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子どもに“カッ”となったときにトライ!怒り・イライラのコントロール法

更新

Nadezhda1906/gettyimages

グズグズ、イヤイヤする子どもについ“カッ”となってしまう経験、親なら誰しもあると思います。しかしその怒りをそのまま子どもにぶつけるわけにはいきません。もしも“カッ”となってしまったら、どうすればいいのか。そして、それを未然に防ぐには、どんなことを心がければいいのか。日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんに、「簡単にできる10のイライラコントロール法」を教えてもらいました。

関連:【1~2歳】公共の場で走る、騒ぐ!外での子どものしかり方「こうすればうまくいく!」

もしも“カッ”となってしまったら試してもらいたい5つの方法

もしも実際に“カッ”となってしまったら…。まずは、そのときの対処法からご紹介します。即効性のあるものから順に並べているので、怒りのコントロールが難しい場合は【1】~【5】まで順番に試してみるといいでしょう。


【1】怒る前に6秒数える

人間の怒りのピークが続くのは、怒りを感じてからの6秒間。カッとなったらその怒りをすぐに表に出すのではなく、心の中で6秒数えてみましょう。少し冷静に考えられるようになるので、感情任せに怒るということがなくなります。


【2】怒りをしずめる呪文(じゅもん)をとなえる

怒りの気持ちがわいてきたら、心の中で「こんなのたいしたことない」「大丈夫」ととなえてみましょう。この“呪文(じゅもん)”を繰り返しとなえるうちに、気持ちが落ち着いたり、出来事を客観視できるようになったりします。


【3】怒りを感じたら深呼吸する

怒っているときというのは、全身に力が入るために、心臓はドキドキ、呼吸は浅くなりがちです。怒りを感じたら深呼吸してみましょう。心身ともにリラックスすることで、感情的に怒りをぶつけることがなくなります。


【4】子どもの気持ちを考えてみる

イヤイヤ、グズグズしているときの子どもには、「自分の気持ちをわかってほしい」という気持ちが隠れていることがあります。表情や行動から子どもの気持ちを考えて「おなかすいた?」「おしっこかな?」と声がけをしてみましょう。すると子どもは、「自分のことをわかろうとしてくれている」と思って、安心しやすくなります。


【5】子どもに声をかけて少しその場を離れる

強い怒りを感じたら、いったんその場所から離れるというのも効果的。子どもから少し離れることで、自分の怒りと冷静に向き合えます。その際、「ちょっとトイレに行ってくるね」など子どもに声がけすることも忘れずに。ただし、子どもを1人きりにする際は、おうちの中に危険なところはないか確認してからに。外出先で離れるのは危険なのでやめましょう。

イライラを未然に防ぐための5つの方法

【6】~【10】は、イライラを未然に防ぐために、同じイライラを繰り返さないために、日ごろから心がけておくことなどをまとめています。今できていないものがあれば、順番に関係なく実践してみてください。

【6】自分の怒りを記録する

怒りを感じたら、なるべく早くそのときの怒りをノートやスマホに記録してみましょう。怒りの度合いを点数化することで、自分を客観視できて、怒りにのみこまれることも減ります。

(怒りの点数化の例)
1点…違和感や不快感がある
2点…少しイラッとしている、不愉快になっている
3点…怒りを前面に出すほどではないが、相当イライラしている
4点…自分をギリギリコントロールできている状態。爆発寸前の怒り
5点…震えるほどの怒り。爆発してしまうほどの怒り


【7】「しかること」「しからないこと」を決める

親の機嫌で、「しかること」「しからないこと」の基準を変えてしまうと、子どもはそのうち、親の顔色をうかがうようになってしまいます。善悪の分別がつかなくなることもあるので、「ここからはしかる」「ここまではしからない」といった境界線をつくりましょう。


【8】ワンパターンな怒り方を変える

人の怒り方というのは、実はワンパターン。冷静さを失っているので、いつも同じ怒り方になってしまっているのです。自分が怒ったときにどんな言動、行動をするのか記録しておき、カッとなったときに普段とは違う対応を取るようにしてみてください。


【9】出来事への考え方を変える

目の前の出来事に対して、違う考え方をしてみましょう。たとえば公園で遊んでいて子どもが帰ろうとしないときは、「言うことを聞かないな」と考えるのではなく、「楽しんでいるしもう少し遊ばせようか」と前向きな意味づけをしてみましょう。


【10】「こうあるべき」という理想を押しつけない

「食事を食べるときは座って食べるべき」など、親は子どもに対して「こうあるべき」という理想を持っています。子どもの行動や言動を「①理想通り」「②理想ではないが、まあ許せる」「③絶対許せない」の3段階に分けたときに、子どもに理想を押しつけている人は、②まで怒っていることが多いのではないでしょうか? ③のケースだけ怒るようにしましょう。

関連:そのイライラ・怒りを上手にコントロール!”後悔しない叱り方”とは?

人間だから、怒りの感情をなくすことは不可能です。しかし、ちょっとの工夫で、それをコントロールすることはできます。今回紹介した方法は、どれも心がけ一つで簡単にできること。子どもはまだ自分の感情をコントロールすることができません。親自身が自分の感情をコントロールしながら、なるべくストレスの少ない毎日を過ごしたいですね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)


監修/安藤俊介さん
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。怒りの感情と上手につき合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者として、講演や企業研修、メディア出演など、幅広く活動している。著書に『「怒り」を上手にコントロールする技術 アンガーマネジメント実践講座』(PHP研究所)など。

参考/1才2才のひよこクラブ2018年冬春号「アンガーマネジメントでイライラしない親になる!!」より

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