【医師監修】他人事とは言えない…赤ちゃんの泌尿器・腸の病気[尿路感染症・鼠径ヘルニア]小児科医が解説

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「うちの子は関係ないかな」と思いがちな尿路感染症(にょうろかんせんしょう)と鼠径(そけい)ヘルニアという病気。でも、赤ちゃんに多い病気のようです。どんな病気で、治療はどうするのかなど、正しい情報を知っておいて損はありません。いざというときに、きちんと対応できるように、小児科医の山中龍宏先生に教えていただきました。
【記事監修】
緑園こどもクリニック 院長

Profile
1974年東京大学医学部卒業。同小児科講師、焼津市立総合病院小児科科長、こどもの城小児保健部長を経て99年から現職。NPO法人Safe Kids Japan理事長など。
参照/Safe Kids Japanホームページ、『事故防止ハンドブック』(消費者庁)
38度以上の熱が出る、尿路感染症とは?
「尿は腎臓でつくられ、尿路を通っておしっこの出口(尿道口)から体外へ。尿路とは、腎臓から尿道口までの尿の通り道のことです。この尿路が細菌感染して炎症すると尿路感染症が起こります。
具体的にはどんな症状が起こる?
「細菌感染した部位によって膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂腎炎(じんうじえん)などと呼ばれますが、乳幼児の場合は区別できない場合が多くあります。風邪症候群に似た症状がなく、38度以上の熱が出た場合は、この病気を疑います」
治療はどうする?
「治療は入院が原則です。水分と抗菌薬の点滴で尿量を増やして、細菌がなくなるまで治療を続けます。症状が改善したら、検査を行い、生まれつきの尿路の問題がないかを調べます」
男の子に多い、鼠径ヘルニアとはどんな病気?
「小腸が鼠径部にはみ出す、いわゆる脱腸のこと。男の子に多く、小腸が陰囊(いんのう)に入り込んでしまうことも。女の子は卵巣が下がることもあります」
どんな治療をする?
「鼠径部のふくらみに気づいたらすぐに受診し、小腸を元の位置に戻してもらいましょう。症状が出るたびに戻せば、治ることもありますが、手術をして治療することも少なくありません。ごくまれに、腸閉塞(ちょうへいそく)を起こすこともあるので注意が必要です」
毎日のお世話で、赤ちゃんの状態をきちんと観察する習慣をつけておくと、「いつもと違う」様子に気づきやすいですね。万が一、発症してしまっても、早期発見・早期治療はとても大事! 普段から、赤ちゃんの様子をよく見てあげて。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
初回公開日 2019/02/24
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