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「お片づけ」は子どもに必要な情緒・能力も育てる!?

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気がつくと増えていく子どもの遊び道具。毎日「片づけて」と言っても、子どもは全く片づけられるようにならないのは、まだ子どもが小さく「お片づけ」を覚えるには早いからだと思っていませんか? 

『3歳からできるお片づけ習慣』(日本実業出版社)の著者である整理収納アドバイザー/お片づけ先生(R)の伊東裕美さんは、「お片づけを覚えるのは早ければ早いほうがいい。 言葉でコミュニケーションが取れる3歳ごろから始めるのが理想」と言います。

早いうちからお片づけを教えることのメリットは、子どもが自らお片づけをし、部屋がすっきりするだけではありません。子どもの情緒面、親子関係にも影響があるのです。前回のお片づけ3つのポイントに続いて、3児の母としてお片づけ教育をしてきて感じることを伊東さんに聞きました。

お片づけに苦手意識がない幼児期こそ絶好のチャンス!

───お片づけ教育メソッドができるまでのお話を聞かせてください。
保育士として働いた後、結婚して出産。長女が幼稚園の頃に整理収納アドバイザーの資格を取りました。整理収納の方法を勉強して、実際にお客様からお片づけの悩みを聞くうちに、子どものうちにお片づけのやり方を伝えていったら、大人になってからこんなに悩むことはないのではと考えるようになったんです。

─── 幼児期から始めるメリットはどのようなことですか?
例えばわが家は、上から中2、小2、小1の3人姉妹ですが、幼児期からお片づけを教えた次女三女と、ある程度大きくなってから教えた長女では、身につき方が違います。今、小学校高学年の授業では「整理収納」を学ぶ時間があります。私は幼児期からのお片づけ教育を推奨しているため、1年生の授業を手伝いに行かせてもらうこともあるのですが、高学年になってから1日とか2日教わっても、家でお片づけができるようになる子はまずいません。小1くらいだと、子ども自身が興味を持って「おもしろそう!」と反応してくれますが、高学年の子はすでに「お片づけって嫌なもの」と苦手意識を持ってしまっている場合も少なくありません。やはり自分から自然に片づけられるようになるには、お片づけにネガティブな気持ちがない幼児期から始めるのが大事です。

「ものの気持ち」を考えることからケンカの仲裁の名人に

―――お片づけを通じて子どもの中で「ものと人へのやさしさ」が芽生えるなど、子どもの情緒へも影響があると書籍に書かれていました。伊東さんのお子さんたちにもそのような影響はありましたか?
あると考えています。まず、幼児にお片づけを教える際には、「ものにも気持ちがある」ことを繰り返し伝えていくことをおすすめしています。ものにも気持ちがあるとわかれば「おもちゃだって踏まれたら痛い」「大切にしてもらえないと悲しい」と子ども自身で考え、ものを大切にできるようになるからです。ものに対してやさしい気持ちが持てるようになると、自然と人にもやさしい気持ちで接することができるようになります。
私のお客様からも「ものには気持ちがある」とお子さんに伝えていただいた結果「お片づけの際におもちゃをボックスに投げ入れることがなくなった」「ソファの下におもちゃが入ってしまったときに『かわいそうだから助けてあげる。ソファをどかして!』とお願いされた」など、おもちゃへのやさしい気持ちが芽生えたというお話を聞きます。
うちの子たちにも「ものには気持ちがある」と伝えてきました。その影響だけではないかもしれませんが、小学生になってお友達のケンカの仲裁に入ることが増えたのだそうです。最初は娘の話だけだったので半信半疑でしたが、面談で担任の先生にお会いしたときに「娘さんがケンカの仲裁に入ることが多いんです」と教えてもらいました。先生が言うには、2人の子がケンカになったときに「Aちゃんはこう思ってたんだね。Bちゃんはこう思ってたんだね。」と娘が声に出して伝えることで、ケンカをしていた子どうしが納得できるようになるということがあったそうです。
もちろん娘も友達やきょうだい同士で口ゲンカをすることもありますが、最終的には「私はこう思ってた。○○ちゃんはどう思った?」と、お互いの意見を聞き合って解決しているのを見かけます。

お片づけを通じた会話の習慣は子どもが成長しても残る

─── お片づけの最初のステップとして、ものを「使っている」「使っていない」で仕分けすると書籍にありました。
そうですね。いずれは子どもが自分で分けられるようになりますが、最初のうちは親が「これは使っている? 使っていない?」と質問を繰り返しながら分けていきます。収納する場所や収納のしかたについても、親が勝手に決めてそれを守らせるのではなく「これでいいかな?」「ここにおうち(収納場所)をつくろうか?」と子どもに質問して親子で決めていきます。「使っている/使っていない」も収納場所も親が勝手に決めてしまうと、片づけは「親がやってくれるもの」「お母さんの言うとおりにするもの」と、受け身な考えになってしまうからです。

最初は自分で決められなくても、「どうしたい?」と聞かれるたびに子どもは何かしら考えるようになります。たまにはおかしなアイデアも出てくるかもしれませんが、親には思いつかない柔軟な発想に感心させられることもあります。ありえないアイデアも否定せず「それいいね!」と肯定してあげてください。
そうやってお片づけを通じて親子の会話が増えて、子どもの意見を聞くことが親子に定着していくと、プレゼントでもらったものも適当なところに置くのではなく、「ここにしまおうと思う」としまう場所を自分で考えて相談してくれたり、使わなくなったおもちゃを「もう使わないから保育園のお友達にプレゼントしていいよ」と寄付の提案をしてくれたりするとお客様から聞きます。その結果、成長してからも親に相談しやすい環境がつくれることをお客様の家庭をみていても感じます。

子どもの動線に合わせて収納することで、自主的にお手伝いをしてくれるようになる

─── 家全体で動線を意識して収納場所を決めるのは、子どもだけでなく親にもいいことがありそうですね。
はい。子どもの動線に合わせてものの置き場所を決めると、自主的にお手伝いをしてくれるようになりますよ。例えばキッチンでは、危険がないよう配慮しながら、お手伝いしてほしいアイテムをお子さんの取り出しやすい高さを意識して収納することをどの家庭にもお勧めしています。
たとえばうちの場合、キッチンの出口付近にあるレンジの上に家族の人数分の食事用トレイを載せていて、食事のときに家族それぞれの席に自ら運んでいってくれます。レンジ下の引き出しには、カトラリーの入ったボックスやコップなども入っているので、何を運べば良いのか一目瞭然です。
こちらがコンロの火や包丁でケガをしないか気にしたり、手を貸したりする必要がないので、余裕がないときに「お手伝いしたい」と言われて「今無理!」とストップをかけなくてよくなりました。子どもも自分でやりたい気持ちを我慢せずにすむので、お互いにストレスが減ったんです。
お片づけもそうですが、子どもが自分でできる仕組みを整えることで、子ども自身が「やりたい!」と思ったときに行動を起こし、「自分でできた!」という小さな成功体験を積み重ねることができるのです。

お片づけが身につくことで自己肯定感が高まっていく

幼児のうちからお片づけ習慣を身につけている伊東さんの娘さんは、自分が「自分はちゃんとお片づけができる」と自覚しているそうです。子どもに「これが得意!」と自信を持てることがあるのは、親としてうれしい限りですね。
お片づけを通じて子どもの中で育つのは、ここで紹介したことだけではありません。自分で考える力や判断力、やりきる責任感など一生役に立つさまざまな力も身につけていくのだそうです。なぜそれがお片づけで身につくのかについて、そしてお片づけを進めるための具体的な方法については『3歳からできるお片づけ習慣』(伊東裕美/日本実業出版社)でじっくり学ぶことができます。
(文・古川はる香)

*Profile*

「お片づけ先生(R)」伊東裕美
Okataduke&Co代表。1980年東京都生まれ。保育士を経て、子育てを通じて片づけの大変さと大切さを身をもって経験。長女を子育て中に整理収納アドバイザー1級を取得。2018年より独立し、「お片づけ先生(R)」としてオリジナルのパネルシアターを使った講演活動や現場のお片づけサービスなどを精力的に行なっている。
●web:Okataduke&Co
●Instagram:@okataduke.sensei
●お片づけの曲:「おもちゃのきもち」

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