チャレンジする気持ちをはぐくむ!おうちでできる勇気づけの子育て
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「うちの子、あまり積極的じゃないけど大丈夫かな」「すぐにグズってチャレンジしない…」「習い事をさせてもすぐに飽きてしまう」――。本当は子どもにいろいろなことを経験させたいのに、思うように子どもが行動してくれないと、イライラしたり、心配になったりしてしまうかもしれません。そんなママ・パパに知ってもらいたいのが、子どもに自信を持たせ、チャレンジする気持ちをはぐくむ「アドラー流子育て」です。ビジネスパーソンの間でブームとなっている「アドラー心理学」をもとに開発されたこの子育て方法なら、子どもも親も、自信を持って積極的に行動ができるようになるかもしれません。『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)の著者、三宅美絵子さんに、おうちでできる勇気づけの子育て方法を教えてもらいました。
「できない」と決めつけるのではなく、チャレンジできる方法を見つけてあげる
――アドラー流子育てがチャレンジする気持ちをはぐくむというのは本当ですか?
三宅:アドラー流子育てのベースは、子どもが持っている力、可能性を信じることにあります。たとえば子どもが「料理をしたい」と言ったとします。そこで「危ないからダメ」「子どもだからできない」という枠を設けずに、家族の一員として料理に参加してもらいます。そうすることで、チャレンジ精神がはぐくまれていきます。
――でもさすがに、幼児が包丁を扱うのは危なくありませんか?
三宅:包丁を扱うのが危ないのは、包丁の使い方を知らないからです。であれば、教えてあげればいいのです。とはいっても、いきなり大きなかぼちゃを切らせるわけにはいきませんよね。最初はパンケーキやバナナなどを、お子さんの手に合った包丁で切ることから始めてください。
――うまく切れずに、落ち込んでしまった場合は?
三宅:「上手に切ること」より、「お手伝いしたい! やってみたい!」と思ったことに注目するようにします。そして、うまく切れなかったとしても、「できなかったね」で終わりにするのではなく、「残念だったね」とお子さんのがっかりしている気持ちに寄り添いながら、どうすればうまくいくかを一緒に考えてみましょう。また、「切ってくれたパン、おいしいよ」と勇気づけの言葉をかけると、「またチャレンジしよう」という気持ちになると思います。
――「勇気づけの言葉」というのは、ほかにどんなものがありますか?
三宅:勇気づけの言葉は、普段の生活の中にもたくさんあります。「ありがとう」「助かったよ」「うれしいね」「頑張っているね」といった言葉はどれも勇気づけとなる言葉です。もちろん、ただ「ありがとう」と言うのではなく、心がこもっているか、相手の目を見て伝えているか、といったことも大切です。相手に共感して応援したり、感謝を表明したりすることなどが勇気づけの言葉として表れてきます。
――おうちで培った勇気は、外でも通用しますか?
三宅:もちろん通用します。家族にとって自分は大事な存在であり、自分は家族の役にたっている。いちばん身近で小さな社会である家庭の中で、そんな風に感じることができると、より大きい外の広い世界でもチャレンジできるようになるのです。
子どもが「やりたい」と言ったときは、何かを学ばせる絶好のチャンス。何でもかんでも「危ないからダメ」というのではなく、どうすれば安全にそれを経験させられるか、まずはどんなステップから始めさせるといいのか、といったことを考えるようにしたいですね。それが、将来のチャレンジする力につながるはずです。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/三宅美絵子さん
アドラーカウンセラー、ベビーサイン講師。笑顔の子育て教室「blue bird」を主宰し、アドラー心理学の勇気づけなどによりママと子どもの笑顔を増やすお手伝いをしている。著書に『幸せ親子になれる 0歳からのアドラー流怒らない子育て』(秀和システム)。2児の母。