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グラッときたら逃げるは危ない!? 今と昔でこんなに異なる「避難の判断」と地震対策(防災)

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ひびの入ったレンガ積基壇
zimmytws/gettyimages

台風・豪雨など、激しい自然現象が発生した時には、「早めの避難」が呼び掛けられることがあります。
“地震”に関しても、以前は「避難」を前提とした、対策などの防災常識が多数存在していましたが、最新常識では、「避難は二の次」の位置づけに。
そんな「地震と避難」に関する考え方の変遷及び最新常識について防災アドバイザーの榑林 宏之さんに伺いました。

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榑林 宏之
一級建築士・防災アドバイザー

一級建築士として活動。「都市環境・住宅環境と防災」「都市環境・ランドスケープ計画における、人の行動・動線設計と危機管理」などに携わっています。
BAUMPLANNING一級建築士事務所

地震対策(防災)における「避難」の最新常識

地震対策(防災)において、昔と今とで考え方が大きく変化している要素のひとつが「避難」に関する考え方です。
基本的に、昔は、台風・豪雨災害などと同じく、地震災害に関しても、「避難を優先すること」がひとつの常識となっていました。
しかし、現代では、“地震”という自然現象に対して、「避難」の優先順位は低くなっているのです。

住宅・建物の耐震性向上に伴う「避難」の重要性の低下

“地震”に対して、「避難」の優先順位が低下した最大の理由が
*住宅・建物の耐震性能の向上
です。
住宅・建物の耐震性能は、「1981年の建築基準法改正」と「2000年の建築基準法改正」によって、大きな見直しが行われてきました。
特に、鉄筋コンクリート住宅(RC造住宅)と比較して、耐震強度の低い木造住宅に関して、
「木造の耐震基準強化(2000年)」が行われたことが、「地震=避難」という考え方が見直されるきっかけとなったものと考えています。
まずは、昔の地震対策の常識として「避難」に関する代表的な3要素をご紹介してみたいと思います。

昔の常識その1:揺れたら急いで屋外に避難?

昔は、「地震が来たら、まずは急いで、屋外に避難しましょう」という考え方が常識のひとつとなっていました。
実際に、大きめな地震が起きたあとに、家屋から人が外へ出て来るという光景を今でも、見かけることがあります。(現在はそのような行動をする方は、かなり少なくなりました。)
今は、闇雲に屋外へと出ることは逆にリスクと考えられています。
現代では、中・高層建築物が多く存在しています。地震直後の屋外では、上空(高層部)から、危険物が落下してくる可能性があるからです。

昔の常識その2:地震が来たら「トイレ」などに避難?

揺れた時に、「トイレ」などの狭い空間は柱や壁に囲まれているため頑丈で安全が確保できる。そんな理由から、「地震が起きたらトイレが安全」というのが常識となっていました。
ただ、現代住宅では住宅そのものが倒壊するリスクはかなり低く、住宅内の安全性は一律同等と考えられるようになっています。(耐震性の基準が満たされている住宅の場合)

昔の常識その3:玄関ドアを開けて、避難経路の確保?

地震によって、住宅が歪み、玄関などが開かなくなってしまうことを懸念。地震が起きたらまずは「玄関を開けましょう」ということが地震対策となっていました。
しかし現在は、マンションではバルコニーからも避難が可能となっているほか、玄関ドアにも地震対策(歪みによって開かなくなることを防ぐ構造)が施されています。
戸建て住宅では、そもそも掃き出し窓などからも避難は可能で、建物が大破していない状況にて屋内に閉じ込められる可能性はほとんどありません。

地震が来た時の最新常識:その場でしゃがみこむ(低い姿勢確保)

今の防災常識としては
*地震の揺れを感じた時に、動き回ろうとせず、その場で頭を抱え込むような低い姿勢で揺れが収まるのを待つ
が最適な対応(行動)となります。
もちろん、そのための前提条件(事前準備)があって、「室内の家具・冷蔵庫の固定」「高いところ(収納の上なで)に、物を置かない」など室内環境を整えておくことが必要です。
きちんと、防災対策をおこなっている上での、地震時の対応(行動)ということです。

地震(揺れ)が静まった後に「避難の必要性」の判断ポイント!

現代住宅は、“震度6強”でも倒壊することの無い耐震性を有していますので、大きな揺れが静まったあとの基本対応としては「家に留まる」ことが優先行動となります。
ただし、大きな地震の場合、そのあと数日以内に大き目な余震が発生する可能性が高いもの。
住宅の大きな損傷が無かったとしても、その後の余震によって住宅倒壊など大きな被害へと繋がる可能性があります。
ゆえに、本震による「住宅損傷の状況(程度)」をチェックしましょう。耐震性が損なわれた可能性がある場合は、指定避難所などへの一時避難を検討することとなります。
専門家(建築士など)でないと本格的な損傷状況チェックはできませんが、避難を判断する上での目安(チェックポイント)を下記に示しておきたいと思います。

木造・鉄骨造住宅の場合

木造住宅・鉄骨造住宅の場合は、「外壁・内壁・基礎」に
*大きな斜めのひび割れ&X型のひび割れ
が複数目に付くようなら、住宅の耐震性が損なわれると判断。余震に備えて、避難所への避難をおこなうようにしていただければと思います。

鉄筋コンクリート造(RC造)住宅の場合

鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅(マンション)の場合は、基本的に大破に至る可能性は少ないもの。
ただし
*耐震壁や柱に、大きなX型のひび割れ
が複数存在するようなら、耐震性が大きく損なわれている可能性があります。
熊本地震(2016年4月)のように、最初の地震後に、さらなる規模の地震が発生するケースがありますので、避難所などへの避難を前向きに検討するようにしていただければと思います。

行政などが発行している「地域の避難所マップ」の常備

大規模な地震災害が発生した場合、「停電」「通信障害」などが生じる可能性があります。
*PC・スマホなどが使用不可
となる可能性を前提に、各行政などにて発行している「地域の避難所マップ」をプリントアウトしておくなど、防災用品のひとつとして常備しておくようにしましょう。

関連:地震対策(防災)の最新常識「水の確保」

“防災の常識”は、生活環境の変化に伴い、新たな常識が生まれるもの。引っ越しなど居住地域が変わったときには、その地域環境に応じた「防災常識(対策)」を必ず、確認するように心がけていただければと思います。

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