子どもが音痴かも?子どもの歌がうまくなる方法を伝授!
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無邪気な子どもの歌声は癒されますよね!この間まで「ママ」「パパ」がやっと言える程度だった我が子も歌えるようになったきたけれど、「あれ?なんか調子が外れてる?」。うちの子どもは「音痴」なのかもしれないと感じていませんか?今回、子どもが音痴の理由と子どもの歌が上手になる方法について、音楽講師・音楽療法士の富山美由紀さんに教えていただきました。
富山 美由紀(とみやま みゆき)
音楽教室「ミュージック・コア・ミユキ」主宰。日本音楽療法学会認定音楽療法士、同学会関東支部幹事、身延山大学特任講師。2017年に日本で初めて開催された第15回世界音楽療法大会において研究発表を行った。
もそも「音痴」ってどういうこと?
「音痴」について辞書を調べてみると、次のように書かれています。
1.生理的欠陥によって正しい音の認識と発声のできないこと。
2.音程や調子が外れて歌を正確に歌えないこと。
3.あることに関して感覚が鈍いこと。また、その人。例「方向音痴」など
引用:デジタル大辞泉(小学館)
1にあたる「生理的欠陥」とは、耳が聞こえないので音程がわからないとか、声帯や腹筋などに欠陥があって一定の音程が出せないとかのことですが、いわゆる「音痴」は2を指します。「音程が外れる」とは音の高低が違うこと、つまり実際の音と出している声の高さが違う場合ですね。「調子」も本来は同じく音の高さを言いますが、ここではリズムや長さのことを指しているようです。カラオケの伴奏に合わなくて、ズレてしまうような感じでしょう。
子供のうちはみんな音痴
調子の外れた子どもの歌を聞いて「うちの子どもは、音痴?」と、あわててしまったあなた、安心してください。子供のうちはみんな音痴で当たり前なんです。
そもそも子どもは、声帯やそのまわりの筋肉が未発達なので、細かな音の高さの違いをコントロールすることが難しいのです。良い声を出すために必要な腹筋や背筋もまだまだ弱く、安定した良い姿勢がとれないため、声も不安定になりがちです。
また、興奮すると甲高く大きな声になり「もっと小さな声でお話して!」と言ってしまうときもあるでしょうが、本人は大きな声や高い声を出しているという自覚はほとんどなく、肺の機能も未発達であるため、息のコントロールもうまくできません。
それでも、同じ月齢にもかかわらず歌の上手な子どもと、そうでもない子どもがいます。その違いはいったいどこにあるのでしょうか?
幼児期に歌がうまくなる方法
大人でも、自分が音痴だと思っている人、周りから音痴と言われる人には共通点がいくつかあります。
A.両親があまり音楽に興味がなく(または音楽が嫌いで)、小さい頃から音楽を聴いたり歌ったりすることが少なかった。
B.普段から口数が少なく、大きな声を出すことがない。
C.どこかで歌ったときに「音痴だ」「下手だ」などと言われ、自信をなくした(なのでカラオケでは歌わない)。
自分を音痴だと思っている方であれば、心当たりはありませんか? そしてここまで読んでいただいて、対策がちょっと見えてきたでしょうか。そう、大事なのは「経験」です!しかし、「経験」をさせるにもポイントがあります。
秘訣は「楽しく大きな声で歌う経験」を積ませること
Aの「両親があまり音楽に興味がなく(または音楽が嫌いで)、小さい頃から音楽を聴いたり歌ったりすることが少なかった」というような生活をしてきたという人は、音を聞くチャンスがあまりありません。音楽だけでなく、言語を習得するためにも「6歳までは耳の黄金期」と言われています。それまでの時期に音楽を聴く機会が少ないと、耳で音程をとらえる機能が乏しくなってしまい、音程が上手く取れなくなってしまうのです。
次にBの「普段から口数が少なく、大きな声を出すことがない」子どもは、声帯や腹筋の発達が遅れてしまいます。おしゃべりが少ないことで口の周りの筋肉も鍛えられないため、滑舌(かつぜつ)が悪くなりがちです。また小さな声でばかりお話していることで肺活量も少なくなります。無理強いは良くありませんが、大きな声で笑ったり、歌ったりできる環境をつくってあげましょう。
正しい音程で歌わせようとする前に、まずはたくさんたくさん音楽を聴かせてあげてください。そして調子がはずれていてもいいから、一緒にたくさん歌いましょう!
たくさん聴いて、たくさん歌うことを経験することで、聴覚とさまざまな部分の筋肉、身体機能が育ちます。
そして、子どもがごきげんで歌っている時には、どんなに音がはずれていようともCのように「へたねぇ」「もう歌わないで」などとは絶対に言ってはいけません。そのように言ってしまえば、子どもは深く傷つき、歌を歌おうと思わなくなってしまった結果「練習不足による音痴」になってしまいます。じゃんじゃん褒めてママも一緒に歌いましょう。「歌うって楽しい!」と感じることが大切です。楽しく歌うことで、どんどん歌が上手くなりますよ。
「音痴は遺伝する」と思っている方がいますが、そんなことはありません。「音痴」になってしまう原因は、要は練習不足による筋肉不足と聴覚の未発達。声帯も筋肉で、歌がうまくなるには腹筋や背筋も必要です。聴いたり歌うだけでなく、全身を使う運動をしたりすることでも効果が得られるでしょう。