしまう…そんな失敗を防ぐためには?
使った金額がすぐわかるように!毎日Excelで入力
我が家では、クレジット払いできるところは、必ずクレジット払いです。現金のみのスーパーもあるので、現金も使います。
クレジットと現金を使うと、使った金額がわからなくなるので、Excelで使った金額を入力するだけの家計簿をつけています。
毎月の予算があるので、日々入力すれば、今月の予算残高もすぐにわかります。
計算式を入れておけば、より使いやすいです。
「見える化」して現状を把握
支払いは基本カード。使ったカードごとにノートに記入して、明細がでたら、照らし合わせて引き落としのチェックをします。
それとは別に、家計簿をつけていて、週ごとに合計を出すので、使いすぎたら翌週はセーブしたりします。
カードで「ついつい」買っちゃっていいのは、予算を決めなくても余裕の人か、予算が多くて余裕の人くらいだと思います。
とにかく「見える化」して現状を把握して使い過ぎを防止しています。
カード家計管理で陥りがちな「使い過ぎ」防止法
毎月の予算を決めていても、目に見えないカード決済だと使い過ぎてしまう場合も。ママたちはルールを決めて予算オーバーしないように工夫していました。
カード利用分を切り上げて取り分け。小銭貯金に!
クレジットカード利用分を切り上げて、とりわけ袋に入れています。2738円の買い物をしたとしたら、3000円を「クレジットカード用とりわけ袋」なるものに入れます。
袋の表には、日付と金額を記入します。そうすることで、クレジットカードを使えば使うほど、貯金が増えるというシステムです。
カードのポイントもしっかりと貯められるし、端数の切り上げによって、小銭貯金でも貯められます。ただし、予算は、少々多めに組んでいます。
2つの封筒を使って、使いすぎを予防
封筒Aに大まかな月の生活費の10万円を入れてます。
カードで使うたび、その金額を別の封筒Bに入れます。
使えば使うほどAの封筒の現金はなくなるので、それを目安にしてます。
月が終わればBの封筒の現金をまたAに移します。
その繰り返しです。
カードを使いすぎると貯金をおろさなきゃならないから、使いすぎ予防になってます。
ネットバンキングを活用し、資金を管理
カードを使用したらすぐネットバンキングで資金移動をして、カード利用出来る金額を常に把握しています。夫の給料から積立預金・カードで引き落としの公共料金や保険・修繕管理費などを引いて、残った金額が生活費になります。生活費の中からいくらかは、現金で手元に置きます。残りはカード払い用に残してあるので、使ったらすぐ引き落とし口座へ資金移動すれば、あといくら使えるかがすぐわかります。
現金でもカードでもレシートは取っておく
クレジットカードでも明細がでますよね。毎月いくらまでと決めておいて、現金+カードがその金額以内に済むようにしています。
また、ネットで買うものはそのサイトで作ったカードを利用します。食費で使うカードをその1枚と決めているので、年末には8万ポイントくらいになります。毎年そのポイントでお年賀やおせちを購入しています。
FP横山光昭さんが伝授!カード家計管理のコツ
ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんに“カードでの家計管理”のコツや注意点を教えてもらいました。
●使ったお金をマメに記録したり、貯まったポイントで得をしたり上手に管理してるママがたくさんいました。
ママたちの “クレジットカードでの家計管理” 術についてどう思いましたか?
ーーー(FP横山さん)「クレジットカードは後払いとなる分、管理が難しいですよね。今日使った金額が、来月請求なのか、再来月請求なのかが見えにくいですし。ここに出てくるママたちのカード管理のしかたは、支出がよく見えるように工夫されていて、素晴らしいと思います。真似をしたいと思った人も多いのではないでしょうか。少し手間がかかる管理方法もありましたので、自分が無理なく続けられるかどうか試してみて、自分に合う方法で管理してみてほしいと思います」
●うまく家計を管理できているつもりでも、請求が来てびっくり!なんてことも…。
“カード家計管理術”のコツを教えてください!
ーーー(FP横山さん)「実は、私はクレジットカードの管理が苦手なんです。つい、使いすぎの傾向になってしまうのですよね。支払いの請求金額を見てびっくり!!ということもあるので、しばらくずっと、クレジットカードは使っていないんです。
その代わり、即時決済ができるカードを愛用しています。即時決済はチャージをして使ったり、すぐに銀行口座から支払われたりするので、現金感覚で使えます。VISAやJCBといったクレジットカードブランドが付いている、デビットカードやプリペイドカードのことです。最近はポイント還元率の高いものや、工夫次第でポイントの二重取りもできるものもあり、それを楽しむ目的もあります。加盟店ならどこでも使えますし、ネットショッピングもできます。最近多くなってきたバーコード決済でも活用できるので、重宝していますよ」
●最後に、“カード家計管理” の注意点を教えてください。
ーーー(FP横山さん)「クレジットカードは店頭やショッピングサイトで『割引を受けるために必要』などと勧誘されたりするので、複数持っている人も多いと思います。ここで忘れてほしくないのが年会費。最近は永年無料とするものもありますが、複数あれば年会費がかかっているものもあると思います。もし、あまり使わないカードであれば、年会費分までの恩恵を受けることは少ないでしょう。ですから、クレジットカードはよく使うもの1~2枚程度に絞るとよいと思います。あまり行かないお店の割引やポイントを狙うよりも、近くのお店のカードをよく使えば、ポイントなど集中してたまりますし、管理もしやすくなります。
複数カードを持っている人には、早めに整理してもらうことをお勧めしています。それだけで、お金の管理は少し楽になると思います」
クレジットカードは現金を持ち歩く必要がない、ポイント還元がお得などといったメリットがある一方で使った金額が分からなくなってしまったり、使いすぎてしまう場合も。
最近は家計管理アプリも充実しているので、銀行やクレジットカードの口座と連動して自動で家計簿を作成してくれるアプリを利用しているのですが、支出をいちいち手で記録しなくても良いので助かっています。上手に管理して、使い過ぎずにポイントでお得ができたら嬉しいでよね!
(取材・文/羽鳥まゆ たまひよONLINE編集部)
■監修
株式会社マイエフピー 代表取締役社長
ファイナンシャルプランナー 家計再生コンサルタント 横山光昭先生
低所得・借金などに悩む人でも、家計を再生し貯蓄ができるようにサポート。「家計の負債」を中心とした家計相談を行っている。著書「年収200万円からの貯金生活宣言」が100万部を超える大ヒット。この横山式貯金プログラムで貯蓄体質への改善、貯金額の増大を成功されている方が続出。各種ビジネス雑誌、主婦向け雑誌の家計管理特集、各種マネー本などに取り上げられ、TV、ラジオ等の出演も多数。各地での講演も行っている。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。