年齢差が13歳! 年の差きょうだいを育てるのって大変、それともラクなの?!
今回のテーマは、「年の差きょうだい」についてです。口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの投稿から、子どもの年が離れていて困ったことやよかったことを紹介します。また、発達心理学の専門家、青山学院女子短期大学教授の菅野幸恵先生にもお話を聞きました。
きょうだいの年の差はいくつ?
5歳差から13歳差まで…!年の差きょうだいがいるママたちのリアル子育てはどんな感じなのでしょう。
5歳差
「子どもたちも大きくなりましたが、ずっと仲良く遊んでいます。ママ友に5歳差の男の子きょうだいがいる人がいますが、そこは仲良しでありながら、殴り合いもしたりするようで、あまり歳の差は関係ないのかも? 「いっしょに遊ぶ」という意味では、歳の差よりも、同性のきょうだいのほうが遊びやすいような気がします」
7歳差
「めちゃくちゃ仲良いですよ~。長男と次男は7歳離れていますが、長男が幼いのか、二人で戦いごっことかしてます。逆にゲームとかユーチューブとか小さいうちから覚えてしまって、上の子と一緒にやっています」
9歳差
「9歳・5歳・1歳の子どもがいます。我が家に関していえば末っ子はただただ癒しでしかありません。大変なことは、レジャーですかね。遊びたいことが全然違うのでどこへ行っても、大体二つに分かれて別行動です。3人とも若干離れているので、本当は3つに分かれて遊ばせたいくらいですが…」
10歳差
「上の子は13歳の娘、下の子は3歳の息子です。娘は小さなお母さんをしてくれて、手伝ってくれるので助かります。でも、弟と本気になるケンカをすることもあります。弟はお姉ちゃん大好きで、保育園から帰る時にお姉ちゃんもいると大喜びです」
13歳差
「長男と三男は12歳差です。長男が中1の時に生まれました。正直、思春期で反抗期になりつつある長男がかわいがってくれるのか、不安の方が大きかったですが、生まれたらその不安は吹き飛びました。仕事で忙しかった夫に代わり、本当によく面倒を見てくれました。大変なことをあげるならば、私自身の体力がないということくらいですね」
年齢差があるからいいこともある!年の差きょうだいの育て方
年の差のあるきょうだいにはどんな特徴があるのでしょう。年齢差があるからこそ気をつけたい子どもとの向きあい方について、菅野幸恵先生にアドバイスをもらいました。
「きょうだいが生まれることは、家族にとって、とりわけ上の子どもにとって大きな環境の変化です。年の差があればあるほど、それまで当たり前だったことがそうでなくなります。
ただ年齢差があるということは、それだけ子ども自身が成長しているということでもあり、新しい環境を頭で(知的に)理解することができるため、年齢差が小さい子どもほどの大きな混乱(赤ちゃん返りなど)はありません。
一般的に5歳以上年の差があるきょうだいの場合、上の子どもは先輩ママたちの経験にもあるように、下の子どもをかわいがり親のようにお世話をする傾向があります。
ある子どもは、5歳違いの下の子が泣いているのに母親が手を離せない様子を察し、なんとかしなければと自分のおっぱいを吸わせようとしたそうです。もちろん親と同じようにはできませんが、下の子どもを保護・世話すべき対象としてとらえ、自分にもその責任があるかのように必死に関わります。
子どもによっては下の子の誕生に無関心に見える場合もあるかもしれませんが、それは新しい環境にどのようにふるまったらいいかわからない、あるいはわかるけど恥ずかしくてできないのかもしれません(10歳以上離れていると思春期にさしかかっているため)。その場合にはさりげなくふるまい方を教えたりするなどの対応がよいでしょう。
年の差があればあるほど、上の子どもはそれまで親の愛情を一身に引き受けてきたため、それがなくなる寂しさもあります。あからさまに甘えてくることはありませんが、もう大きいのだからと放っておかず、上の子どもとの時間も大切にしていただければと思います。
上の子をお兄ちゃん、お姉ちゃん扱いし過ぎないことも肝要です。自分から率先してお世話をするのと周りから押しつけられるのとでは全然違います。新しい環境を不安ではなく楽しみに変えられるといいですね」(菅野幸恵先生)
年の差きょうだい、微笑ましいエピソードがたくさんありましたね。でも、年齢差があってもママやパパをひとり占めできるような、親子の時間は大切なようです。(文・酒井範子)
菅野幸恵先生
青山学院女子短期大学子ども学科教授。専門は、発達心理学で研究テーマは、乳幼児期の親子関係、地域コミュニティでの子育てについて。著書に『あたりまえの親子関係に気づくエピソード65』(新曜社)がある。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。