子どもが幼稚園や小学校でなじみやすくなる!? アドラー流子育てとは?
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幼稚園、小学校の入園、入学シーズン。自分の子どもが新しい環境にすぐになじめるのか、とても気になりますよね。子どもが引っ込み思案だったり、人見知りだったりすればなおのこと。「今からできることはないかな?」と情報収集しているママ・パパも多いかもしれません。そんなママ・パパにおすすめできそうなのが「アドラー流子育て」という新しい子育て方法。そのメリットが生かされれば、引っ込み思案な子どもも幼稚園や小学校になじみやすくなるといいます。『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)の著者、三宅美絵子さんにお話を聞きました。
アドラー流子育ては、子どもに自信を持たせる育児法
――まず、アドラー流子育てって、どんな子育て法なのですか?
三宅:アドラー流子育ては、いかに子どもが自分のことを好きになって、自分で考えて行動できるようになるかを大切にした子育て方法です。いわゆる「いい子」を育てる子育て法とは、少し違います。
――自分のことを好きになることが、どうしてお友だちとの共同生活にプラスをもたらすのでしょうか?
三宅:子どもは自分のことを好きになると、自己肯定感が高くなり、自信を持って行動ができるようになります。集団生活の中でも誰かの役に立とうという気持ちから行動していくので、お友だちとも上手につき合えるようになるのだと思います。
――三宅さんの著書『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』のタイトルにもあるように、アドラー流子育ては「怒らない子育て」なんですよね? 家で怒られ慣れていないと、学校の先生や友だちに怒られたときに、萎縮してしまうようなことがあるのでは?
三宅:子どもは怒られれば怒られるほど強くなるわけではありません。たくさん怒られていると、怒られないようにその場をやり過ごすことは上手になるかもしれませんが、「本当はあのとき何をすべきだったのか」ということを学ぶ機会は得られません。自分のことが好きで自分の行動に責任を持っているお子さんは、自分の間違いを認めることができます。その上で、怒られたときにも「次はどうすべきか」ということを考えることができるようになるのです。自己肯定感が育っていれば、怒られ慣れていなくても大丈夫ですよ。
――アドラー流子育てには、「比べない」というキーワードもありますよね。とはいえ、学校ではお友だちと競争していくほうが伸びるのではないですか?
三宅:競争心が自分の頑張るきっかけになるのはいいことだと思いますが、ほかの人と比べているだけでは本当に強くはなれません。もし相手がいなくなってしまったり、いつも自分がその相手に勝つようになってきたりすると、成長もそこで止まってしまいます。「自分はもっと頑張れるんだから頑張ろう」と、自分自身と競争ができるようになれば、際限なくもっと上をめざすことができます。
――確かに、まわりのお友だちに勝つだけだと、井の中の蛙になってしまうかもしれないけれど、自分自身と競争できる人は、どんどん上を目指せますね。
三宅:おっしゃるとおりです。アドラー心理学の考え方は大人になってからも通用するものなので、ぜひ一度、触れてみていただけたらと思います。
自分を好きになれば、自分に自信を持てるようになる。自信を持てれば、まわりの人の役に立ちたいという気持ちが芽生える。子どもにとって、自分への自信は何よりも大切なもの。三宅さんによると、アドラー流子育ては0歳から始められるとのことです。今からアドラー流子育てを学んで、子どもの入園・入学前に、まずは親が自信を持つといいかもしれませんね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/三宅美絵子さん
アドラーカウンセラー、ベビーサイン講師。笑顔の子育て教室「blue bird」を主宰し、アドラー心理学の勇気づけなどによりママと子どもの笑顔を増やすお手伝いをしている。著書に『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)。2児の母。