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未就学児が肩こり!?【あごの発達不全】が子どもの全身にトラブルを招く

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近年、子どものあごが未発達で小さく、歯列矯正が低年齢化しているといわれます。しかし、あごが未発達なことが原因で問題が生じているのは、歯並びだけではないらしいのです! 
小学校に上がる前から「肩こりや首こりがひどい」「きちんとした姿勢で座れない」「握力が弱い」「かたいものがかめない」など...これらのトラブルは、実はあごの発達不全に関係しているというのです。なぜ、こういうこのようなトラブルが生じるのか、あごの発達不全を予防&解消するにはどうしたらいいのか、側頭下顎部障害(TMD)※1に詳しい、井出デンタルクリニック院長、井出 徹先生に聞きしました。

※1 側頭下顎部障害(TMD)とは、あご関節の運動障害や痛みをはじめ、歯のかみしめ、頭や首の痛みやこり、味覚障害やめまい、耳鳴りなど、いろいろな症状を引き起こすトラブル。あごや首の筋肉疲労やかみ合わせのずれ、姿勢の悪さ、ストレスなどが原因になるといわれます。

“あごが発達不全”とはどんな状態!?

「あごというと、歯ぐきのある部分だけに注目しやすいですが、あごの骨は、耳の下のあたりから頰のあたりもおおっている大きな下あご(下顎骨・かがくこつ)と、口の上から鼻のあたりをおおう上あご(上顎骨・じょうがくこつ)という骨で成り立っています。そのため、あごの発達というのは、上顎骨と下顎骨の発達ということになります」

赤ちゃんのあごの発達

「上あごは、頭蓋骨とつながっているので、頭蓋骨の成長とともに発達してきます。下あごは、上あごから少し遅れて成長していきます。
誕生後、上下のあごはまず、幅(横幅)が成長していきます。その後、歯が生えて歯が成長していくにしたがって、あごの高さや深さが発達していきます」

あごの発達不全とは?

「近年の子どもたちに見られるあごの未発達(発達不全)では、歯の生えるスペースが狭い、要するにあごの幅(横幅)や深さについて取りざたされることが多いでしょう。しかし、あごの発達不全には、下あごの高さが未発達だったり、上あごと下あごのバランスが悪いというケースもあります。むしろ、後者の発達不全のほうが、全身性のトラブルにつながりやすいと考えられます」

あごの発達不全はなぜ起こる?

「顔の形や大きさは遺伝します。そのため、上下のあごのサイズが小さいのには、遺伝的な素因があるのは確かです。でもそれだけではなく、骨や筋肉の発達には、正しい方向に負荷(刺激)がかかることが大事なんです。
あごの発達不全は、乳幼児期になんらかの原因によって、体と首の位置関係にゆがみが生じることに起因します。そのゆがみが生活の中で改善されず、逆にゆがみを助長するような生活習慣などが影響して、骨や筋肉に正しい負荷がかからないまま成長してしまうことも原因ではないかと考えられています」

あごの発達不全が招くトラブルとは?

あごに発達不全が生じると、どんなトラブルを起こすのでしょうか? 乳幼児期から就学時までに、起こる可能性があるトラブルについて解説します。

乳児期に起こりやすいトラブル

・食材をかめない、丸のみする、食べるのが遅い、片側ばかりでかむ
・唾液の量が少ない

幼児期に起こりやすいトラブル

・歯並びが悪い
・飲み込む力が弱い
・口をあけたまま食べる
・食べる姿勢が悪い
・口呼吸
・首のゆがみによる首や肩のこり
・姿勢のゆがみ

「舌の位置が正しい場所に収まりにくくなるために、鼻炎などの病気を起こしやすくなったり、呼吸量が減少するケースもあるといわれます。また、体と首の位置関係にゆがみが生じたままになると、首や肩のこりや、姿勢のゆがみも生じやすくなります」

就学時に起こりやすいトラブル

・むし歯になる
・顎関節症(あご関節の痛みや運動障害を起こすトラブル)を起こす
・歩く姿勢が悪い
・座る姿勢が悪い
・疲れやすい
・握力が弱い
・手先が鈍い
・重心がとれない

「あごの発育不全や、体と首の位置関係のゆがみは、歯の『かみしめ』習慣を引き起こす可能性があります。かみしめ習慣は、筋肉の緊張や全身のゆがみを生み出す心配があり、結果、いろいろな症状を起こしやすくなります」

あごの発達を促すための生活改善法

あごの発達不全は、予防するのが大切なのはもちろんのこと、疑わしい場合でも低年齢から改善するほど、治りも早いもの。先々、子どもにつらい思いをさせないために、赤ちゃん時代からできることを紹介します。

抱っこの角度に気をつけ、うつぶせ遊びをさせる

「首がすわりはじめたら、ママやパパが見守る中で、うつぶせ遊びをたくさんさせましょう。赤ちゃんが首を自分の力で持ち上げ、動かすことで、体と首の位置関係のゆがみが改善されやすくなると考えられます。
また、赤ちゃんは縦抱っこが大好き。そのため、首がすわらないうちから、首を支えながらも縦抱きをすることが多いでしょう。けれども、赤ちゃんの体の成長を考えると、早いうちから、縦抱っこばかりするのは、おすすめしません。やや寝かせた状態(60度ぐらい)で抱っこをすることで、体に重力の刺激をかけるほうが望ましいでしょう」

離乳食は体が偏らない状態にして食べさせる

「離乳食を与えるときは、テレビを消して、食事に集中させましょう。そして、まっすぐの姿勢で食べられるよう、ママやパパはスプーンをまっすぐ口に入れて与えてください。
おすわりがまだの赤ちゃんは、ママやパパが抱っこをして、おすわりができる子は、ラックなどに座らせて食べさせます。1才を過ぎたら、足が床や足板につく状態で食べさせます。また月齢に合ったかたさのものを与えて、よくモグモグカミカミさせましょう」

口の中や唇に刺激を与える

「赤ちゃんが物を口に入れたりなめたりするのは、物を確かめるのに、口の中や唇の刺激がもっとも確実だから。そのくらい、赤ちゃんにとって口の中や唇への刺激は重要で、脳への刺激につながりやすいといわれます。
そこで、あごの発達不全や体と首の位置関係のゆがみによって、神経系に影響を及ぼさないように、歯が生える前から、赤ちゃん用の歯ブラシで、毎日、赤ちゃんの唇や歯ぐきを軽くトントンと当ててみましょう。ママやパパの指にガーゼを巻いてトントンしてもOKです」

幼児期以降の全身性のトラブルは、あごの発達不全と、その原因になる体と首の位置関係のトラブルの両方から来ている、という説にのっとって、改善方法を紹介しました。就学時以降になれば、マウスピースによる治療も可能になるそうです。気になる方は、早めに専門医に相談してくださいね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■監修/井出 徹先生
井出デンタルクリニック院長。姿勢の悪さからくる体のゆがみと、ストレスからくる「かみしめ」による側頭下顎部障害(TMD)を長年治療するうちに、子どもの口のトラブルの多さを目の当たりに。あごの正しい成長のための乳幼児からのケアの啓蒙に力を入れ始め、日本食育育成研究会を発足。

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

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