結婚して良かったと思えた旦那の一言【夫婦のじかん大貫さんの「ママ芸人日記」#29】
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるのコラム連載「ママ芸人日記」第29回です。
結婚して良かったと思えた旦那の一言
我が家は、二人で協力して子育てをしております。
夫婦コンビとして芸人の仕事をしているのですが、私は漫画家やイラストレーターとしても活動しており、主にそちらで家計を支えています。
そして、家事が苦手な私に代わり、旦那が炊事をはじめとする家事全般を担ってくれているのです。
息子が生まれるまでは、結構きっちりとそれぞれの家庭での役割が決まっていたのですが、そこに『育児』が加わることで、一気にバタバタになりました。
とりあえず、お互いがお互いを支え合い、その時々に応じて臨機応変に動いていくという感じで、二人で子育て、仕事、家事をこなしているのですが、なかなかの大変さです。
出産後、私はとりあえず一ヶ月は育児に専念し、その後、イラスト系のお仕事を少しずつ再開していきました。
そして、生後半年を過ぎたくらいから、芸人の仕事も二人で少しずつ始めていきました。
しかし、これがまた大変でした。
当初は、「再開したばかりならそこまで仕事も増えないだろう」と思い、保育園にも通わせていませんでした。
マネージャーから仕事の連絡が来ると、短時間で終わる仕事の場合は託児所に、長時間になる仕事の場合は、栃木の実家で息子を預かってもらい、仕事へ行っていました。
栃木まで行くとなると、それなりに時間も要しますし、必然的に長時間仕事となるので、体力的にもかなり疲労困憊しておりました。
仕事の前日に栃木へ行き、息子を実家に慣れさせ、いつもの育児のスケジュールをできる範囲で母に伝え、当日は始発で実家を出て仕事をこなし、仕事が終わって実家へのお土産を買い、夜遅くに栃木へ戻り、実家で夜泣き中のの息子の寝かしつけをするという感じです。
正真正銘のクタクタです。
いつも、元気に見せたくてお団子頭をしている私なのですが、疲れ過ぎて髪のキューティクルが無くパッサパサで、肌も軽石かと思うくらい乾燥してゴワゴワになっていました。
旦那も、目の下のクマが酷く、一人で街中を歩いていたら警察の方から必ず職務質問をされるだろうと自信が持てるくらいの、やつれと怪しさを醸し出していました。
しかし、そんなスケジュールで仕事をした帰りの電車の中で、旦那がこんなことを言いました。
「今日の仕事、すごく疲れたけどさ…育児よりも全然楽だよね!」
そうなんです。私もこのとき、まさにそう感じていたのです。
確かに仕事は大変なことも多いし、疲れたりストレスが溜まることもあります。
けれど、自分のことだけを管理して動いていれば良いのです。
これが育児となると、まず第一に自分よりも大切な小さな命を24時間体制で守らなくてはいけないという使命があるのです。
それがベースとなり、食事や遊び、寝かしつけ等があり、そこに自分の食事やトイレがプラスされるという複雑な仕組みです。
そう考えると、とりあえず自分のことを中心に考えて行動できる私たちの「仕事」が、とても単純な回路に感じてしまったのです。
もちろん、仕事は人それぞれなので一概には言えませんが、「命を24時間守る」ということに関して知らず知らずのうちに気を張っていた私たちは、育児の大変さを本当に身に染みて感じることができました。
いろいろな家庭の形がある世の中になってきましたが、私の周りの友人は、まだまだ男性が働き、女性が家で育児と家事をしているという家が多い気がします。
育児を一人で担うことも物凄いことなのに、家事までしてるって…はっきり言ってスーパーウーマンです!
我が家ではよくそういう話になります。
物凄いことだよね!と、いつも盛り上がってしまいます。
それくらいすごいことですが、それと同時に普通ではありえないくらいの仕事量をしていると思うので、たまには誰かに頼って休んだり、自分にご褒美をあげて欲しいなと思います。
休むことって、なかなか難しいですけど、これを読んでくださった方が、自分を大切に思うきっかけになってくれたらいいなと思います。
本当に世の中の育児中のみなさま、本当にお疲れ様です!!
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
![](https://st.benesse.ne.jp/online/images/prof_ohnuki.jpg)
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。