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「早くしなさい!」よりも時計を教えて。就学までに教えたい「時間の感覚」

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小さな女の子が大きな時計の下から外を見る。黄色の背景。教育、学校、学ぶ時間の概念。
Olga Nikiforova/gettyimages

大人は当たり前に身についている「時間の感覚」ですが、子どもにとっては難しいもの。
そんな時間の感覚を子どもに教える時期や方法などが気になるママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、目白大学人間学部子ども学科准教授・荒牧美佐子先生に話を聞きました。

時間を生活と切り離さない! 普段の生活で時計を意識して

--「時間の感覚」を子どもに教えるのはいつごろがいいのでしょうか?

荒牧先生:子どもによる個人差もありますし、普段の生活の中でどれだけ時間を意識しているか、ということにもよるので、一概に発達や年齢だけでは言えないのですが、3〜4歳ごろがいいと思います。

--それはなぜでしょうか?

荒牧先生:3〜4歳ごろになるとほとんどの子どもが幼稚園や保育園に通うようになりますよね。
幼稚園や保育園はある程度決まったスケジュールで動いていることが多く、子どもも時間と活動をリンクさせやすいんです。

--なるほど。規則正しい生活をしているほうが時間の感覚は身につくということですね。

荒牧先生:また、小学校に上がると、授業が何時まで、休み時間が何分間、と時計に従って動かなくてはいけないので、就学前までには時間の感覚が身についているといいですね。

--そのために家庭でできることはありますか?

荒牧先生:ママやパパが「幼稚園では何時にお昼ごはんを食べるの?」とか「保育園のおやつの時間は何時?」というような会話をしてあげると、子どももより時間を意識できるようになると思います。

そして家庭でも、時計をベースに生活する、ということを心がけてくださいね。
「◯時になったら〜〜をする」というように時間と活動を切り離さないことが大切です。
最初のうちは、「3時になったらおやつにしようね」とか「6時になったら好きなアニメが始まるね」など、子どもの興味が持てることから声かけを始めてみるといいと思います。

--子どもだけでなく、一緒に生活する大人も規則正しい生活をすることが大事ですね。

荒牧先生:そうですね。時計を無視して「早くしなさい」と追い立てたり、ママやパパが子どものことを代わりにやってしまってはいつまでたっても「時間の感覚」を身につけることができないので、まずは家族で時計を意識するところからスタートくださいね。

おうちの時計はアナログ? それともデジタル?

--先ほどのお話で、「家庭でも時計をベースに生活する」ということが大事とおっしゃっていましたが、家庭の時計はアナログとデジタル、どちらがいいと思われますか?

荒牧先生:私はアナログの時計をおすすめします。幼稚園や保育所でも、子どもから見えやすいところに設置してあるのはアナログ時計だからです。デジタル時計がダメだというわけではありませんが、アナログ時計のほうが子どもにとってもなじみがあるかと思います。
また、時刻と時間は厳密には違うということも関係しています。デジタル時計は数字が読めれば、「今、何時?」というように今の時刻を把握することができますが、アナログの時計は、針の動きから、今の時刻だけではなく、今から何分(あるいは何時間)後というように、時間の流れを意識しやすいとともに、ある程度の時間のまとまりを把握することができます。

--時間のまとまりをとらえやすいというのはどういうことでしょうか?

荒牧先生:たとえば、子どもと一緒にデジタル時計を見て、「今2時30分だから、3時になったらおやつにしよう」と言っても、子どもはそれがあとどのくらいかってわかりづらいと思うんですよね。

--たしかにそうですね。

荒牧先生:一方、アナログ時計だと「今2時30分で長い針が6のところにあるね。長い針が12まできたら3時になるからお昼ごはんにしよう」と言うと、子どももわかりやすいうえに、途中経過も把握することができます。

ですので、時間の感覚がまだ身についていない子どもの場合は、アナログ時計のほうがおすすめです。

荒牧先生は、時計は活動の切り替えるチャンネルであり、自分の行動をコントロールするためのもの、と教えてくれました。
「時計を読めるようになる」ということだけを目的とせず、日々の生活とリンクさせて「時間の感覚」を身につけていけるといいですね。
(取材・文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部)

■監修/荒牧美佐子先生
(目白大学人間学部子ども学科准教授)
お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。博士(人文科学)。発達心理学を専門とし、著書に「子育て支援の広がりと効果」『発達科学ハンドブック 第6巻 発達と支援』(新曜社)等がある。 

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