【専門家監修】将来2000万円必要ってホント?!老後資金問題にお金の専門家がアドバイス!
老後資金は2000万円必要という、金融庁の報告書が大きな話題となりましたね。教育費や住宅ローンなど支出が多い子育て世代は、本当に貯められる?と不安に思われた人も多く、ネットで炎上する騒ぎとなりました。そこで今回は、口コミサイト「ウィメンズパーク」の皆さんの声と、老後資金に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんにお話をうかがいました。
老後に2000万円もホントに必要?
2000万という数字を見てどう思った?口コミサイト「ウイメンズパークの」に寄せられた意見を紹介!
年金以外のお金は必要だとわかっていても
「年金だけで生活できないのは、みんな分かっていたことだと思うんです。けど、具体的な金額を見せられるとビビります。『自分たちでどうにかしてください』って、あんたら高級官僚はいいよねって感じ。これでますます子どもなんて増えないんじゃないの? と、思います」
身の丈にあった生活をするための警告?
「両親は現在80代ですが、年金は月に2人合わせて17万円ですが余るそうです。食費は、食べる量が減ったというのもありますが、粗食にも慣れているので、2人で2万円も使わないそう。つまり2000万もいらないってことですよね??? 今回のこの騒動は〝身の丈に合った生活を〟という警告なのかな~と思っています」
自分なりに老後をシミュレーション
「ライフプランに沿って、細かくお金についてシミュレーションしています。贅沢な暮らしをしなければ大丈夫とみんな言うけれど、なかなか生活レベルを下げられないですよね。それに将来、孫ができたら、旅行に行くかもしれない…、病気になってタクシー移動になるかもしれない…、年金の支給年齢が今より上がったたり、支給額も微々たる額になっているかもしれない…。もしものことを考え出したら老後が不安です」
細く長く働く予定
「2000万なんて貯められるのかな。うちは無理です。ニュースを見て『何いっているの?』と、思ったレベルで無理! 子どもの教育費に毎月ヒーヒーいっています。大学院まで行きたいといっていますが、常に余裕ないので、学資保険以上のお金を、どうやって捻出しようか頭を悩ませています。夫の退職金と年金、あとは細く長く働くしかないのかな」
学費&老後資金の同時計画は無理!?
「子どもは、高校から私立→私大文系で軽く1000万はかかりますよね、理系なら1.5倍、きょうだいがいればさらに倍。子どもに奨学金という名の借金を負わせないと思ってきたけど、学費の工面をしながら貯金なんてできない! 学費とライフラインの費用は、消費税軽減されないかなぁ…」
皆さん、老後資金については、不安が尽きないようですね。専門家にアドバイスを聞いてみました!
専門家が指南。金額に踊らされてはダメ !老後資金の考え方・貯め方
老後資金2000万円問題について、大きな金額よりも、まず家計の不足分を知ることが大事と、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは言います。どのように老後資金計画を立てるとよいのでしょうか?
「今までも老後資金については、『最低3000万円は必要だ』とか、『5000万円くらいはあったほうがよい』など、さまざまな数字が飛び交っていました。老後資金に関するご相談を受けるときも、『老後資金の目標額は3000万円』という数字を聞く機会が多かったので、『老後資金が2000万円不足する』という数字が世間をにぎわせたときは、『発言力のある人が口にすると、こんなに話題になるんだ』と、逆に驚いたくらいです。
私が普段から、老後資金準備の際にアドバイスしているのは、2000万円とか3000万円の大きな金額に惑わされず、自分の家庭は年金でどのくらいの赤字が出るのかを考えるのが何より大切だということ。年間の赤字額が判らなければ、必要な老後資金額を見積もれないからです。
そして、生活コストが低く、年金での赤字が少ないご家庭なら、2000万円貯められなくても、十分に乗り切れますよ、ということも積極的にお伝えしています。実際に2000万円が貯められなくても、生活コストを抑えて、赤字の少ない家計運営をすれば、老後を乗り切ることは可能です。
逆に避けたいのは、『お金を殖やすには運用しなきゃ!』と焦って、リスクを取りすぎること。老後資金が思ったほど貯められそうにないご家庭は、運用でのリスクは最小限に抑えたいので、iDeCoを利用して、投資信託での積立をする程度がよいでしょう。無理をして、老後資金を減らしては、意味がないからです。
いずれにしても、子育て世帯は教育資金準備が先。本格的に老後資金を貯め始めるのは、その後でよいと思います」
今回の金融庁の老後資金の報告はについて、私たちの老後について考えるよい機会になったのかもしれません。人生100年時代に備えて、既に準備をしている人もいれば、教育費優先でまだ手をつけられない人も。畠中雅子さんのアドバイス通り、やみくもな金額を目標にするよりも、年金と照らし合わせて、足りない分をコツコツ貯めることが大事。私自身も先送りせず、計画を立て直してみたいと思います!
(文・酒井範子)
■文中のコメントは、「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です。
初回公開日 2019/10/04
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