困った! 子どもの登園しぶりはこう解決!
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入園、進級し、園生活にやっと慣れてきたと思ったら、「園に行きたくない!」「今日は休みたい……」などとグズグズ。ママは困ってしまいますよね。子どもの登園しぶりは、なぜ起こるのでしょうか? 親としてどのように接すればよいのでしょうか? 育児の専門家・長島ともこさんと一緒に考えていきましょう。
なぜ起こる? 登園しぶり
朝おきてから、園に行くまでずっとグズグズ、あげくの果てには「園に行きたくない!」「今日はお休みしたい!」などと泣き出す・・。これらの“登園しぶり”には、子どもなりの理由があると考えます。
入園したばかりの子にとって、初めて通う「園」という場所は、未知の世界。知らないお友達もたくさんいて、みんなと一緒にさまざまな活動を行うことにも慣れていないため、不安や緊張の中で過ごす時間が多いものです。
それでも自分なりにがんばって園生活を送り、自宅に帰ってほっとひと息。そんな時、園で友達にちょっかいを出されたり、先生に注意されたりなどを思い出してネガティブな気持ちになり、登園しぶりにつながることが多いようです。
「年少さんから年中さんへ」など、進級によって環境が変わり、大好きだった担任の先生や、仲が良かった同じクラスの友達とはなればなれになってしまった……などから、登園しぶりが起こることもあります。
大人でも、新しい職場に通い始めたり、異動で職場が変わったりすると緊張したり、不安になったりしますよね。子どももそれと同じ。自分をとりまく環境の変化をストレスに感じ、それが“登園しぶり”となって現れるのではないでしょうか。
「園」の環境の変化だけでなく、下の子が生まれた、パパが単身赴任になりママと子どもだけの生活になった・・など、「家庭」の環境の変化が、登園しぶりの要因となる場合もあると思います。
子どもの登園しぶり、解決のヒントはここにあり!
子どもが登園をしぶる様子が見られると、親は「うちの子は大丈夫かしら……」と心配になったり、「このまま園生活を続けられるのかしら……」と不安になったりしますよね。
しかし、親が心配したり、不安に思ったりすると、子どもはそれを敏感に感じとり、不安な気持ちが増してしまうこともあります。
親はどんと構え、いつもと変わらない態度を心がけ、笑顔で子どもを送り出しましょう。「⚪⚪ちゃんにいじめられるからイヤ」「園で⚪⚪したくない」などネガティブな言葉を口に出してきたら、「そうなんだ、⚪⚪ちゃんにいじめれるのがイヤなのね」など、まずは子どもの気持ちに寄り添い、共感を。
その上で、「△△先生が待ってるよ。今日などんな遊びができるかな」など、ポジティブな言葉をかけてあげましょう。
大好きなママから「大丈夫!」が伝わる表情や言葉があれば、子どもはそれだけで安心できるものです。
また、幼児期は、早寝早起き、3食しっかり食べるなど、規則正しい生活リズムも大切です。朝すっきり目覚めることが、よい1日のスタートにつながります。これを機に、これまでの生活リズムを見直してみましょう。
園まで送り、子どもと離れる時、子どもがワンワン泣いていてもママは笑顔で。「ママ、お仕事頑張ってくるね!迎えにくるからね!」と明るく声をかけ、その場をサッと去り、あとは先生に任せましょう。ママが去ったあとしばらく泣いている子も、時間がたつとケロッとして、機嫌よく遊ぶ場合がほとんどです。
気をつけて! こんな接し方は逆効果
子どもが園に行きたがらないと、親は焦ってつい、「何だだこねてるの!? 園に行くわよ!」
などと命令口調で叱りつけたり、「お友達はみんな楽しく園に行けているのに、なぜあなたにはできないの?」などと、周りと比べて責めてしまったりしてしまちがちです。
しかしこれは、子どもにとっては逆効果。親の高圧的な態度は子どもの心を萎縮させ、さらに問題を大きく広げてしまうこともあります。
また、朝、食事を食べようとしなかったり、ノロノロ着替えていたりすると、親のほうも忙しいので「早く食べなさい!」「いつまで着替えているの!」など、ダメ出しの言葉がつい出てしまいますが、これもNG。子どもの心を追い立ててしまうことにつながり、ネガティブな気持ちに拍車をかけてしまいます。
働くママは特に、決まった出社時刻があるため、朝子どもにだだをこねられるとカッとなってしまいますよね。でも、ここがふんばりどころ。
子どもに登園しぶりの様子が見られたら、朝時間をゆったり過ごすことを意識し、いつもよりも少し早起きして朝食の準備を早める、前日のうちにお弁当の下ごしらえをするなど工夫し、子どもと向き合う時間が少しでも作れたらいいですね。
子どもの登園しぶりは一時的で、時がたつと、「あの時なんであんなに泣いていたんだろうね」と、笑い話に終わるケースがほとんどです。心身の成長と共に、毎日笑顔で登園できる日が必ず来るはず。困った時は園の先生や園ママ、家族に相談しながら、わが子とじっくり向き合っていきましょう。