乳児用液体ミルクがいよいよ発売に!? 発売日は? 価格は?
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粉ミルクのように調乳の手間がなく、開封後すぐに授乳できる「乳児用液体ミルク」(以下、液体ミルク)を知っていますか? 2018年夏、国内での製造・販売が法改正により可能になり、店頭に並ぶ日も近いようです。液体ミルクと粉ミルクの違いは? メリットやデメリットは? などの気になることを、国内での乳児用液体ミルクの製造・販売を求める活動を続けてきた、乳児用液体ミルク研究会の代表理事である末永恵理さんにお話を聞きました。
Q.乳児用液体ミルクって何?
A.開封すればすぐ赤ちゃんに
飲ませることができる育児用ミルクです!
「赤ちゃんにとっては母乳が最良ですが、母乳が与えられないときは、母乳の代用品である育児用ミルクを飲ませることがあります。現在、販売されている育児用ミルクは、一般的に『粉ミルク』と呼ばれる粉やキューブタイプのもの。70度以上のお湯で調乳し、人肌に冷ましてから飲ませます。
一方、乳児用液体ミルク(以下、液体ミルク)は、開封するだけですぐに与えられるのが最大のメリット。お湯を用意する必要がなく、冷ます手間もいりません。そのため、夜間の授乳やお出かけ時に重宝するといわれています。栄養価は粉ミルクと同等なので、液体ミルクでも赤ちゃんに必要な栄養素をしっかりとることができます」(末永さん・「」以下同)
液体ミルクは粉ミルクと、どう違うか比較!
粉ミルクと液体ミルクはどんなところが違うのか、比較してみました。
*画像クリックで拡大
栄養価はほとんど同じなので、保存期間や利便性、価格などを見て、シーンで使い分けるのもいいかもしれません。
Q.なぜ国内で製造・販売されていなかったの?
A.液体ミルクを製造・販売するための
法律の整備が必要だったから
「粉ミルクは法律によって規格が定められていて、品質がきちんと保たれていますが、液体ミルクに対しての法律はありませんでした。2011年の東日本大震災、16年の熊本地震で液体ミルクが救援物資として寄贈され、液体ミルクの販売許可を求める署名活動や国の男性の育児参加などの政策も追い風となり、18年8月に液体ミルクの規格基準が定められ、ついに国内での製造・販売が可能になりました」
Q.国内での発売はいつごろになるの?
A.日本初の液体ミルクは
今春に発売される見通し
「厚生労働省の許可を得て、粉ミルクを国内で製造・販売しているのは現在6社。液体ミルクの製造・販売が可能になったのが2018年8月なので、店頭に液体ミルクが並ぶにはまだまだ時間がかかると思われていました。そんな矢先、江崎グリコが液体ミルクの開発に成功し、今春が発売予定であることを発表。私たちの手に届くまで、あともう少し。防災用の備蓄品としても注目されています」
赤ちゃんに飲ませる乳児用ミルクは、安全が第一。液体ミルクを便利に使うことと同時に、安全に使うための知識も持ち合わせたいもの。飲み残しは捨てる、開封して時間がたったものは与えないなど、メーカーが推奨する使い方を確認しておきましょう。それは粉ミルクも同様。授乳の選択肢が増えるのはうれしいこと。賢く選びたいですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
『ひよこクラブ』2019年2月号では、粉ミルクメーカー5社の液体ミルクへの取り組みも紹介しています。
Profile●末永恵理さん
(乳児用液体ミルク研究会 代表理事)
国内での乳児用液体ミルク販売許可を求め、2014年11月にオンラインでの署名活動を開始。15年に乳児用液体ミルクを研究する団体を立ち上げる。1 児のママ。
【お詫びと訂正】
『ひよこクラブ』2019年2月号の連載子育てトピックス「乳児用液体ミルクのこと」(P20/ P21)記事内の粉ミルクの開封後の保存期間の記述が間違っていました。
(誤)開封後1年以内
(正)開封後1カ月以内
ここに、お詫びして訂正いたします。