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コーナーを作るだけ! 子どもの集中力が上がる部屋作り

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maroke/gettyimages

子どもスペースを作る際、何に注意していますか?「片付けが自分でできるように」「のびのび動き回れるように」……など、それぞれの家庭の方針によって注意すべきポイントは変わってきますよね。今回は、「少し集中力をつけてほしい」「もう少し落ち着いて遊んでくれないかな」と思うときのヒントになる、保育園の「コーナー」を参考にした室内の子どもスペース作りを保育士の相原里沙さんが提案します。

関連:保育園に学ぶ!子どもが片付けられる、おもちゃ整理術

相原 里紗
保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰
(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。0歳男児の母。

まるで迷路!?棚で仕切られたモンテッソーリの教室

将棋の藤井プロが受けたことで話題のモンテッソーリ教育。その内容が注目されることが多いですが、実は部屋のレイアウトにも特別な配慮がされていることをご存知でしたか?
そのレイアウトとは、役割の決められたいくつもの「コーナー」が1つの部屋に複数用意されているというものです。年齢に合った棚からスムーズにおもちゃ(モンテッソーリでは「お仕事」と呼びます)を自分で取り出して、そのおもちゃで遊ぶコーナー(机だったり、マットだったり)にたどり着けるようになっています。
一見すると棚で仕切られた迷路のような「コーナー」ですが、自分でやりたいことを決めて、自分で行動に移すという子どもの自主性を育むことを主な目的とした環境づくりです。最近は、モンテッソーリでなくても多くの園でこの「コーナー」を使った保育を取り入れています。

子どもが集中できる、保育園の「コーナー」のメリット

ではどんなメリットがあるのか見ていきましょう。

子ども落ち着いて過ごせるレイアウト

コーナー保育を取り入れている園の幼児クラスのお部屋は棚と机などの家具がうまく組み合わせられていて、そこまで広いスペースが見受けられません。お部屋の中からまっすぐ走ることができる直線を減らし、子どもたちが走ったりするスペースをなくしているのです。そんな環境の中に身を置くことで、自然と「お部屋の中では歩く、落ち着いて過ごす」という習慣が身についていきます。
歩いて行動するようになることで周りが見えて落ち着き、自分を取り巻く環境に気づくようになります。また、棚の遊びはコーナーで展開できるようにレイアウトされているので、遊ぶスペースを探してあちこち移動する必要がありません。こうすることで、部屋を歩き回る原因を減らしています。

自分で何をするかを選択できる

コーナー保育をしている園では、自由時間になると子どもたちが自分で遊びを選びます。大人が「〇〇をしましょう」というのではなく、やりたいことを選ぶことから遊びが始まるのです。はじめは「何をしたらいいのだろう」と戸惑う子どももいますが、周囲や大人の提案から、少しずつ遊びを広げていきます。何をするかを選んでいくことで、自分が今やりたいこと、やりたくないことを見つけることができるようになり、やがてやりたいこと―落ち着いて集中できることを見つけ出すことができます。

他のおもちゃが目に入りにくい

コーナー保育のもう1つのメリットは、目の前のおもちゃに集中しやすいこと。というのも、「おままごと」「工作」「絵本」など、コーナー毎に遊びが決まっているため、目の前にあるおもちゃが自然と同じカテゴリーものになります。そうなることで、目移りせずに自分の目の前のことに集中しやすくなります。

おうちでどうやって再現する?コーナーを活用した子どもスペース

コーナー保育が集中できるとは言っても、お部屋を棚や家具で仕切って専用コーナーを作るのは難しいですよね。家で子どもが落ち着いて過ごすことができる環境を作るコツを考えてみましょう。

子どもにとって動きやすい動線を考えて家具をレイアウトする

幼児の「やりたい!」は勢いがありますが、長くは続きません。絵を描きたいと思った時に、画用紙とクレヨンと作業机がバラバラの場所にあると、間で見つけた別の物事に目移りしてしまい、せっかく「集中して取り組もう」と思っていたことができなくなってしまいます。
1 子ども用棚と子どもの作業机は近くに配置する
2 関連するものは一つのボックスにまとめてすぐに移動できるようにしておく
など、動線をスムーズにする工夫をしておくと良いでしょう。
また、楽しいおもちゃの棚が目の前に見えるとせっかくの集中が途切れてしまう原因になるので、できれば棚を背や横にするレイアウトに。すぐ手にできるけど目に見えにくい位置におもちゃを置くのがポイントです。

自分で遊びを選べる環境設定にする

たとえば「あの絵本を読もう!」と思った時に、どこにあるかわからない、見つけにくいなどのハードルがあればあるほど、その気持ちは失われてしまいます。子どもの手の届くところに、「遊び」が見やすい状況で置いてあるかどうかを確認するようにしましょう。もちろん、すべての遊びを常に出しておくことは難しいので、子どもの興味関心を見ながら、数ヶ月に1回程度、おもちゃや遊び道具の取捨選択をしていきます。少し大変ですが、結果的に子どもが集中して遊んでくれるようになれば、日中の家事も捗りますよ!

子どもに合った家具を用意する

子どもの遊びやすい高さの机・椅子・棚などを準備すると、自発的にできることが増えて、結果的に集中できる時間が増えていきます。スペース上、普段使っているダイニングテーブルを使用する場合には、机の上まで遊びたいものを移動しやすいか、椅子の高さは作業をしやすいかなどを確認してみてくださいね。また、姿勢も集中するにはとても大切です。足をしっかり着いて良い姿勢を保てる高さの机と椅子を使いましょう。

子どもにぴったりの家具で、「静」の遊び場を作ろう

一口に「子どもに合った」と言っても、どんなものがいいのかピンとこないですよね。子どもの「静」の遊びを豊かにする家具の具体例をあげていきます。

ボックスにカテゴリごとに分けられる!持ち運びの出来る棚

絵本やおもちゃを見やすく収納できる棚は、子どもが自分で使いたいものを出しやすく、片付けやすくおすすめです。持ち運べるボックスや引き出しが付いているものなら、カテゴリごとに収納することで机や遊ぶスペースにすぐに移動、遊び、とスムーズに展開することができます。

高さ調整ができる!デスク&チェア

子どもの足がしっかりと床につくことは、子どもの姿勢に影響し、それが集中力に影響すると言われています。成長著しいこの時期に机を買うなら、体の大きさに合わせて調整できるものがおすすめです。シンプルな色使いやデザインも、落ち着いて過ごすことにつながります。

ダイニングテーブルには子どもに合ったハイチェアを

ダイニングテーブルを利用するなら、高さが調整できるハイチェアを選ぶことで良い姿勢で集中することが出来ます。食事の咀嚼も足が着くことが大切と言われているので、一石二鳥です!

関連:散らかす・引きこもる・結局リビング住人…子どもの一人部屋って本当に必要?

子どもにとって遊びは学び。遊びから集中力を養ったり、文字を学んだりしていきます。「園や学校で落ち着いて過ごしてほしい」と思ったら、環境を見直してみるのも一つの方法かもしれません。そして、何よりも大事なのは、静の遊びをしたら動の遊びも取り入れること!たくさん体を動かして発散するからこそ、静の遊びに落ち着いて取り組むことができます。ぜひトライしてみてくださいね!

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