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狭いところに入りたい、ティッシュを箱からだす 赤ちゃんの行動のワケ【発達心理・専門家監修】

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撮影/成田由香利

床や壁に頭を打ちつけたり、ティッシュペーパーを箱から出して大喜びしたり。「これって大丈夫?」と心配になることもある、1才ちゃんの行動。でも、その行動やしぐさには、実は理由があるのです。1才~1才6カ月の赤ちゃんによく見られる行動やしぐさの理由について、発達心理の専門家・遠藤利彦先生に聞きました。

1才になると、伝い歩きやあんよを始める子も出てくる時期です。行動範囲がグンと広がるとともに、できることが増えるため「なんでもできる」という自信から、大人と同じことをしたがるのも特徴です。このころの赤ちゃんによく見られる行動やしぐさは、以下のとおり。それぞれ、どんな理由があるのでしょうか?

【1】 狭いところに入りたがる
【2】 床や壁に頭を打ちつける
【3】 つま先立ちで歩く
【4】 同じタオルをいつも持ち歩く
【5】 おもちゃよりも大人が使っているものを欲しがる
【6】 ティッシュペーパーを箱から出す
【7】 石やゴミなど小さいものを拾いたがる
【8】 一度口に入れたものを出す
【9】 同じ方向にばかり伝い歩きする

【1】狭いところに入りたがる

ママ・パパが抱き締めると赤ちゃんが落ち着くように、赤ちゃんは適度に体を圧迫される刺激を好みます。狭い場所に入ることで、同じような安心感を抱くのでしょう。安心する感覚をママ・パパ以外の方法で実現できるようになったのは、親離れの一歩、とも言える大きな成長です。「あそこにいると安心するのだね」と温かく見守って。

【2】床や壁に頭を打ちつける

この行動を初めてされたら、「危ないからやめなさい」と言ってしまうかもしれませんね。でも、これは自分の頭の存在に気づき、打ちつける感覚を楽しんでいるのです。頭は自分の目で見ることができません。打ちつけることで、頭も自分の体の一部なのだと認識しているのです。自宅や木の壁などであれば、けがをすることはないので、見守って大丈夫です。

【3】つま先立ちで歩く


つま先だけでも歩ける!という新しい発見と感覚、そして、できることが増えたことで楽しくてしかたがないのでしょう。この行動で発達障がいを心配するママ・パパもいますが、よくあることです。大人が過剰に反応すると、赤ちゃんとのかかわり方に変化が出てしまいます。その子の成長をおおらかに見守ってあげることが大切です。

【4】同じタオルをいつも持ち歩く

ママ・パパと少し離れていても、お気に入りのタオルを持っていれば安心できる、といった心理が働いています。「自分はこれがあるから大丈夫」という心の強さが育ってきた証しです。心の支えになっているので、無理に取り上げずに見守ってあげて。

【5】おもちゃよりも大人が使っているものを欲しがる

「大人のものだから」というよりも、目新しいものに引かれているのでしょう。ママやパパのまねをしたい可能性もあります。危ないものや触ってほしくないもの以外は、触らせてあげることで好奇心を満たすことができます。触ってほしくないものを強く求めてくるときは、新しいおもちゃなどで気を引くのも一案です。

【6】ティッシュペーパーを箱から出す

このころの赤ちゃんは、とても好奇心旺盛です。自分が引き出す分だけ、新しいティッシュペーパーが出てくるのが楽しいのでしょう。これはひとり遊びの始まり、やはり成長の証しなのです。部屋がティッシュだらけになると困るので中断させてしまうこともあるでしょうが、一度思う存分させてみるのもおすすめ。思いっきり遊ばせてあげることで、別のものに興味が向くはずです。

【7】石やゴミなど小さなものを 拾いたがる

赤ちゃんの目線と大人の目線はまったく異なるので、見えているものが違います。地面や床に落ちているものが、赤ちゃんの視界にはとても入りやすいのです。口に入れないよう注意して、衛生的で危なくないものであれば、そのまま拾わせてあげて。まだ、なんでも口に入れてしまう子もいるので誤飲には注意が必要ですが、好奇心の芽をなるべくつままないようにしましょう。

【8】一度口に入れた食べ物を出す

おなかがいっぱい、好みの味ではない、食べ物で遊んでいる、などいろいろな理由が考えられます。好きな食べ物なのに出してしまうときは、おもちゃとして遊んでいる可能性が高いです。初めて食べるものは、見た目、食感や味を確かめているのでしょう。

【9】同じ方向にばかり伝い歩きする

多くの場合、利き手・利き足は生まれたときに決まっているようです。伝い歩きを始めたばかりの赤ちゃんは、利き足と逆側の足先が少し外に向いています。そのため、利き足に力を入れて踏み込むと、利き足とは逆の方向に進みやすくなるのです。左右のバランスがとれると、反対側にも歩けるようになるので大丈夫です。

いかがでしたか?1才ちゃんの行動やしぐさにはいろいろな理由がある、ということがわかっていただけましたか。行動範囲が広がるとつい「ダメ」を連発しがちですが、どの行動にも理由がある、と知ることで見守る余裕が生まれるのではないでしょうか。(文/ひよこクラブ編集部)

※文内のまんがは似顔絵作家でもあるインスタグラマーまあこさん(@maako_manga )の体験です。


■監修/遠藤利彦先生
(東京大学大学院教育学研究科 教授)
発達心理を専門とし、発達メカニズムや子どもの生育環境を研究する発達保育実践政策学センターのセンター長も務めています


■参考/『ひよこクラブ』2018年8月号「赤ちゃんの不思議なしぐさ解説事典」

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