赤ちゃん 腕・あし・首がおかしい 原因、病院へ行く前に確認すること、受診の目安やホームケア

生後0ヶ月~3歳ごろまでの赤ちゃん・子どもが「腕・あし・首がおかしい」とき、ママ・パパが何をすればいいか、を受診の前後に分けてまとめました。
また、その症状の程度によって、夜間や休日でも受診したほうがいいのか、診療時間まで待って受診すればいいのか、などの判断の目安を示しました。
腕・あし・首がおかしい原因と気をつけること
乳幼児の骨、関節、筋肉は、これから成長して運動機能を身につけていく発展途上にあります。そのため何かしらの異常があっても生理的なものが多く、大半は歩き始めるころから小学校入学ごろまでに改善されます。
ただし、中には治療や矯正が必要な病的なものもあるので注意が必要です。
先天性股関節脱臼など注意したい病気も
先天性股関節脱臼は、放置すると歩き始めが遅くなったり、片足を引きずったりすることもあるので、早期に治療する必要があります。
ひじの関節がはずれかける肘内障も時間が経過すると戻りにくくなるので、すぐに医師に戻してもらいましょう。
いつも同じ方向を向く癖がある赤ちゃんは、単なる向き癖なのか、筋性斜頸であるかの診断を受けておく必要があります。
考えられる主な病気
・先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)
・肘内障(ちゅうないしょう)
・筋性斜頸(きんせいしゃけい)
腕・あし・首がおかしいとき 受診のタイミングをチェック
【時間外でも受診】
□手を引っ張ったら、腕をだらりとさせて動かさなくなった
□急に腕をだらりとさせて痛がる(肘内障の疑いがあります)
【時間内に受診】
□股の開きが悪く、左右の脚の長さが違う
□太もものつけ根のしわの数に左右で差がある(先天性股関節脱臼の疑いがあります)
□首のつけ根にしこりがある
□いつも首を傾けている(筋性斜頸の疑いがあります)
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様子を見るときや、受診のあとのホームケア
病気ごとにホームケアや気をつけることをまとめました。
「肘内障」の場合
赤ちゃんが「肘内障」の場合、以下のことをしないように注意してください。
【×】子どもの手を強く引っ張らない

一度ひじがはずれると繰り返しやすいので、子どもを引き寄せるときなどは、手を引っ張らずに体ごと引き寄せるようにします。
【×】両手を持ってグルグル回す遊びをしない
強く腕を引っ張られることでひじがはずれることもあります。とくに肘内障を繰り返す子は、小学校入学までこのような遊びを避けます。
「先天性股関節脱臼」の場合
赤ちゃんが「先天性股関節脱臼」の場合、以下のことに注意してください。
布おむつは余裕を持たせてあてます

布おむつのときは赤ちゃんの股だけにおむつをあて、股ぐりには余裕を持たせます。布おむつを厚くあてる必要はありません。紙おむつは普通につけます。
両脚を開くように抱っこします

赤ちゃんの股に手を通し、両脚が開くように抱っこします。両脚をそろえる横抱きは避けます。スリングや抱っこひもを使うときも必ず両脚を開かせます。
下半身が自由に動かせる衣服を
腰まわりがぴったりしたスパッツ、上下がつながって脚が開きにくい洋服、おくるみで下半身をきっちりと巻くことは避けます。
ベビーチェアやチャイルドシートの確認をして
脚が開けないような幅が狭いタイプでないかを確認します。
「筋性斜頸」の場合
赤ちゃんが「筋性斜頸」の場合、以下のことを注意してください。
自然に反対のほうを見るようにします

赤ちゃんが普段向きたがる方向とは反対側を自然に向くように、好きなおもちゃを置いたり、あやしたりしましょう。
大部分は自然に治るので、無理に反対側を向かせる必要はありません。
また、マッサージをすると筋肉の組織を傷つけることもあるので、してはいけません。
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■監修:松井潔 先生
神奈川県立こども医療センター 総合診療科部長
2005年より現職。専門各科と連携しながら、総合診療科で治療に努めていらっしゃいます。
●イラスト/小西優子
▼参照:『最新!赤ちゃんの病気新百科』
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。
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