なんだか子どもに元気がない…考えられる原因は?
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小さなお子さまをもつママにとって「子供に元気がなく、いつもとなんとなく様子が違う」のはたいへん心配です。またお子さまの元気のない原因が、病気からくるのか、心の問題なのかの判断はとても難しいものです。
メンタルヘルスからくる心の問題が原因だとしたら対応の仕方によっては、余計にお子さまがふさぎ込んでしまうことがあります。メンタルトレーナーのタニカワ 久美子さんにお子さまの元気がない原因の探り方を教えてもらいました。
タニカワ久美子
メンタルヘルスコンサルテイィング講師・学校法人食糧学院講師
(株)けんこう総研代表取締役 管理栄養士
『職場のメンタルヘルスケア~ストレス対処における運動・栄養・休養』講談社
元気がないのはどんな時?
ご家庭内で「朝なかなか起きられない」「食欲がない」「登園前に頭やおなかが痛いと泣く」「家で寝転んでいる」「物にあたる」「ママの問いかけに無言」といった様子が見られるケースが見られたことはありませんか。
特に、睡眠や食事、昼の言動が少しでも変わった様子がないかどうか、お子さまの様子をよく観察しましょう。
メンタルヘルスからくるものであった場合なら、ご家庭でできるちょっとした工夫と気遣いでお子さまの心の健康を取り戻してあげましょう。
身体の異変からくる元気がないサイン
最初にお子さまの身体に異変がないかを調べることが大切です。1つでもいつもと違った点がみつかったらすぐに小児科を受診してください。
<身体の異常チェック>
1.熱はありますか?
2.泣くことが増えていませんか?
3.食欲はありますか?
次に日常生活からくるご家庭での言動をよく観察してみましょう。
<日常生活からくる異常チェック>
1.夜中によく起きる
2.おねしょが増えた
3.昼間、横になってゴロゴロしている
4.無口になった
日常生活からくる異常チェックだけでは、病気からくるものなのか、心の問題なのか判断することは難しいです。次の<心の異常チェック>と併せて判断をしてください。
心の異変からくる元気がないサイン
<心の異変チェック>
1.ぐずる
2.いつもより甘える
3.ぼんやりしている
4.うつむいてる
原因が心の健康からくるのか、身体が病気などで弱っているのかどちらか判らない時はママ一人で考え込まないで、迷わず医師に診せることをおすすめします。
「うちの子はまだ小さいから」とメンタルヘルスの不調なんて無縁と思っていませんか?お子さまは、大人が思う以上に小さな体で毎日頑張って生活しています。特に乳幼児のお子さまは、夢中になると疲れが頂点になるまで頑張ってしまうものです。大人のように“先を見越して加減する”ことができません。それゆえに心身の不調が出て元気がなくなる時があります。
お子さまの元気をつくるママからの働きかけ
体を動かすことで脳を刺激させて神経に働きかけ、メンタルヘルス(心の健康)を整えることができます。体を動かすことと言っても運動とは限りません。お子さまの成長段階に応じて、内容や方法を変えてママからお子さまのメンタルヘルスに働きかけてあげましょう。
乳幼児期の元気な心と体づくりには、お子さまと触れ合い体を動かす時間をつくることがとても大切です。
乳児のメンタルヘルスケアのポイント
0歳から3歳までのお子さまにとっては、ライフスタイルの中でお子さまの体のふれあい時間が多いほど、お子さまの脳は刺激を受けて心の健康度をアップさせます。
お子さまを抱きしめたり、背中をさすったりもお子さまにとっては立派な運動となります。ママのひざの上に乗せるだけでも良いのです。お風呂で体を洗ってあげたり、マッサージをしたりすることもおすすめです。生活スタイルを工夫してあげましょう。
このようなママとのスキンシップは、乳児にとって体を動かす運動と同様の効果をもたらしてくれます。
幼児のメンタルヘルスケアのポイント
体だけでなく脳神経の発育にとって幼児期の運動は、メンタルヘルスにもたいへん重要なポイントです。けれども4歳頃から小学校低学年のお子さまにお外やスポーツクラブで運動をするように促しても、体を動かすことが苦手なお子さまにとっては苦行でしかありません。遊び友達や遊び場所が減ってきている今、ママのライフスタイルが幼児時期のお子さまにとって重要となります。運動をするように仕向けるのではなく、お子さまと一緒に体を動かせる生活習慣をつくってあげましょう。例えば、庭の水まきやお風呂掃除のお手伝いといった体をつかって行うお手伝いをお子さまに頼みます。お手伝いをすることで、脳と体の活動量が増えるので元気がなくなったり情緒不安定になったりすることを減らすことができメンタルヘルスを養います。
身体の病気でもないのに元気がないお子さまのメンタルヘルスケアには、お子さまの体を動かす機会をふだんの生活の中で積極的につくってあげましょう。
お子さまが自発的に動けるような環境づくりです。そしてお子さまが上手にできたらたくさん褒めてあげましょう。お子さまの元気がないメンタルヘルスの不調には、ママを含めた周囲の人達の子供の体を動かせる環境づくりによって好転していきます。お手伝いは脳と体の運動ととらえて、お子さまの心身の健康をサポートしていきましょう。