キラキラ回避のためにも!?知っておきたい★赤ちゃんの名づけ基本ルール
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赤ちゃんの名づけには、法律上の決まり事や制限があります。名づけを始める前に、まず基本ルールを確認しておきましょう。
ルール1: 名前に使えない字があります
名前には、使える字と使えない字があります。使えない字を使用していた場合は、せっかく名前を決めても、出生届が受理されないので気をつけて! 使える字・使えない字は以下のとおりです。自分で判断できないときなどは、候補の名前をいくつか挙げたら、法務省のウェブサイト(下記参照)や漢和辞典などで確認しておくと安心です。
まずは名前に使えない字をチェック!
【算用数字・ローマ数字】1 2 Ⅲ Ⅳ など
→算用数字の1、2や、ローマ数字のⅠ、Ⅱなどは名前に使えません。日本では「○○Ⅱ世」などとつけることはできません。
【常用漢字・人名用漢字以外の漢字】茗 襄 榴 檸 など
→「常用漢字」「人名用漢字」以外のものは名前に使えません。外国風の名前をつけたい場合は、名前の音の工夫かカタカナ表記に。
【アルファベット】a b C D など
→日本ではアルファベットは大文字・小文字ともに名前には使えません。外国風の名前をつけたい場合は名前の音の工夫かカタカナ表記に。
【子どもの名前にふさわしくない字】悪 苦 襲 殺 など
→常用漢字、人名用漢字でも常識的に考えて名前にふさわしくない字があります。子どもがあとでつらい思いをしないよう、よく考えて。
名前に使える字は?
【人名用漢字】亮 杏 綾 など
→常用漢字以外に、戸籍法施行規則によって、人名に使うことが認められている漢字。人名用漢字かどうかは漢和辞典で調べられます。
【常用漢字】愛 優 太 など
→常用漢字に指定されているものは、名前に使うことができます。使いたい字が常用漢字かどうかは、漢和辞典で調べられます。
【漢数字】一 壱 二 弐 など
→漢数字は基本的に常用漢字に含まれているので、使用できます。「一」「二」「三」だけでなく「壱」「弐」「参」も大丈夫です。
【ひらがな・カタカナ】あ い ウ エ など
→すべてのひらがな・カタカナは名前に使うことができます。ただし「ん」と「ン」は名前の最初の文字には使えません。
【長音符号】一
→「一(音引き)」と呼ばれる長音符号は、「ジョー」や「ローラ」などのように、主にカタカナと組み合わせて使用できます。
【繰り返し記号】々 ゝ ゞ
→「奈々」のように「々」は漢字の繰り返しに使用でき、「ゝ」「ゞ」は「もゝか」「みすゞ」など、ひらがなの繰り返しで使えます。
名前に使える字かどうか調べるには?
名前に使える字かどうか調べるには、いくつか方法があります。基本的な方法は漢和辞典を使うことですが、それ以外の方法として、法務省のウェブサイトでの確認もできます。「常用漢字表」「人名用漢字表」のほか、「戸籍統一文字情報のページ」では、読みや画数から使える漢字の検索も可能です。
ルール2:名前の読みは自由ですが読みやすい名前を!!
名前に使える字には法律の制限がありますが、読みには規定がなく自由です。ただ、基本的に漢字の名前には、「音読み」「訓読み」など歴史的・一般的に了解された読みを使いたいもの。名前のときにだけ使える「名のり」を使うのもいいですが、将来、子どもが苦労することのないよう、読みやすい名前にするのが望ましいでしょう。
基本の読み(例:「大」という字の場合)
【訓読み】おお(きい)
→漢和辞典ではひらがなで表記されていることが多く、歴史的には日本でつくられた読みです。
【音読み】タイ ダイ
→もともとの漢字の読み方で、漢和辞典ではカタカナで表記されていることが多いものです。
使い方に注意(例:「大」という字の場合)
【熟語でのみ使用】大和…やまと
→「大和」を「やまと」、「紅葉」を「もみじ」のように熟語の場合だけ使う読み方もあります。ただし「大」を「やま」、「和」を「と」と読むのは正式な読み方ではないので気をつけて。
【名のり】たかし はる ひろ など
→名前に使う場合にのみ認められた読み方。「大」を「たかし」「はる」「ひろ」などと読むことができます。
本当は読めない漢字の読み
【あて字】
漢字に本来の読みではまったくない読みをさせることを「あて字」といいます。最近よく見かける名前の読みにも「あて字」が多くあります。中には、一般的ではないものがあるようです。よく考えてからつけましょう。
●「明らかなあて字」の例
月(るな) 海(まりん) 輝(きら) 光(ぴか) 空(すかい) 星(きらら) 騎士(ないと)
●最近よく見る「あて字」の例
蒼(あ) 渉(あゆ) 海(う) 桜(お) 楓(か) 絆(き) 心(こ) 嵩(こう) 心(ここ) 柊(と) 叶(と) 翔(と) 寧(ね) 望(の) 音(のん) 颯(はや) 陽(ひな) 颯(ふう) 来(ら) 楽(ら)
別の意味になる漢字の組み合わせ
漢字の組み合わせによって、別の意味や読みになる場合があります。一見よさそうに見えても、下記のようなケースもあるので、熟語の読みや意味の確認を。
●別の意味や読みになる例
心太(ところてん) 海月(くらげ) 海星(ひとで)
名づけの最終チェックポイント
名前が決まったら、下記の5つのポイントで最終チェックしてみましょう。
☑姓と名のバランスはいい?
☑ネットの検索機能で名前を検索してみよう
☑読みやすさ、聞き取りやすさはOK?
☑家族みんなが納得した名前?
☑イニシャルにしても大丈夫?
名前には使える漢字と使えない漢字があります。出生届を出しに行ってから、使えなかった!とあわてることのないよう、事前にきちんと調べておきましょう。また、一度出生届に書いて受理された名前は簡単には変えられないので注意を。名前が決まったら、家族で最終チェックをしてみてください。(文・たまごクラブ編集部)
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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