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悪化しやすいので要注意!赤ちゃんの“呼吸器”と“のど”6つの病気を小児科医が解説

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robertmandel/gettyimages

赤ちゃんの呼吸器の病気は悪化しやすいので注意が必要です。せきがひどい、呼吸の様子がおかしいなどの様子が見られたら、早めの受診がおすすめです。赤ちゃんに起こりやすい代表的な6つの病気について、小児科医の山中龍宏先生に解説していただきました。

気管支に炎症が起こり激しいせきが出る【気管支炎と気管支ぜんそく】

呼吸器の粘膜にウイルスや細菌がついて、気管支に炎症を引き起こします。主な症状は高熱やせきなどです。日中に症状が軽くなっても、夜間にひどくなることも多いので要注意。

38度以上の高熱と激しいせきが特徴【急性気管支炎】

急性気管支炎(きゅうせいきかんしえん)は、気管支にウイルスや細菌、マイコプラズマがついて起こります。多くは風邪の症状がこじれて、呼吸器の奥まで炎症が広がって気管支炎になります。38度以上の高熱と、たんが絡んだような激しいせきが特徴です。ひどくなるとゼーゼーと苦しそうな呼吸になり、吐くこともあります。細菌が原因のときは抗菌薬を、ウイルスのときは解熱鎮痛薬や去痰薬を使います。せきがひどいときは、気管支を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬や吸入の薬が処方されます。

ゼーゼーという呼吸音が特徴【ぜんそく性(様)気管支炎】

ぜんそくのようなゼーゼーとした呼吸をする病気。風邪が長引いたときに起こりやすくなります。のちに、ぜんそくと診断されることもありますが、成長とともに気管支が太くなっていくと起こりにくくなります。呼吸が苦しそうだったり、せきがひどいときは気管支拡張薬や吸入の薬を使います。細菌感染が疑われる場合は抗菌薬も処方されます。呼吸が速い、せきがひどい、ゼーゼーと苦しそう、おっぱいやミルクを飲む力が落ちているなどの場合は、入院して治療することもあります。

ぜんそくのような音が聞こえる【急性細気管支炎】

急性細気管支炎(きゅうせいさいきかんしえん)は、肺の奥の枝分かれした細い気道を中心に、RSウイルスなどのウイルスが原因で炎症を起こします。最初は風邪症候群に似た症状ですが、鼻水と湿ったせきが特徴で、ゼーゼー、ヒューヒュー、ゴロゴロとぜんそくのような音が、のどや胸から聞こえてきます。サラサラとしたたんが、しだいに粘りけのあるものに変わり、量も増えてきます。解熱鎮痛薬や去痰薬で症状を和らげて治療しますが、この病気は症状が急変することもあります。おっぱいやミルクを十分に飲めない、呼吸のたびに鼻がピクピクして苦しそう、陥没呼吸をするなど、いつもと違う様子が見られたら、呼吸困難の疑いがあるので、至急受診を。とくに3カ月以下の低出生体重児は重症化しやすいので、注意してください。呼吸困難が進むと、入院して酸素吸入や人工呼吸器などで対処します。

まだある!のど、気管、気管支に炎症が起きる病気

気管支炎、気管支ぜんそく以外にも、赤ちゃんがかかりやすい病気があります。代表的な病気とその症状を、引き続き山中先生に解説していただきました。

犬の遠ぼえのようなせきが特徴【クループ症候群】

クループ症候群は、喉頭(こうとう)や気管にウイルスや細菌がつき、炎症が起きて空気の通り道をふさいでしまう病気。冬にかかりやすく、最初は発熱、せきなど風邪と似た症状ですが、徐々に声がうまく出せなくなり、かすれてきます。犬の遠ぼえのような「ケーン、ケーン」という甲高いせき、オットセイの鳴き声のようなせきが特徴です。重症化すると肋骨の間がへこむ陥没呼吸をしたり、呼吸困難になったり、窒息を起こす恐れもあります。この病気は急に悪化することがあり、夜中に急変することが多いので、特有のせきが出たら夜間でも受診しましょう。呼吸困難があれば、入院する場合もあります。

ウイルスや細菌が原因でのどに炎症が起きる【急性咽頭炎・急性扁桃炎】

のどの奥にある口蓋扁桃は、体内に入り込もうとするウイルスや細菌などを防ぐ役割をしていますが、抵抗力が弱まっているときは、その働きができず激しい炎症を引き起こします。急性咽頭炎・急性扁桃炎(きゅうせいいんとうえん・きゅうせいへんとうえん)の原因は、アデノウイルス、コクサッキーウイルスなど。発熱、鼻水などの症状が見られ、のどの奥が腫(は)れて息を吸い込みにくくなり、激しいせきが出ます。のどの炎症がひどいときは、首やあごの下のリンパ節も腫れます。治療には解熱鎮痛薬が処方されますが、細菌感染が疑われる場合は抗菌薬を使うこともあります。

息をするのが苦しくなるほどの発作がある 【気管支ぜんそく】

気管支ぜんそくは、気管支が慢性的な炎症を起こし、過敏になっている状態です。発作は夜中から明け方にかけて起こることが多く、気管支が狭くなり、ゼーゼー、ヒューヒューと音がして、息をするのが苦しくなります。軽症だとせき込む程度ですが、ひどくなると呼吸時に肩を上下させて、夜も眠れなくなります。慢性的な炎症の原因の一つにハウスダストがあります。発作が起きたときは、軽いうちに薬を吸入したり、飲ませたりして落ち着かせます。発作を繰り返す場合は、予防薬の吸入や服用で発作が起きないようにします。

細菌やウイルスにより肺が炎症を起こす【肺炎】は3タイプある

肺炎は、細菌やウイルスが肺に入り込んで起こる病気です。鼻や口、のどなど上気道(じょうきどう)の炎症から始まります。

発熱とせきが特徴で呼吸困難などの恐れもある【細菌性肺炎】

細菌性肺炎(さいきんせいはいえん)は、肺炎球菌(はいえんきゅうきん)、インフルエンザ桿菌(かんきん)、黄色(おうしょく)ブドウ球菌などが原因。発熱とせきが特徴で、呼吸困難やチアノーゼを起こすこともあります。ぐったりしたり、呼びかけても反応がない場合は、一刻も早く受診しましょう。入院治療となり、細菌に対応した抗菌薬を投与して、水分がとれないときは点滴をします。必要に応じて、酸素投与を行うこともあります。

肺炎の中で発症者が最も多い【ウイルス性肺炎】

ウイルス性肺炎は、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどが原因。肺炎の中でも最もかかることが多いものです。発熱とせきが出ますが、多くは細菌性肺炎よりも軽い症状です。元気があり、水分がとれていれば、通院して治療します。細菌感染も合併していると思われる場合は、抗菌薬が処方されることもあります。

微生物が発症原因【マイコブラズマ肺炎・クラミジア肺炎】

マイコプラズマという微生物が原因のマイコブラズマ肺炎は、激しいせきが特徴で、38~39度の熱が続きます。熱が下がっても、せきが続くことがあります。元気があり、水分がとれていれば通院で治療し、抗菌薬を内服します。
発症の原因がクラミジアという微生物のクラミジア肺炎は、高熱は出ませんが、おっぱい・ミルクが飲めないほど激しいせきが出ます。元気があり、水分がとれていれば通院で治療し、抗菌薬を内服します。

関連:[予防接種]流行してからじゃ遅い!インフルエンザワクチン接種の注意点を小児科医が解説

呼吸器やのどの病気は、治療とおうちケアで乗りきるしかありませんね。赤ちゃんの具合は急に悪くなることがあります。注意深く観察し、万が一の異変が起こったら、夜間でも救急外来に行けるように準備しておくと安心でしょう。(文・ひよこクラブ編集部)

■監修:緑園こどもクリニック 院長 山中龍宏先生
1974年東京大学医学部卒業。同小児科講師、焼津市立総合病院小児科科長、こどもの城小児保健部長を経て99年から現職。日本小児保健協会 傷害予防教育検討会委員長、NPO法人Safe Kids Japan代表など。 

■参考:「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)

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