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コンドームは避妊用ではない!?宋美玄先生に聞く”ママに最適な避妊方法”とは?

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Oko_SwanOmurphy/gettyimages

1年間で6万2641件。これは平成29年度の30代の人工妊娠中絶件数です(※1)。
実は、妊婦の年代別人工妊娠中絶件数は20代の約7万件がもっとも多く、次いで30代、40代となっています。背景にある避妊方法に対する誤解について、産婦人科医の宋美玄先生に聞きました。

※1 厚労省「平成29年度衛生行政報告例」より。

生み終えた…と思ったあとの予期せぬ妊娠は「あるある」

――先生が診察する中でも、30代の中絶希望者は多いですか?

「中絶と聞くと、10代の子のイメージを抱く人も多いかもしれません。でも20代・30代の妊娠適齢期の人工中絶件数が多いのは自然ですし、30代の中絶は珍しいことではありません。

中絶を選択する人は、性生活が奔放な人というわけでもなく、ごく普通の人ですよ。出生前診断の普及によって件数が多くなっていると誤解する人もいますが、出生前診断の結果を受けて中絶を選ぶ人の実数は、ごくわずか。30代の中絶で典型的なのは、すでにお子さんがいて、これ以上妊娠を望まないのに、予期せぬ妊娠をしたというケースです。

もちろんそれぞれ事情がありますが、『すでに子どもが2人いて、3人目は大学に行かせるだけの経済力がない』という理由で中絶を選ぶのは、育児に大きな経済力が必要な日本ならではだと思います」

――それらのケースは、きちんと避妊していなかったということなのでしょうか?

「日本ではコンドームでの避妊が8割以上と高いですが、そもそも私たち産婦人科医の間では、コンドームは避妊に使うものというよりも、性感染症予防のための意味合いが強いんです。そのぐらい、コンドームによる避妊の失敗率は高いです(※2)。

また、いわゆる『外出し』(=膣外射精)で数年間妊娠しなかったのに、今回に限って妊娠したという人も多いです。それは今までが偶然だっただけ。産婦人科医は『外出し』を避妊法とは呼びません。年単位で子どもを望まないなら、コンドームだけではなく、ピルやリングなど、より確実な避妊方法を選ぶべきです」

※2:参考/さまざまな避妊法

「産む・産まない」を男女とも自分の意思で決められるように

――失敗率が高いのにコンドームでの避妊が多いのは、なぜでしょうか?

「第一に、日本では低用量ピルの認可が遅く、昔の中用量ピルしかなかったころの『太る・むくむ』などの副作用のイメージがつきまとい、敬遠されがち。どんな薬も作用と副作用はあってそれを比較検討するものなのに、ピルだけ特別視されているんです。

でも、今のピルの副作用は一時的なものがほとんどで、太るなんてことはないです。私が仕事で出会うモデルさんたちも、飲んでいる人が多いです。

第二に日本では『リプロダクティブヘルス ライツ』(自分の健康を自分で管理する、子どもを産むのかどうか、いつ産むのかなど妊娠出産に関することを自分自身で決める権利)の意識がとても薄いですよね。コンドームは男性任せの避妊方法で、なぜか『女性のための気づかい』という扱いです。

本来、男性自身も子どもを望まない、性感染症を防ぐなどの目的で、自分のためにつけるものではないでしょうか。女性が主体的に避妊できるピルにしても、『PMS(月経前症候群)のためです』と言わないと、あばずれ扱いする人がいる。別に避妊目的であっても全然問題ないはずなのに、女性に言い訳をさせている風潮はおかしいですよね」

妊娠・出産を望まないなら月経は病気のリスクを増やす

――先生は子宮内避妊リング「ミレーナ」を使っていることを公言されていますね。

「月経や妊娠をコントロールすることに抵抗がある人がいますが、妊娠を希望しないときには、月経や排卵は必要ないもの。しかも月経血の逆流によって、婦人科系の病気のリスクが上がります。

ミレーナを使えば、黄体ホルモンの影響で子宮内膜が徐々に薄くなっていくので、月経血はほとんど出ません。ピルのように毎日飲み続ける必要もないうえに、5年間高い避妊率を保ちます。

私は子どもの数を2人と決めていたので、第二子出産後、生理が再開する前にミレーナを入れました。月経血が出なくなったので、子どもたちとのおふろもとても快適ですよ。もう子どもを望まない・数年単位で避妊したい場合には、ミレーナはおすすめです」

――「ミレーナ」は保険診療でも扱われています。

「はい。過多月経と月経困難症に対しては保険診療扱いになるので、費用は1万円前後です。避妊目的の場合には自費診療になりますが、望まない妊娠をするぐらいなら使ってほしいですよね。挿入は婦人科の内診台ですぐに入れられて、もちろん日帰り。最初の1~2カ月は不正出血があることが多いですが、怖いものではありません。取り出すのも内診台でできて、抜いたあとは再び妊娠することもできます。経産婦でなくても入れられます」

――一方で、ピルをおすすめするのはどんなケースでしょうか?

「ミレーナは、PMSにはあまり効果がないと言われているので、生理前後につらい症状がある人はピルのほうが向いています。ピルには黄体ホルモン単剤のミニピルなど、さまざまな種類があります。飲むのをやめれば、すぐに排卵し始めるので、短期間避妊をしたい人は、個々のライフスタイルに合ったピルを選ぶといいでしょう」

実は私、編集Yも第二子出産後からミレーナを使用中です。生理がほとんどなく、旅行の日程調整やワンオペおふろもとってもラク。生理が遅れてひやりということもありません。皆さんのまわりでも、「予期せぬ3人目(2人目)」という話、よく聞きませんか?せっかく授かった命。心から喜ぶためにも、コンドームだけで避妊をしているママ・パパは、今一度避妊方法について考えてみてはいかがでしょうか?(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■プロフィール:宋美玄先生
産婦人科医。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2017年丸の内の森レディースクリニックを開院。6才の女の子と3才の男の子のママ。産婦人科医として女性の性、妊娠などについて啓発活動を行っているほか、コメンテーターとしても活躍中。

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