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パパしかできない! 2~3歳児との体を使った遊び

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LightFieldStudios/gettyimages

走り回ったり飛び跳ねたり、子どもが活発に体を動かすようになったらパパの腕の見せ所! 自慢の(?)体力を生かして、パパしかできない遊びをしてあげましょう。どんな遊び方がいいのか。3男の父親であり保育士のキャリアも持つ大阪教育大学教育学部准教授(家政教育講座)の小﨑恭弘先生に、今日からできる、パパと2~3歳の子の体を使った遊びを教えてもらいました。

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ダイナミックな遊びはパパにおまかせ!

――パパが子どもと遊ぶときに意識しておくといいことはありますか?

小﨑先生:「遊ぶ」という行為は、単にその時間を楽しんで終わるものではありません。遊びは人生の縮図のようなもので、その中から自然に学べることがたくさんあります。たとえば積み木は何回失敗してもいい遊び。「失敗したら工夫してまたチャレンジすればいい」ということを教えてくれます。反対に、絶対に失敗できない遊びの代表例が木登りです。木登りをするときの子どもは絶対落ちないように、慎重に登る、自分の体をしっかり支える、といった作戦を練っています。このように子どもたちは遊びの経験からさまざまな学びを得ているので、多様な遊びや活動をするほど、いろんなことが豊かに育ちやすいと言えるでしょう。

――ということは、パパはなるべくママとかぶらないような遊びをしてあげたほうがいいですね。

小﨑先生:そうですね。たとえばお馬さんごっこや肩車のようなダイナミックな遊びは、ママは苦手なことが多いと思います。そうした遊びをパパが積極的にしてあげると、子どもの経験の幅が広がります。お馬さんごっこや肩車は、子どものバランス感覚を養ってくれるメリットもあるのでおすすめです。また肩車には、普段より高い場所からまわりを見るという「視点のチェンジ」を経験させることもできます。肩車をしてもらったことがない子は、視点の高さをチェンジする経験が乏しいため、少しくらい高い場所でも怖がりやすい傾向があります。僕が保育士として見ている範囲だと、最近は5歳くらいの子でも、数十センチの高さから飛び降りられないということが増えています。

――ただ最近は、なるべく危険な遊びをさせないようにする傾向があると思います。外でアグレッシブな遊びをさせていると、周囲の目も気になります。

小﨑先生:たしかに、危ない遊びをさせない傾向はあります。僕は子どものけがやトラブルについてのリスクマネジメントの研究もしていますが、ある自治体で医療費が5000円以上かかった子どものけがについて調べてみると、およそ7割が首より上のけがだったんです。子どもが転んだときに、上手に手が出ていないからではないかと考えられます。体を使った活動や遊びが減っているため、転ぶのが下手な子どもがとても増えているように思います。

――小さいころの経験がとても大事なんですね。

小﨑先生:身体の成長をグラフで示した「スキャモンの発達曲線」によると、子どもの神経系は4~5歳ごろに80%出来上がります。つまり、小さいときにどれだけ体を使った遊びをしたかということがとても大事。長い距離を歩く、走る、ということが基本なので、まずは一緒にお散歩したり、かけっこしたりするといいでしょうね。最近はちょっとした移動でも自動車や自転車を使う親が多いと思いますが、なるべく一緒に歩いたほうがいいと思います。

――パパが疲れていて子どもと遊ぶ体力が残っていないときはどうすれば…?

小﨑先生:取りあえず、4~5歳ごろまでが勝負だと思って頑張ってみてください。先ほども言いましたように、この年齢までの過ごし方が、子どもの人生に大きく影響しますので。今後の数年間で幼稚園から高校までの指導要領が大きく変わり、偏差値では測れない非認知能力が重視されるようになります。非認知能力というのは、たとえば粘り強さや、人と仲よくやっていく力、物事に対する真剣な姿勢など、数字で測りにくい能力です。こうした非認知能力は、小学校入学までにグングン伸びます。この非認知能力をしっかり育ててあげると、豊かな人生を歩んでいけると思います。「もう少し大きくなって、ちゃんと遊べるようになったら遊ぼう」というパパもいますが、そんなことを言っている間に子どもはどんどん大きくなります。「遊ぶ」ということの価値を低く見ているパパもいるかもしれませんが、子どもにとっては、遊ぶことこそ人生のすべて。子どもは遊ぶことで成長するのです。

――まずは4~5歳ごろまで頑張ってみることが大事なんですね。その後は?

小﨑先生:10歳までは子どもとの遊びに力を入れてあげるといいと思います。10歳以上になると、子どもも自分で勉強していかなければなりませんので。ただ、「何歳まで頑張ったらいいの?」と言われる子どもはつらいですよ(笑)。10歳になると子どもから「遊ぼう」とは言ってくれないので、子どもの幼少期をパパも大切にしたほうがいいと思います。僕も今は子どもが3人とも大きくなって家を出て、夫婦2人暮らしですが、「あー、懐かしいなー」と思い出に浸りながら、「なんでもっと遊んであげなかったんやろう」、「なんであのとき抱っこしてあげなかったんやろう」と思うこともありますよ。

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育児休暇を取って、お子さんと接する時間の長かった小﨑先生でもそこまで思うということは、今ほとんど子どもと遊ぶ時間が取れていないパパの後悔は、もっと大きくなるかもしれません。子どもが大きくなるのはあっという間。今しかない子どもとの時間を、大切にしたいものですね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)

監修/小﨑恭弘先生
大阪教育大学教育学部教員養成課程准教授(家政教育講座)。西宮市初の男性保育士として活躍したのち、大学の准教授やNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の顧問として活動中。3男の父。

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